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楽しかった
2021/05/04 11:45
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るる - この投稿者のレビュー一覧を見る
テンポよく絵画のことを知れた。その合間合間に経済の状況が挟まれててちょっとした豆知識程度だけど絵画と経済が密接だった時代だったのだと改めて感じさせてくれた良い本。とても好き!
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想像以上の面白さ!絵が好きで詳しい人でも知らなかったようなエピソードを、その絵が描かれた当時の時代背景を踏まえながら教えてくれる一冊。
そして、コロナ以降に出版されたからか、それぞれの時代の画家や民衆が、何度も困難を乗り越えてきたエピソードが散りばめられていて、今を生きる私たちに勇気や希望まで与えてくれる一冊だった。
ぜひ続編や別のバージョンも出して欲しい!
この本を読むことで、それぞれの名画をより楽しんで鑑賞できるようになった気がする。
特にへぇーっ!と思ったポイント。
・中世のイタリア人はめちゃくちゃ几帳面でなんでも書類にしていた
・絵画の一般公開を始めたのはナポレオン
・質実剛健ぽいイメージのミレーはめちゃくちゃミーハー(出たばかりのカメラで自分の作品集を撮影)
・ルネサンスはペストを乗り越えた復活の象徴でもあった
・「金のために働く」か、「自分のやりたいように働く」か、その答えはルノワールに聞け(見る人を幸せにするために働く)
軽妙な語り口(イケてる男女を描かせたら天下一品の"モテ系"ルノワールと、山やリンゴばっかり描いてる"オタク系"セザンヌとか)も魅力の一つ。
笑えて知識が深まって元気になれる一冊✨
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名画で学ぶ経済の世界史ということで、経済に関することがメインで書かれているのかと思ったが、配分としては、名画やアートに関することの方が多かった印象。
私は、アートが好きなので全く問題なかった。
いろんな絵画や画家、時には画商まで話が及び、うまく歴史とも絡めていて、あっという間に読み終わった。
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いやー,面白い本でした。経済と世界の絵画とのコラボがとても刺激的でした。このような視点で一冊の本を書ける人って,ちょっと変わり者ですね。少なくとも私にとっては,今までになかった視点を与えてくれました。しかもほんとに面白かった。「もっと読みたい」って思ったからね。
「経済と絵画との関連」と聞いて真っ先にわたしが予想したのは「絵の中に何か,経済に関することが描かれているのかも」ということだった。読んでみると,確かにそんな話もたくさんあった。考えてみれば,絵画作品そのものも商品の一つだし,今じゃ金持ちの投資先の一つだとも言えるのだから,経済と結びつくのは当たり前と言えば当たり前。画家という職業は一種の商売なのだから,経済に結びつくのは必然でもある。
自分らしさを追求したい…でも,そればかりじゃ絵が売れない。妥協も必要だけどやっぱりやりたいことはある…画家たちのこういうジレンマの中で,私たちを魅了する絵画が出来上がってきたのかと思うと,これまでちょっと近づきにくかった名作絵画がとても身近なものに感じてくる。
文体も柔らかく,すぐそばにいて語ってくれるような調子。著者の専門分野である経済の講演会も笑いありで楽しいらしい。ぜひ,ライブで聞いてみたいものだ。
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この著者の切り口は本当に面白い。
お金を絡ませることによって、今まで理解していた歴史とは違う観点で物事が繋がっていく。
そんな体験を一冊を通して実現してくれる。
とりあえず、カナレット、ディエゴリベラ、フリーダカーロの絵画は要チェックですね。
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会計士の書いた西洋美術史の入門書。
非常にわかりやすく、現代のビジネスマンがとっかかりやすいよう、秀逸な例え話が盛り込まれている。
戦乱に疫病、産業革命と歴史のターニングポイントの都度、人類と共にそれを乗り越えてきた芸術。今、同じくコロナ禍に生きる我々にも、史実が深く突き刺さる。
以下、メモ。
商売のグローバル化によるペストの流行と、金融のグローバル化によるリーマンショックは重なる部分がある。ルネサンスとはペストからの再生である。
聖書の量産化から発展した宗教対立。ノーサイド宣言をすることで、移民のブレインを得たオランダで東インド会社が発足。レンブラントの絵からチューリップバブルの話へ持っていく。質素倹約をモットーとするプロテスタント圏で、かつそれを象徴するチューリップの花が世界最初のバブルの対象となったのは誠に皮肉な話だ。
その同時期、絵画は権威による完全受注制から、マーケットで取引される対象に変わった。これによりサイズのコンパクト化、宗教画から風景画に対象が移っていく。
イタリア追い越せの精神でフランスは芸術家育成学校「アカデミー」を設立。ブーシェは貴族好みのオシャレ作風なロココ絵画を確立する(『ポンパドール夫人』)。
遊びすぎた貴族による「アンシャンレジーム」打破のため、フランス革命が勃発。ロココ文化は凋落。
フランス革命後の統治者がナポレオン。その肖像を書いたのが、ブーシェの親戚だったダヴィッド。
ダヴィッドは直線的で硬質な新古典派を確立。
こういったように、世相が混乱すると、芸術界な毎回古典への回帰を起こす。
なお、ルーブル美術館に絵画がたくさんあるのは、この時ナポレオンが占領したイタリアオランダスペインあたりから絵画を持ち帰ったため。
ナポレオンはこれをルーブル宮殿に保管したが、ダヴィッドの進言により、ルーブル美術館となった。美術品が私的所有物から公共財になった歴史的ターニングポイントである。
なお、この頃パリのアカデミーに通っていた田舎者がミレーだった。
その後、梅毒が大流行。娼婦のせいだと非難が集まる世相の中、マネは、ヴィーナスを娼婦にオマージュした『オランピア』を発表し大炎上。
その後輩が、モネ、バジール、ルノワールの3人組。炎上商法を引き継いだ彼らは、印象派を確立。
古典こそ絵画であるというアカデミーの理念に反抗した。
産業革命下、蒸気機関車を描いたイギリスのターナー。色彩と躍動感、つまりその場にないものを表現したロマン派である。カメラの台頭に対する画家としての反抗の側面もあった。
そしてその後、デュラン=リュエルをはじめとする優秀な画商により、印象派絵画がアメリカで流行。これは、①古典作品より歴史が浅く贋作が少ないこと、②アメリカ人が宗教画より風景画を好んだことによる。
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ルネサンスがペストからの再生でもあったとは。今このタイミングで読むと我々のルネサンスはどこへ向かうのだろうと思ったり。絵画と歴史や経済を結びつけた話はあまり読んだことがなくて面白かった。
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経済の世界史とあるが、別にそれに限定する必要はなかったのではないかと思う。普通に美術史だ。
経済の世界史かどうかはともかく、美術史としても内容がまとまっていて頭に入ってきやすい上、載っている絵画がフルカラーなので見ていて楽しい。
ツアーの体で文章で綴られているが、時々鼻につく感じはわざとなんだろうか…
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絵画が好きで、それぞれの絵や画家のことはなんとなく知った気にはなっていたけれど、時代の大きな流れや経済の動きが非常に分かりやすく書かれていて、これからの絵画鑑賞が更に楽しくなるであるろう一冊だった。
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会計士という美術とは全くの異業種の著者。
だからこそ書ける視点です。著者のファンなのでこの書を手に取る。
コロナ禍であることを強く意識し、疫病とヨーロッパの歴史において
絵画と画家について、著者得意のストーリで新たな視点で展開されており、
いつの時代も、進化していくことが大事であることを得ました。
サブタイトルにもあるように、「勇気」を過去の歴史を名画と経済という
視点で画家をモデルロールとして描いており、
前向きになれる気持ちになれました!
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前提情報何も知らなくてもわかるし、さらにいろいろ知りたくなる。
地図と説明と絵がバランスよく、イメージしやすい。流れで理解できるので飽きずにサクサク読める
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読みやすくて、わかりやすい。
もっと深く知りたくなります。
知的好奇心を刺激してくれるいい本です。
ヨーロッパの歴史や風俗をもっと学びたくなりました。
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名画に隠された秘密(作者の人生や時代背景)を丁寧に、かつ笑いも沢山織り混ぜながら解説して下さります。読み終わる頃には、高校の世界史で暗記科目として覚えた知識が、点と点が繋がるように整理され、知らぬ間に世界史と会計史の基礎的な知識も身に付きます。
ヨーロッパへ旅行に行くたびに、パックツアーのスケジュールで、たった数時間で有名美術館をハシゴする行為が恥ずかしくなりました。事前に歴史・宗教を学んだうえで、時間をたっぷり取って訪問し、一枚一枚を眺め、画家と自分との対話を重ねてみたいですね。そんな「心が豊かになる旅行」を実現するための、収入と時間を手に入れるべく、人生を再設計します。
筆者の田中先生とは企業の研修を通して出会うことが出来ました。公認会計士のお仕事から、歴史、落語、美術、リベラルアーツと、年々テリトリーを広げていらっしゃる方です。お会いするたびに、若者顔負けのバイタリティーと学習意欲のオーラが伝わって来ます。今後も田中先生の活動に目が離せません。
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シチリア島→気候良い、農産物、海の幸、ヨーロッパ・中東・アフリカの中心に位置→古代から多くの民族が取り合い
ノルマン王宮 パラティーナ礼拝堂「まるで天国のようだ」 周囲にはイスラムの幾何学模様 文化の十字路
11C十字軍 フリードリッヒ2世→イスラムとの友好を望む・平和案→200年にわたりエルサレムを奪い合う遠因
イスラムという共通の敵→南欧はキリスト教国家として結束 キリスト教の修道院(雑念がないように山奥)→都市に一般信者が増え、都市部に教会 ゴシック様式 パリ・ノートルダム大聖堂(2019年4月15日火災) 上へ上へ・ステンドグラス 教会も一種の商売(教会に行きたい気持ち・お布施) 文字を読めない人のために宗教画 新約聖書の受胎告知(大天使ガブリエルが妊娠を告げる)3月24日
農民が都市部へ 商業の発達
ペスト(起源は不明・中国が起源との説が有力→中東、エジプト、イタリアへ→ネズミ・ノミから人へ ヨーロッパ全土へ)
14C半ば フィレンツェ(大銀行バルディ家とペルツィ家、イングランド王に貸付・100年戦争→踏み倒されて倒産)→ペストでさらに大混乱10万人から3万人へ人口減→新興勢力 メディチ家 ルネッサンス(教会の増改築、大聖堂、彫刻・絵画)
ダヴィンチ20歳 受胎告知 遠近法活用
フランドル地方(オランダ、ベルギー、フランス北部)
フランス・ランス(シャンパン ヴーヴクリコ(未亡人の意)有名) 欧州の南北をつなぐ中間点・陸の要衝 ジブラルタル海峡のイスラム支配がなくなれば、交易は海へ
ヤン・ファン・エイク(ダヴィンチと同時代) 亜麻仁油で絵の具→油絵の発明
ベネツィアでは湿気が多く木板が歪む→布を張ったキャンバスの発明
15C活版印刷技術 ヨーロッパ圏のアルファベット・活字に有利→本の作りやすさ(航海術、簿記、計算…)→貴重なノウハウ→情報優位へ
陸路でイタリアへ 16C アルプス(聖霊、悪魔、恐ろしい場所)→ブリューゲルのアルプス版画→風景画のジャンル確立(今までは宗教画が主流) ベツレヘムの人口調査(雪、キリスト教テーマ、風景画と宗教画の融合)
1568年 絞首台上のカササギ(鳥は密告者を象徴)→カトリックが新教信者を弾圧
欧米人の同僚が言うカトリック気質VSプロテスタント気質のジョークが分からない☆宗教の話はタブーだが、英語を習う時に欧米人に聞いてみる事
欧州で最も美しい広場 ブリュッセルのグランプラスGrand Place(近所のチョコ店の甘い香り、ワッフル店) 市庁舎(天使ミカエルの像)
この広場でスペインによるエグモント伯残酷な死刑→独立戦争 北部にプロテスタントの国・オランダ 南部はスペインの支配が残る(ベルギー)
オランダ反乱軍は負けない戦い・ランデン包囲戦→街を水没させ「降伏するよりマシ」 オランダ建国の象徴・ランデン大学→多くの才能が集まる(レンブラント「夜警」(本当は昼だが経年劣化して黒) クルシウス教授→チューリップ(トルコ・イラン原産・ターバンのラテン語訳)
裕福な市民が絵を注文 絵のサイズも小型化
ベルギーの画家 ルーベンス「キリスト降架」アントワープ大聖堂
絶対王政時代 バロック(王様をヨイショする豪華絢爛な絵・歪んだ真珠の意・侮辱的ニュアンスあり)
1494年スンマ「数学大全」→簿記 同年メディチ銀行倒産→フィレンツェ混乱・ダヴィンチはフランスパリへ メディチ家のカテリーナはフランス王アンリ2世と結婚 フランス料理の文化発展
イタリアに負けないように王立文化アカデミー ブーシェ(イタリアで学びロココ絵画(優雅・ロマンチックな雰囲気)を確立)「ポンバドール夫人」
フランス 特権階級2%・市民98%→生活が苦しくなり市民革命へ→ロベスピエールによる恐怖政治・混乱→ナポレオン 画家ダヴィッド
他国から略奪した絵画を一般公開 農民画家 ミレー「晩鐘」「落穂ひろい」
16C梅毒流向 娼婦が原因 娼婦を描いたマネ「オランピア」 挑戦する姿勢
モネ バジール ルノワール「舟遊びをする人々の昼食」
第1回グループ展 印象(書きかけ)に過ぎないと悪口
グランドツアー イギリスの良家の御子息がフランスに渡りイタリアを目指す旅・終点がベネツィア
1732年 カナレット「ベネツィア風景画 大運河のレガッタ」 リアルト橋(銀行の起源)
1833年 ターナーJoseph Mallord William Turner(1775年4月23日-1851年12月19日)「ベネツィアを描くカナレット」 ロマン派(古典を重視する姿勢に反発・自由に感受性や主観を重視→見えるものをそのまま描く)
産業革命で機関車の絵 Rain, Steam and Speed – The Great Western Railway 逃げる野ウサギ☆どこに描いてあるか不明
新大陸でミレーの絵人気 注文に応じフランス人なら何気なくトリコロール入り「みのをふるう人」
トーマス・ヒル「最後の犬釘」"The Last Spike"(1881年)☆東西から建設を進められてきた大陸横断鉄道/建設に伴って得られる鉄道債発行収入、沿線で供与される土地利権から1マイルでも長く自社建設すべく激しい競争/議会は双方の工事進捗状況を調査し合流点をユタ準州プロモントリーと定めた/工事の完成は1869年5月10日/ユニオン・パシフィック鉄道の119号機関車とセントラル・パシフィック鉄道のジュピター号機関車を接続点で向き合わせて月桂樹で作られた特別な枕木に金と銀の犬釘を打ち込むゴールデン・スパイクの式典/「初めてアメリカは1つの国家になった」と形容されアメリカ史でも最も重要な日であると考えられている
絵を見ることは視野を広げること バブル時代の日本人の絵画収集、安値で買い戻した現在
渋谷駅 岡本太郎「明日の神話」
☆1967年メキシコ人実業家/メキシコシティ中心部に建築中ホテルへの壁画制作を依頼
1968 年渡墨/スーパーマーケットとして建築中の建物を転用した専用アトリエで制作/以後大阪万博テーマ館の仕事の合間を塗って何度も渡墨
1969年ほぼ完成した壁画をホテルのロビーに仮設置/依頼者の経営状況が悪化、ホテルは未完成のまま放置/その後、ホテルが人手に渡る/壁画は取り外され各地を転々とするうちに行方がわからなくなる。
2003年メキシコシティ郊外の資材置き場にひっそりと保管されていた壁画を岡本敏子が確認
2004年岡本太郎記念現代芸術振興財団内に再生プロジェクト事務局が発足/壁画の移送・修復に向けた取り組みが本格的に始動する。
2005年壁画を日本へ移送/修復
2008年3月渋谷に恒久設置決定/11月18日より渋谷マークシティー連絡通路内にて公開
☆2008年の夫人のメッセージ「二十一世紀は行方の見えない不安定な時代だ。テロ、報復、果てしない殺戮、核拡散、ウィルスは不気味にひろがり、地球は回復不能な破滅の道につき進んでいるように見える。こういう時代に、この絵が発するメッセージは強く、鋭い。負けないぞ。絵全体が高らかに哄笑し、誇り高く炸裂している。」
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前著「会計の世界史」が面白かったので購入。
独特の軽快な語り口と適切な章立てにより、サクサクと読み進められる内容となっている。
「経済の世界史」と銘打っているものの美術史も絡んでいる。ロココ調や印象派など、聞いたことがあるようで思い出せない言葉についても、わかりやすい解説ですっと頭に入ってくる。知っていたことであっても、読み進めるたびに背景知識がより整理されていった。
「13歳のからのアート思考」とともに一読しておくと、より絵画を楽しめるようになると思う。