投稿元:
レビューを見る
どこまでが本当で、どこからが創作か、わからない所が面白かったですね。
読んだ人がどう受け取るのか、というところでしょう。
しかし、読み終えて、台所へ行ったらテーブルの上に位牌が並んでたのには、ゾッ! としてしまった。お盆でお墓に立てる塔婆をお願いする葉書を書いて欲しい父が、勝手にやったことだったんですが、もう
投稿元:
レビューを見る
殺人や火事など陰惨な曰くを持つ家屋や部屋を、そのまま継ぎ接ぎして建てた狂気の忌み家“烏合邸”。その全容を知るべく、烏合邸に棲んだ者たちの異様な記録を読み進めるにつれ、読んだ人々をも怪異が訪う。
『どこの家にも怖いものはいる』('19.8読了)の続編にあたるメタフィクション「頭三会シリーズ」(勝手に名付けた)第2弾。事故物件をそのまま移築し継ぎ接ぎして一つの屋敷を建て、入居者らに記録をさせるというアイデア自体が狂ってるというか壊れてる。幼い男児を抱えたシングルマザー、作家志望の青年、家屋の一つの探索を行った女子大生、邸内で起きる超常現象の記録を依頼された学者。彼らの残した記録を読み進めるに従い、この歪で面妖な忌み家が徐々に姿を現していく。一方でその記録を読んだ人々の周囲にも次々に不可解な出来事や不審なものが。
正直なところ読んでいて何度も「部屋の見取り図が欲しい」と思ってしまったんだが、それをやることは盛大なネタバレになってしまうし、そもそもこんなイカれた物件自体図面化することは不可能なんだろう。何ともモヤっとしたラストは少々物足りなくもあるが、全貌が掴み切れない邸と同様に薄気味悪い余韻が残るのがいいのか。巨大な生物が蹲るが如き烏合邸の画を見てみたい気もする。
それぞれの記録、それに幕間で書かれた怪異のエピソードも三津田作品ではおなじみの味わいで、やっぱり怖い。自室に独りでいる時に読まなくて正解だったかも。
投稿元:
レビューを見る
ヤバい…ヤバい…話が進むごとに恐怖が強くなっていくのだが、ページをめくる手が止まらない。
何らかの事件が起きた家の各部位を寄せ集めてできた「烏合邸」。そこでの背筋がゾクゾクする奇妙で恐ろしい体験の数々。のっけから『黒い部屋』で先制パンチ。だんだんおかしくなっていく母ちゃんの日記にトリハダ。息子どこ行っちゃった?次章で明かされた『黒い部屋』の状態を普通に受け入れていた母親の感覚に絶句。
『赤い医院』の得体の知れない何かに包囲されていく臨場感に心臓バクバク。
このスッキリしない終わりはまだまだ続く怪異を予感させる。
投稿元:
レビューを見る
ハードカバー版からの再読です。
詳細をほとんど覚えていなかったのでまた改めて楽しめました。烏合邸のエピソードの怖さもさることながら、幕間で描かれるエピソードがそれ以上に恐ろしく、怪異がすぐそこまで迫ってきているかのような臨場感がありました。
投稿元:
レビューを見る
曰くのある家や部屋を一軒に纏めて建て直しそこで暮らすとどうなるか。あり得ない家に棲んだ者たちの運命は?〈解説〉松原タニシ
投稿元:
レビューを見る
読みやすくさらさらと進んでしまうけどスリリング!解説込みで面白い!
黒のパートが一番不気味で想像力をかきたてられるので好きかな。
投稿元:
レビューを見る
「家シリーズ」と銘打たれた作品群の第2作品目。曰く付きの家を継ぎ接ぎしながら1軒の『家』に作り上げたという、なんとも言えない建造物の話から始まる怪異譚。
「烏合邸」と名付けられたその建造物が実在していたのか、していなかったのか…。
読んでいくうちになんとも言えない不気味さが這い上がってくる。
疑問や謎は次々と浮かび上がってくるが、それに対しての明確な答えは与えられていない。もしかしたら「烏合邸」は今もまだどこかに存在していて、怪異は続いているのかも知れない。そんな気にさせられる。
夜中に読むのは……オススメしない。
投稿元:
レビューを見る
現実世界と怪異が交わってしまう三津田信三の「怖い家」シリーズ。「本当の筈はないけれど、でももしかしたら」と思わせるのが本当にうまい。黒い家の真相が分かったときは鳥肌が立った。
ただ空間認識能力がないので、文章で家の間取りを説明されるとこんがらがってしまうのが難点…
投稿元:
レビューを見る
本当なのか創作なのか分からないような書き方が怖さを増していて良い。難しい漢字を使うのは怖さを助長するのかな?
投稿元:
レビューを見る
オチが少し期待はずれだったかな。前作に比べると、うーん……
ただ、幕間(二)を読んでいた時、震えた。
この本を積読している間同じようにインターホンが鳴らされたのにモニターに誰も映っていなかった経験があったからだ。諸事情あり自宅に置いてある本は読めない状態で届いてしまったため、現在は自宅から離れた場所でこちらで買った2冊目を読んでいる。
今思えばインターホンの真横のキッチンにこの作品を置いていた。
あの本が今でも自宅にいると思うと……
投稿元:
レビューを見る
ある資産家が曰くのある家を一軒に纏めて建て直しそこで暮らすとどうなるかという実験を行った。
それらにまつわる手記や録音テープを見つけて調査をする主人公たちにも怪現象が起こり…。
冒頭に「この本を読むと何かが起こるかもしれません」的な文言が書いてある系ホラー。
「すべてを細かく書かずに、謎のまま放置している部分がある。このような、良い具合に放りっぱなしの感じが、恐怖を高めるためには必要だと考えている」とのことだが、全体的に怖さを感じなかったので残念。
4つの記録と主人公パートなので個々のエピソードのインパクトが弱かった気がする。
別々の曰くつき物件なので怪異が別物になるのはわかるが、一見の家に建て直されたことによってそれぞれの記録にもう少し関連性が発生して解決パートに入るほうが個人的には好み。
怪異の解決なし、推論のみ。オチが唐突なのでちょっと弱い。
投稿元:
レビューを見る
ヤバい物件を集めて、一つの大きなヤバい家を作ってしまうという、なんともヤバいお話。 それぞれの家での怪異とさしせまってくる障りにぞくぞくしました。 このシリーズ読んだあと、些細な物音が気になってやなんだよなぁ。笑 3作目も続けて読みます。
投稿元:
レビューを見る
三津田信三の最高傑作は個人的に百蛇堂・蛇棺葬だと思っていて、
この2つを超える作品を読むために
ポツポツと追い続けている。
今作は曰く付きの家を1箇所に集め、
建て直した館があるとの話から
その家の記録を調査し始める所から話が始まる。
今回も先程あげた2つの作品を超えることはありませんでした。
この作者の書く雰囲気が物凄く好きで
何故か手に取ってしまうのよなぁ。
投稿元:
レビューを見る
わざと忌み家を建てて棲む
#三津田信三
家シリーズ第二弾、曰の建物に纏わる違う方が書き起こした日記形式などの体験談をいくつかとそれに関する考察を(それに関わる事で自身に忍び寄る怪異と共に)著者が記していく作品。
それぞれの体験談もリアルで興味深く、更に所謂「読んだら呪われる」系読者巻き込み型の肝試し感覚の一冊でした!ゾクゾクしたいこの季節にぜひ!
投稿元:
レビューを見る
前作、『どこの家にも怖いものはいる』が非常に面白かったので、似たような系統らしき本書を手に取った。
家にまつわる怪異譚、というのは作者関係なく誰から聞いてもどんな形で知っても興味深いもので、それは恐らく、自分も他人も誰しも「家」に住んでおり、その卑近さと恐怖というレアなものが交わる「点」に触れてみたいと心のどこかが願うからではないかと思う。
(余談だが、私は前作を読んだ際に特に怪異には見舞われなかったが、お勧めした友人は読書中に家で怪異が続き、怖くなって最後まで読むことを諦めたと言っていた。)
今回も、忌むべき家の集合体、という大変蠱惑的な存在にワクワクさせられた。それを、複数の記録という周縁の視点から徐々に見ていくという構成も面白い。
ただ、個人的には、どの話にも割と三津田イズムというか、作家独特の描写が強く出ていて、「記録者」の個性を感じにくい表現になっていた感がある。(何かに追われる、というのは三津田氏の十八番でもあるし…。)記録者の個性を感じにくいということは、そこに、実話怪談にある「節々の歪さ」が感じられないということで、つまり、一連の物語として割とスムースに受け入れられてしまう、ということだ。
怪異譚としては文章がスッキリしすぎてやや拍子抜けしてしまうかもしれない。
勿論、本書の趣旨を拾い上げるならば、わざと記録者ごとの個性を潰し、読者が先入観や偏見を持たないように、また、全体を三津田テイストに書き直すことによって読者に怪異が及ばないように善処してくれているのかな、と考えることもできる。
それはそれでありがたいことなのだけど、もう少し、荒削りな感じの「記録」でも良かったのかな、と感じた。
それから、これは途中で気づいたことだが、家の話という、間取りが重要な流れであるにも関わらず、本書のどこにも間取り図は載っていない。ならせめて、読みながら自分で描けば良かった…。空間をしっかり把握しながら読み進めた方が、怖さも面白さも増すように思う。