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当の本人たちにはわからない
でもこんなにもキラキラしてる時があり
思いがあり
誰も悪くないのに
終わってしまうって・・・
切ない
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後半、思わず涙が溢れてそのたびに本を閉じて深呼吸する、というのを何度か繰り返した。
それは具体的な描写や展開に感動したというよりは、登場人物達の心の機微に、作者のその切り取り方や言葉選びの細やかさに胸が一杯になったからだった。
主人公は、どうして自分はこうもみじめなのか、という自意識に苛まれている14歳の少女。YA作品では定番の人物像だけれど、これまでのそういった人物像と少し違って新鮮に感じた場面があった。
"いつかきっと、わたしもあの輪の中に入ろう。根気よく足を進めて、いつかあの場所までいき着こう"
あの輪の中というのは、賑やかでキラキラしたクラスメイト達のこと。
序盤でも彼女は本当のわたしはもっと明るくて、誰とでも楽しくお喋りできるのに!と心の中で叫んでいる。
そういったクラスメイト達を冷めた目で見るわけでもなく、そこから離れた場所で自分の道を生きていくと決心をするわけでもない。輪の中に入りたいけれど入れない自分というものをちゃんと自分で認めていて、その上であの中にいつか入りたい、と思っている。
それがすごくいいなと思った。
夏の夕暮れの透明で濃密な空気の漂う、胸がぎゅっと締め付けられる物語だった。
感想を書かずにはいられない、そんな作品に出会えたことをとても幸せに思います。
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憎んでるんじゃなくて「焦がれてたんだ」
早瀬さんを思うさきの気持ち、自分もきっと誰かに持ったことがある感情。
この本の中には、自分も体験したことのある気持ちか詰め込まれていたように思う。
奈良くんと久和先生の関係もいいな。読みながら、さきと一緒に後ろで歩きながら微笑ましく感じているような感覚。
時間がとまったままの大切なもの。そこから離れて皆それぞれの生活を営むのだけど、やっぱり心に刻まれたものはいつまでもいつまでもそばにあって、それを共有し合う人たちを「同志」という言葉で表す。繋がり。
坂の上の古ぼけた一軒家がさきのそのときのたったひとつの希望であったように、自分にも同じように希望があって、それが今のわたしを作っているなんて思うと、生きるって大変だけど愛おしいって思える。そんな作品
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青春という名の帝国での日々。ともに戦った同志の奈良くん、久和先生、百瀬さん。不思議なお話だった。"関口佐紀"の過去の回想って形だったけど、中学時代の忘れられない出来事だったんだなって感じた。
外からは見えなくてもみんな色々抱えていて、自分の嫌なところだって見えてきて…でも青春の時代をいっしょに過ごしてきた同志とはつながってる。共感できる部分もあったし、最後のまとめ方が素敵だった。
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中学校教師の関口佐紀にかかってきた電話は恩師の訃報を伝えるものだった。
自分しか見えていなくて、仮面をかぶりながら、まわりに憎しみをまき散らしていた14歳。
大人だとあおいでいた人や同級生の心の痛みを知り、優しさを知り、少しずつ成長していく。
14歳というのは本当にしんどい。たくさんの出会いや経験で、大きく変化する年齢なのだろうな。
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学校帰りに峯田さんから言われた言葉がわかりすぎて辛い。浮かれては怯え、の繰り返しで愚かな青春。YA本らしいが、自分が10代の頃にこれを読んでどう思うか想像できないな…。
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YAと思って読んだけど、23年経った現在だからわかる視点が、とてもリアルに感じられてとても良い。帝国での思いを胸に、世界のどこかで頑張れている人がいる。色んな思いが凝縮されて一切の無駄がない、そんな本だった。ぜひ大人に。
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大人のほうが、この物語は響きそう。
大人になってからしかわからないものはあるけれど、でもそれは大人だから、というより、過ごしてきた時間だけの差なのかもしれない。そして、それがいいのか悪いのかも、わからない、かもしれない。
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他人にいらだつ自分に苦しくなる。思ったようにふるまえない。今すぐここから逃げ出したいのに動けない。そんな自分に翻弄されつづけたあの頃、ゆるやかな坂道をのぼりきった高台にあるその家が、私にとってただ一つの希望だった。1本の電話からよみがえる14歳の夏の日々を描いた物語。
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前半読むのがかなりきつい。
14歳という難しい年齢の内面を、
まざまざと突きつけられる感じ。
きついなー、と思っていると徐々に光が見える。
私ではない誰かが羨ましい、
満たされているあの子が羨ましい、
嫉妬と表裏一体の羨望。
あの感情を見事に書き切るとは、、。
やっと光を掴んだと思ったら、
突き放される現実もあり、
それでも「未来」はある。
最終的にタイトルでうなる。
うーん、こうきたか、と。
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学校の職員室にかかってきた電話。
聞こえてきた奈良君の声で、一気に過去に遡る。
帝国は学校かな、科学と実験の塾かな。
空っぽだった佐紀の心を、色々な人のほんとの気持ちが少しずつ埋めていく。
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共感性羞恥で読み進めるのに心折れそうだった。
児童書の人ということで、通りで。
対象年齢は小学校高学年~中学生くらいのイメージです。
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まず、装丁が美しい。あの頃の気持ちのまま本の形にしたみたい。
この気持ちには、佐紀の気持ちには、自分の中にも憶えがある。学校というハコに入れられた時の自分や他人を見る目に苦しくなるような気持ち。その中で少しでも光を見出そうとする気持ち。淡々とした日常のなかには激情のような思いが流れている。
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うどんカフェ以外では初めて読む、石川センセイの作品。今の自分を形作るものは、きっと、心を突き動かされたあの日の体験。不完全だった自分も大切にしてやりたいと、読み終えた後に感じました。
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【「青春」とは傍で見るほどすばらしいものでも何でもなく、不細工で、汗くさくて、はずかしくって、何ともやりきれないものである 小松左京】
中学校の教師をしている関口佐紀に、ある日1本の電話がかかってきた。電話の相手は、奈良比佐弥。中学の時に淡い恋心を抱いていた男の子。「久和先生、死んだんだ。」 恩師の訃報をしらせる奈良くんの声で思い出す。『14歳のわたしは、自分の内側にしか向いていない目で、世界のすべてを見渡せる気になっていた、とても愚かな子どもだった。』
青春というなの帝国で共に闘った「同志」たちとの、夏の日の物語。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+*
青春ってなんでしょうね。
水しぶき浴びながらプール掃除してるキラキラ感?
グワーッて叫びたくなるような小っ恥ずかしい思い出?
学校サボって駅前のマックでダラダラ喋ったりね
修学旅行で好きな子の隠し撮りしたりね
ケンカしたり
先生に怒られたり
校内合唱コンクールで急にクラスが団結したり
どうでもいい思い出だけど、あの頃しか経験出来ないようなことが青春だったなぁ ってことなんですかね
『どうかクラスの誰かが、名字の関口ではなく、名前の佐紀で呼んでくれますように』
うんうん。入学式後の教室で「ゆうきって呼んでいい?」って言われたら 人見知りのわたしは「よし、第1関門突破!」って思ったもんね。
YA本だそうです。