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お伽噺を大胆にアレンジ!
赤ずきん、シンデレラ、ヘンゼルとグレーテル、眠れる森の美女、マッチ売りの少女。
主人公は赤ずきん!
名探偵赤ずきんは、どうも誰かに復讐しに行くらしい。
その旅の途中で出会う殺人事件!
果たして怪しいあいつは犯人なのか?
マッチ売りの少女を翻案した、「少女よ、野望のマッチを灯せ」はクライマックスに相応しい。
マッチを擦っている間だけ見られる夢、誰も買ってくれないマッチ。
投げつけられる罵倒。
少女は金に目覚めた。
ダークヒーロー誕生だ。
本書の(ある意味での)救いは、彼らにはそれなりに殺人の動機があったということ。
殺してみたかった、ではないので、まだ理解できる部分もある。
だが、そうでなければ、それはミステリーからホラーに変わる。
ヒーロー、ヒロインたちの生々しい人間らしさ。
それは新たな魅力を生む。
映画で、ドラマで、漫画で、小説で。
何度も何度も新たな姿を与えられてきたおとぎばなしの登場人物たち。
本書でまた、彼女たちの魅力、物語の魅力を改めて感じられた。
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[墨田区図書館]
2020年に本屋大賞にノミネートされた『むかしむかしあるところに、死体がありました。』の著者の作品。ノミネート作と同様のコンセプトの本と思うのでこちらも合わせて読んでみたい。
そう思って予約してから早半年以上。前作が先日先に届いたので読んだら、ちょっと期待外れ。なのでこちらもダメかなーと思ったけれど前作よりはよく出来ていた(と、自分は描けもしないくせにエラソー)。
ただ、本作は進むごとにちょっとイマイチな"仕掛け"になっていき、最後の話ではあまりにもご都合主義な"造り"でちょっと幻滅。グレーテルの言動にわざわざ理由をつけようとしたエピソード作りが嫌な感じだったり、ラプンツェルの"ベッド"や"子孫"のあたりからちょっと無理やり感が出ていて、最後の対決話では、秘密の会合の前に仕掛けがあるか、牢獄への秘密の仕掛けがあるんだろうとは思っていたけれど、何もあんな大がかりな建造物の仕掛けは可笑しいだろう、、、、でも私自身が和モノより洋モノが好きなことも手伝ってか、前作よりは楽しく読めたし、これで一応当初の話題作二冊を読んだので、もうこの作者の本は今後読まなくてよいかな。
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2022年8月に珍しく読む本を探したいと息子が言うので本屋に。お気に入りの作者どころか、出版社も小説家も、著名な題名も、何一つ情報がなく戸惑う息子に当初「浜村渚の計算ノート」を提示したところ一蹴されたのだったが、、、、ぐるぐると探し回り、最後自力で選んだのはなんと本書と同シリーズの「むかしむかし~」。コーナー違うところにあったこともあって同作者などということも気づかず、表題表紙絵から興味をひいて選んだらしいけど、親としてはびっくり。小学生の終わり頃に星進一を気に入っていたし、きっと長い文章を読む気力も体力もまだないんだろうから、半ミステリぐらいのショートショート系がツボなんだろうな。
読み終わって本書も買うことに。以前思い出したサイコロ系?ゲーム本ジャンル、真面目に探してみるか。
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「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。」
青柳碧人(著)
2020年 8/23 第1刷 (株)双葉社
2020年 10/7 読了
読書の秋だー!とラジオで言いながら
なかなかゆっくり読む時間がとれず
ようやく今月初読了本。
前作「むかしむかしあるところに…」で味をしめたのか第2弾が早速出されましたとさ。
面白い…確かに面白いけどねー^^;
うーんこんなんでいいの?
って思うのはぼくだけだろうか?
とりあえず…
後回しにしてる「関ヶ原」の続きを読もう。
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和の昔話を元にした「むかしむかしあるところに、死体がありました」に続いて、またまた面白いお話を書いてくれたこと、読めることが嬉しい。こちらは、洋の昔話を踏まえた、面白いミステリー、少女の冒険譚。
一気読み。休日に、なんか楽しい読み物が欲しいという時に最適。
本を閉じた時に「あー、面白かった」と思えることも、読んでいる途中で残りのページが気になり、終わってしまうのがさみしくなることも、紙の本だからこそ味わえる重みもページをめくる楽しさも、読者の醍醐味だけど、それが味わえた作品でした。
殺意を抱く赤ずきんちゃん、シンデレラ、ヘンゼルとグレーテル、秘密を抱いた眠れる森の美女、野望を抱くマッチ売りの少女。展開の面白さだけではなく、家族の問題、社会問題、依存症、DVなどもさりげなく入れられていて、考えさせてくれたりもするところが憎い。
本を読むのに疲れた時に読むのにおすすめ、と本好きには紹介したい一冊。
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短編集ながらも伏線を回収して行くとみえてくるストーリーが。前作と比べずに単体で評価すると少し弱い。童話のキャラクタが如何に改変されているかを楽しむのも面白い。
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ガーナのおすすめ本商会(15)
今回紹介する本は、「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。」です。
作家の前作「むかしむかしあるところに、死体がありました。」という同シリーズ本を以前に読んでいたので、書店の新刊コーナーでこの本を見つけたとき、シリーズなら読んでみようと購入しました。前作も面白かったので読んで見ようかなぁと軽い気持ちで手に取ってみたのですが、本当に同じ作家が書いたの‼️ と思うくらいかなり攻めている作品でした。
読み進めていく手がまったく止まらずあっという間に読み終えてしまいました。
話の内容を一言でいうなら、赤ずきんによる推理ミステリー小説です。
赤ずきんが旅をしながら次々と起こる殺人事件をビシバシ気持ちよく解決していきます。赤ずきんや、ヘンゼルとグレーテルなど童話の登場人物が出てきますが、いわゆる童話の「赤ずきんちゃん」のイメージとは全く違う、新しい物語なので先入観を持たずに読むことをおすすめします。
赤ずきんが犯人を問い詰めるシーンで、「あなたの犯罪計画は、どうしてそんなに杜撰(ずさん)なの?」という台詞があります。思わず赤ずきんカッコいい!と本に向かって言いたくなるような場面です。まるで探偵ホームズのように、どんな計画も赤ずきんにはお見通しという頭脳派のキャラは、読んでいて気持ちよくなります。赤い頭巾をかぶっている赤ずきんちゃん、実は切れ者という設定がたまらないです。
物語は「ガラスの靴の共犯者編」「甘い密室の崩壊編」「眠れる森の秘密たち編」「少女よ、野望のマッチを灯せ編」の4つにわかれています。
「ガラスの靴の共犯者」はシンデレラと赤ずきんが乗っていたカボチャの馬車が、ある男を轢き殺してしまう…という殺人事件です。最初なので単純なトリックの話になっています。物語に推理のヒントがたくさん隠れているので、犯人を探しながら読んでみるのもいいかもしれません。
私がおススメする話は「甘い密室の崩壊編」です。旅の途中、泊まるところが見つからない赤ずきんに、ヘンゼルとグレーテルとそのお父さんがミートパイをご馳走してくれます。そうしてなかなか帰って来ないお母さんを探しに、お菓子の家に行ったところ、倒れた食器棚の下で死んでいた、という話です。この話の見どころは、ヘンゼルとグレーテルの関係です。二人ともお母さんに暴言や暴力を振るわれていたのですが、その影響でヘンゼルがグレーテルに歪んだ愛情を持つようになります。それが事件の鍵となるわけで、作中、赤ずきんも言っていましたが、二人の寝室はヘンゼルにとっては甘く、グレーテルにとっては苦痛な密室だったのではないでしょうか。ネタバレになるので、続きはぜひ本を手に取って確認してください!
最後の話の「少女よ、野望のマッチを灯せ」では、赤ずきんがなぜ旅をしているのかの理由もわかる、笑いあり涙ありの、締めの話です。エレンというマッチ会社の社長になった少女との戦いは、今まで解決して来た事件の関係者と一緒に立ち向かっていくので、まるで「プリキュアオ��ルスターズ」のような気分になります。計算高いマッチ売りのエレンと、頭脳派の赤ずきんとの戦いは、二人の生い立ちも相まりかなり感情移入してしまいました。
大人も子どもも関係なく楽しめる一作です。赤ずきん推理ミステリー小説をぜひ読んでみてください。
ハロウィンに異常に熱血なガーナでした。
2020/10/28
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今まで心に抱いていた赤ずきんちゃんの印象がガラリと変化。見た目は愛らしい子供だが、頭脳と度胸は大人以上。侮るなかれ。
シンデレラやマッチ売りの少女の強かさにも舌を巻いた。
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タイトルは物騒で、
ミステリー仕立てで、
タイトル通り?殺人もある。
今回は童話を元に話が作られています。
シンデレラ、ヘンゼルとグレーテル、
眠れる森の美女、マッチ売りの少女。
上手く元の話とミステリーとを組み合わせてあって
楽しく読めました。
短編集な感じもあって読みやすく、
最後にはそれまでの色々を少しずつ組み合わせたりして
スッキリです。
また別の話も読みたいなぁと思いました。
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童話を元に、赤ずきんが遭遇する事件の物語。
第1章 ガラスの靴の共犯者
第2章 甘い密室の崩壊
第3章 眠れる森の秘密たち
最終章 少女よ、野望のマッチを灯せ
赤ずきんが、ある目的のためにシュペンハーゲンに向け旅をする途中、シンデレラや眠れる森の美女などに出会い、殺人事件を解決していく。
そしてマッチ売りの少女に対する赤ずきんの思いが爆発する。
マッチ売りの少女と赤ずきんの対決という、思っても見なかった結末が面白かった。
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大人向けの童話です。
出てくる人物、ストーリーは昔読んだ童話がほぼそのままなのに、内容は大人向け。
赤ずきんちゃんが旅の途中で死体とか事件に出会い、解決していく物語。赤ずきんちゃんの聡明さもさることながら、内容がブラック。人間の欲望が描かれていて大人だからこそ面白いのかも。
そしてまた赤ずきんちゃんが旅してる目的もブラック。
童話が大人向けにこんなに変身させる著者の想像力に脱帽です。さらっと読めて面白い本でした。
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「むかしむかしあるところに、死体がありました」の続編というか、そのシリーズもの。今回はグリムやアンデルセンといった洋物童話×ミステリ。
主人公は旅をしている名探偵役の赤ずきん。第1話はシンデレラと舞踏会に行く途中、カボチャの馬車で人身事故を起こし…。第2話はヘンゼルとグレーテルと出会い、その母親を探しにお菓子の家に行くと、そこには棚の下で…。第3話は眠り続ける姫の存在を聞き、その国の宰相と行動を共にしていると、召使いの息子が冤罪にあい…。最後は本来の旅の目的だった、赤ずきんとマッチ売りの少女のバトルが…。
この作者にかかれば、本来純真無垢だった少年少女たちが、一気に人間らしい闇を抱えた存在になってしまうこのギャップが面白い。ただまぁ息抜き的な作品だったけど。次作は西遊記とか三国志、水滸伝なんかでも面白そう。
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前作より童話に忠実にというよりオリジナリティを感じる作品。
赤ずきんちゃんを絶対正義とも言い兼ねるラストかなあと個人的には思った。
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前作よりは毒が強めで楽しかったです。西洋テイストが入ると辛口度が増しますね←ヘイトではありません!可愛いストーリーの上にドロドロがあって面白かったです。「マッチ廃人」というワードが響きました。
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元ネタでツッコミが入りそうなところを丁寧に拾っていてニヤリとさせられる。12時で魔法は解けたのに、シンデレラのガラスの靴はなぜ残ったのか? ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家は、食べても平気な綺麗さなの? 魔法使いが死んでもお菓子の家は残るのか? アリは寄ってこない? など。パロディ作品なので仕方がないけれど、元ネタの縛りがちょっと強すぎるかなと感じた。
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西洋童話を題材にした特殊設定ミステリの連作短編集。探偵役の赤ずきんが「シンデレラ」「ヘンゼルとグレーテル」「眠り姫」「マッチ売りの少女」をモチーフにした事件を快刀乱麻に解決していく。
個人的には前作の「むかしむかしあるところに、死体がありました。」よりも好きかもしれない。軽さのあるユーモアミステリとして秀逸だった。続編ができたら読みたい。