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澁澤龍彦の代表作を近藤ようこが漫画化したもの。誰もが望んだ最も理想の形でのコミカライズだろう。皆やることだろうが、近藤ようこのコミカライズ作品を読むとどうしても原作と読み比べてみたくなる。ご多分にもれず、今回も本棚から原作の文庫を引っ張り出してきたのだけど、奥付をみて原作を読んだのが30年も前であったことに今更ながら驚く。
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・ジャヤヴァルマンの陳家蘭……アナクロニズム……迦陵頻伽。
・秋丸の可憐さ、パタタ姫の怪しさ。ジャヤヴァルマンの下りでも思った(「籟王のテラス」)が、パタタ姫はおそらく三島由紀夫「暁の寺」への返歌。
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2巻、航海記のキモ(主観的に)の幻想的な生き物がたくさん出てくるところ。ここらへんは文字のほうがファンタジーだったように感じるが、読んだのが何しろ何十年も前なので、ちょっと感受性が今の自分とは違う可能性が高い。原作再読の必要性を感じた。雲南まで。
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現在過去未来、性と死、夢うつつがどんどん曖昧になりながら物語がドライブ。自分のような俗物でも仏教の死生観?の本質?に触れた様な気がしてくる。
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1巻を夢中で読んで、半月のお預けを経ての2巻。全4巻ぐらいで完結するのかな? 夢か現か幻か、天竺を目指す目的を尋ねられて求法と言い切れない煩悩だらけの高丘親王(みこ)の薬子の面影を追うあやしくあやうい旅路は続く。3人のお付きを従えた僧のインド行といえば西遊記のバリエーションぽくもあり(弟子の安展と円覚の凸凹コンビは助さん格さんぽくもあり)しかし各地で幻獣とであい退治するというより交流を経てあれこれものを思うのは「陰陽師」の源流かもしれない。獏の話は、ちょっと前に読んだ「バクちゃん」のイメージも重なって、獏もたいへんだなと思ったり…。
蘭房の結び(III)、獏園(I〜III)、密人(I〜III)
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眞如親王と、なんかの御伴との東南アジアの旅が続く。
薬子がいい感じ。
獏とかそれに関する蘊蓄がいい感じ。
官能的な物を書きうる近藤先生のストロークで書き出される、オブジェクションで突き放された、物としての娼婦とか、他がいい感じ。
さう言へばダンゴムシって外来生物だった。
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2巻目では嵐にあって
本来の目的地から離れた国へ。
バクに夢を食べられてしまうなど
ますます夢とうつつの境界が
あいまいになってきたぞ。
薬にもなるという蜜人…
なんでもミイラ化した人間だとか。
それは即身仏だ、と
ひとり砂原の海を進む親王。
さて、行く先は。