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一気に読み終わった。#池井戸潤 さんの長編小説。
タイトル通り、#アキラとあきら という同名の主人公を軸にした二編の物語を壮大な伏線と共に組み合わせ、最後に轟音をたてるがごとく回収していく様は、原稿用紙1000枚の文字量を全く感じさせない。
寧ろ読み進め、残りのページが少なくなるにつれて、もっと読んでいたいという飢餓感に苛まれた。
目に浮かぶような情景描写、緻密に組み上げられたストーリー、張り巡らせた様々な伏線。それらを飽きさせることなく、テンポ良く展開していき、最終的にすべて伏線を回収して、なお爽快な読後感を残す。
だから池井戸潤さんの小説は中毒性があり、万人に受けるのだろう。
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兄弟間の軋轢というテーマは一貫していて良かった。
ただやはり瑛の成長が急すぎて感情移入ができない。
後半は彬の活躍がほぼなく、いつの間にか優秀だった瑛がいつの間にかすごい手段で解決していた、という感覚だった。
結局瑛一人でなんとかできたのでは??という感もある。
池井戸潤作品の持ち味でもある徹底的な勧善懲悪が全体的に悪い方に働いている。
無理やり状況が悪化していく逆ご都合主義や今までのキャラクター描写から逸脱するレベルで思考力がなくなる悪役。
普段はすっきりとしている読後感も、すっきりを越えてどこか物足りなさがある。
テーマは良かっただけに残念。
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もうひとつ、だった。
ポンと手品を見せられてネタも教えてもらえると思ったのに、スルーされた感じ。
東海郵船の内部改革、ロイヤルマリン下田の立て直し、そういった話がなく結末を語られても・・・
この前に読んだ「陸王」の方がよかった。
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最初から最後まで面白かった。
読み終わるのがもったいないと思いながら、でも続きが気になって結局一気に読んでしまった。
主人公2人とも働く姿がカッコいい。
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かりいれ借入 全株を譲渡します 言下の否定だ 微かな憤りを滲ませていた さらに重石を乗せるような話だ 経営が逼迫するのは目に見えている 大日麦酒ばくしゅ 承服できないことは多々ある 青息吐息のリゾートホテル 今にも決壊しそうな勢いで不安と絶望が脹れ上がっていく 解釈は創意に満ちている ミクロ的な分析からあらゆる方向性に放たれた論理の矢達。それがアクロバチックでいながら疑問を差し挟む隙なく、あるべき必然性を帯びて結びつき、華麗で大胆な結論へと集約されていく。 不動は呈した 今やその融資がゼネコンの生殺与奪を握っている かしだおれ貸倒引当金 突如心の回廊を彷徨っていた 蜜柑畑の急峻な斜面と向こうに見える黒く光る海 この巨額の稟議案件を斟酌し、妥当性を判断している。 悲しさと懐かしさの入り混じる記憶の中に身を置くことができた
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小さくして父の会社が倒産、自己破産し、最底辺の貧困の中で育ったあきらと、大手海運会社の御曹司として恵まれた環境で育ったあきら。生い立ちの真逆の二人のあきらが奇しくも同じ銀行に就職する設定は読んでいてぐいぐいと小説世界の中に引き込まれていった。
バブル期の銀行の狂乱の貸出競争と、バブル崩壊後の混乱は同じ業界に身を置いた自分と重なるし、忘れていた当時の記憶を呼び覚まされて、読んでいて大変苦痛に感じた。その中で冷静沈着に最善手を見出すべく奮闘する二人に大いに気持が入っていった。
最後の稟議書の出来栄えには拍手を送りたかった。
この小説から確認できたこと、それは銀行は利益のために金を貸すのではなく、人のために金を貸すということだろう。
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どっちのアキラもかっこいいやないか。
運命を受け入れ、それぞれの道でやるべきことをやっていく。気持ちのいい小説。バンカーってかっこいい職業なんだね。
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上巻は良かったが、下巻はアキラとあきらの二人のやり取りはあまりなく一人のあきらの話になってしまった。
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伏線が張り巡らされていて、
それがすべて回収されるすごさ。
サラリーマン小説なんて枠で語るべき
小説ではないと思う。
それぞれの人物が、宿命をかかえて
いきていて、それに抗うもの、
乗り越えようとするもの。
自分の力を認められるもの、
認められず、騙され、それでも、曲げない者。
人は、いろんな過去や事情を抱えている。
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最近の書籍と思ったが、大分前に書かれた(鉄の骨より前)との事で、時代背景も含めて納得。二人主人公として池井戸潤さんの小説として異例ですが、既に半沢直樹を彷彿させる正義感が貫かれています。
いつも悪者の産業中央銀行が正義側というのも他とも違いますね!
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不幸な経験が人生の糧になるとはなんとも皮肉なことだけど、糧に出来る人の人生は違うと思う。後半は瑛が活躍するたびになんだか嬉しくて涙腺が崩壊してしまった。
人生色々あるけど糧にできる人になりたい。
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思わぬ終わり方でびっくりした。
2人の「あきら」が、バッチバチにやり合うただのライバルものかと思っていた。しかし、色んなハプニングが重なり合うことがスパイスとなり、曇り空にまるで太陽でも射し込んだかのような清々しい気持ちになる読了感だった。
初めて池井戸潤の作品を読んだが、なるほど父がハマる理由がわかる気がする。
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結末も面白かったけど、諦めない主人公たちもとてもかっこ良かった。ガシャポンが私の中では変わりすぎてて「えっ!?」って感じだった笑。めっちゃ面白かったけど、崇おじさんが結局勝ち組のように見えて納得いかね〜。
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二人の境遇が違うアキラとあきらが社長と行員という立場は違えど同じ東海郵船を救うために全力を尽くす話。仕事にここまで打ち込めるのも羨ましいし、何より二人とも境遇は違えど、「家族の運命に巻き込まれてしまう」という苦悩は同じでした。しかし二人とも運命に抗うように行員になり、そしてその過去から学ぶことで最終的には経験が無駄ではなかった!っていう感じですかね。階堂家の無能叔父二人が死ぬほどムカつくけど、だからめちゃくちゃ面白かった!有能すぎるわ二人とも。こんなスマートだけど泥臭く仕事ができる人になりたい
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身に起きた出来事や家庭環境を運命として捉えると、人は皆逃れられない運命があって、彬も瑛もその運命の中でベストを尽くし人の為になったり周りを感化させていてかっこよかった。
家業を離れていた彬が弟の龍馬に代わって東海郵船の社長になる際、宿命だと受け入れていた。向き不向きって誰にでもあるし、不向きを受け入れる事は辛いけれどそれを認める素直さも必要だと思った。