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出だしがイヤ
2023/02/06 22:37
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供に恵まれず、夫から離縁され、仕方なく実家の手習所「銀杏堂」を継ぐことになったのが、二十四歳の萌という……その設定自体が嫌でした。今ならば、ありえないお話……。物語は、その女先生と悪童連中とのほのぼの時代小説です。しかも、捨て子まで!
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萌の、子供達一人一人と真っ直ぐ向き合う姿が印象的な1冊だった。小学生の時、あまりいい先生に恵まれなかったので、こうやって向き合ってくれる萌先生の元にいる子供達が少し羨ましかった。
ひとりとして、同じ性質の者はいない。
先生じゃなくても、一人一人向き合うのが必要だと、おしえてもらったように思います。
また、大銀杏の下に捨てられていた赤ちゃんを養子にし、先生をしながら慣れない子育てを頑張る萌の姿も、一人の女性として、応援しながら読み進めていました。その萌の子供に対する、萌の母、美津の姿に、微笑ましくなります。
ほっとする、とても優しい、江戸時代のお話でした。
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手習所『銀杏堂』に通う子供たちと女先生と周りの人たちのお話し。
子供たちに教えることの意味を考えてしまう。生き抜くための力というか、基礎という土台を少しでも良いものに少しでも荒波に耐えうるものにするように手を貸す。
そんな風に思う
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前から気になっていた作家さん、初読み。
手習い堂に通ってくる10歳前後の子どもたちと、出戻り24歳の萌先生。悪ガキに手をやいて後ろ向きだった萌が、"教えること"を芯にしてたくましく、前向きになっていく。話の筋としては萌が中心なんだろうけど、私は子どもたちの様子にとても惹かれた。
ままならない自分の能力や境遇を嘆いたり、諦めかけていても、大人の手助けで(冬の海をわたるのに板切れを持たせてやる、と表現されている)これからの長い人生に希望を見出せる、柔軟な心がまぶしい。時代ものならではの展開なのかもしれないけれど、それでも、がんばれよ、としみじみしながら気持ちよく読んだ。
大人が出てこない『目白坂の難』が良かった。短いけれど少年少女の冒険譚になっていて、やんちゃ坊主の活躍が頼もしい。
解説(吉田伸子さん)の一文にもうなずき。
「義理とか人情とか人としての筋とか、そういうものを読みたいのだ。」
そういうときにぴったりの一冊、たしかに。
『五十の手習い』に、「あきない世傳」にも出てくる伊勢型紙が登場して、お、と思った。
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子供たちと共に成長する手習い所の萌先生。
親や先生が教えたいことと、子供自身が学びたいことが、同じとは限らない。
一人一人と向き合い、寄り添い、周囲の人達と助け合って導いていく。
理想の教育が描かれている。
是非シリーズ化して欲しい作品。
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再読して やっぱりいいです、これ
江戸時代の話なのに 現代の教育の問題に向き合っている。
特に、読めるけど書けないとか 読めないけど、覚えるのはすごいとか ディスレクシアのことだよね。
西條奈加さんの他の作品には あまりこういう視点のものはない気がするけど
もう一度読んでよかった。
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手習所の新米師匠、萌の物語。
筆子たちとともに成長していく姿に元気づけられます。子どもたちを町の皆で見守る江戸の社会が今でも当たり前であって欲しい。年齢や家業、子供たちの得手不得手それぞれに合わせた教育が、現代でも普通であって欲しい。
さらにそこでもうまく導かれずにいた子どもたちを受け入れる「椎塾」の存在に救われます。
銀杏の木が全編にわたって静かに金色の光を注いでいるような美しいお話でした。実をつけてもつけなくても価値があるのですよね。
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202010/新米師匠の萌が、筆子達とともに成長していく姿が書かれた人情時代もの。しみじみ味わいながら楽しめた。
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夢中で読ませてくれる作家さんのひとり。銀杏の葉の黄色に彩られた物語で、出戻りの萌先生の屈折や前を向く姿などに共感する。最後、駆け足気味だったけれど、それも緊張感があってよかった。ただ、「すべからく」の一文がちょっと気になった。
須らくは「すべて」ではなく、「(当然)なすべきこと」。
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嫁いで三年、子供が出来ず、離縁され身一つで実家に戻った萌。
手習場を営む実家で、新しい人生を再び始めるのだか……。
西條奈加さんは子供を描かせたら、天下一品ですね。
素敵な一冊です(^^)
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初めてこの作家に巡り合えました。
ややこしい大人の世界が描かれず、若くして離縁させられてしまった主人公、萌が教える手習所に通う子供達との温かいお話。
一番良かったのが「五十の手習い」、無口な親方の描き方もよいけれど、高田郁「あきない世傳」の話の柱になっている伊勢型紙職人が描かれている。
西條さん、高田さんの援護射撃をされている様な…。
そう考えるだけでも嬉しくなる。
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最後の書評にもありましたが、ITが発達して、匿名性の中で荒んだ振る舞いが目立つ世の中で、心温まる小説を読みたい時にぴったりでした。
学習障害のある子たちも、物語の中で包み込み、江戸時代はこんな感じで生きてこれたのかしら、とも。
他の作品も読みたいです。
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西條さんの作品は、史実からのお話よりも今作品のような市井で生きる人々の話の方が好きかもしれない。大人でも悩んで迷って嫉妬して羨んで、でも己を生きる姿が素敵だった。
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自身も捨て子だった主人公の萌、
子供ができず実家に戻って、手習い所を手伝う。
子供たちと向き合う内、両親が血の繫がらぬ萌を慈しみ、愛情深く育ててくれたことを理解する。
子供一人一人に合わせた教育
様々な内容の手習い所、選択できる教育
現代日本の教育と比較してどうなのでしょう。
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純粋に学ぶことの意味を考えさせられる作品。
学ぶことを通して大人も子供も成長してゆく様子が素晴らしい。
やらされる勉強は嫌だけど、目的があれはモチベーションが全く変わるのは昔も今も同じです。