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日常の会話が人とできていたら、「家族」とか「兄弟」とか「夫婦」とか、
名前のついた人間関係なんていらないのではという言葉に
確かにそうかもしれないと思う。
自分がここにいてもいいのかと思わないでできる会話。
それが日常にできること。
それさえあれば、人は生きていけるのではないか。
人との関係のあり方を考える。
本巻は次への布石という感じも大きく、続きが楽しみだ。
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73
人類って、こういう日常の会話さえ人とできていたら、「家族」とか「兄弟」とか「夫婦」とか、名前のついた人間関係なんていらないのではないだろうか。
自分がここにいてもいいのか?と思いさえしないでする会話こそが、会話の本質ではないか。
74そんな感じで絶妙なバランスでやっていけていて、将来に不安はない。
自分がこの世にいることがまわりの人を喜ばせているという自覚があるからだ。
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書き下ろしでシリーズ第3作
帯には「哲学ホラー」とあるが、ホラーというより精神世界、思念の世界でいろいろなものに出会い、わかっていく物語だと感じる。
この町では異世界から来た人々が共生し、死んだ人を労働力にしていたりしていたが、前作では除霊師の美鈴が逆に死んだ少女の霊に体を乗っ取られて、主人公のミミがその少女の霊と話し合ったが、今作では妊娠していなかったとわかった美鈴の部屋に座敷童のような見えない子供の気配が居つく。解決はしていないが、ミミはその気配を見ることができ、夢を通していろいろなことに気づくようになる。
虹の家の占い師の姉が死んで(消えて)、ミミは妹に会いに行くが、妹は美鈴の家の座敷童を「人がものに対して特殊な思い入れを強く持つとそのものに魂が宿り、命のようなものを持つようになる」エレメンタルだといい、「現実に夢が漏れ出てきてしまった、そんなイメージ」だと見抜く。
ライターであるミミが語る「文章を書いたり、人の内側を空想することって、占いみたいに、先のことを知る代わりに何か大切なものを宇宙に支払っている。そんな感じがする。」という言葉は作者の思いなのだろう。
最後にミミが夢で前作で美鈴を乗っ取っていた黒美鈴に会い、感謝されていて、ちゃんと成仏できることを知る。そして座敷童が美鈴の弟の霊ではなくかわいい女の子であることを教えられ、助けたい、ありがとう、よろしく言われる。これは次作「ミモザ」に続くらしい。
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吹上奇譚、新しい第三話が特に好きです。どうしてこんなに気持ちが分かってもらえるんだろうと、救われる気持ちがします。文章に、世界に憩うことができて、支えになっています。
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全くわからない。
何とか最後まで読んだけど、理解不可能。
シリーズものなのに、三話から始めたからか?
一話からならわかるかな。
やっぱり、わからないかな。
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哲学ホラーとあるけれど、ホラーというよりもファンタジー。哲学的な。
生きること、生きてゆくこと、人としての本質、愛のかたち。
墓守くんの、弱くてへなちょこで、温かな陽射しみたいな感じ、やさしい雰囲気が、この物語の全てな気がする。
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いつだって吉本ばななさんの作品は、非日常へ導いてくれるので好きです。この本も不思議な世界観で読了後、すがすがしい気持ちになりました。
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人が人との間で生きていくことの感覚を自然に無理なく表現していて、感動的な場面というわけではないのに涙が出そうになるのは不思議。全ては波のように消えてはまたやってくるのが生きていくことなんだなと感じた。
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最後に嵐の前の静けさと書いてあったが、まさしくこの3巻目は人が死んだり自分が死にそうになったりするものの、基調としては落ち着いてミミの中で哲学的な考察が、あるいは今あることの幸せが成熟していくような感じ。
次からは物語が変化していくのかもしれない。期待してます。
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このシリーズ、てっきり3部作だと思っていたら、あと2作出る予定の5部作らしい。
なのでこの「ざしきわらし」はちょうど真ん中の3作目。1〜2冊目よりさらに精神世界に深く迫ったような内容だった。
主要人物がほぼ全員不思議な力の持ち主なのに、読んでいくうちに慣れてきてしまって、話中で起こることが当たり前のことのように思えてきてしまう。
それと言うのも、語り手でもある主人公のミミは、力の具合としては普通と不思議の境目にいるような感じなので、強大な力を持つ登場人物たちを少し距離を置いて見ているところがあるからなのだと思う。
「夢想していたことが現実に漏れ出す」とか「危機一髪のところを見えない力に救われる」ということは、現実にもありそうな気がする。見えないものなので信じるか信じないかの話にはなってしまうのだけど、それを信じることで温かい気持ちになったり生きる力が湧いてくるということもきっとある。
命懸け系霊媒師の美鈴の惑いが人間らしく、彼女を人間らしさの境地へ引き戻した恋人の墓守くんのどことなく頼りなく、だけどその人のそのままを愛してくれる感じがとても好もしい。
墓守くんみたいな人ばかりの世の中なら平和なのになぁと、無理なことを考えてしまうほどに。
わりと緩やかに終始したのだけど、この先に進む前の、嵐の前の静けさ、なのだとか…?
このシリーズがどんな風に進みどんな風に終わっていくのが楽しみであるとともに、登場人物たちが全員無事で終わりますように、と願わずにはいられない第3話でした。
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虹の家の姉妹のこと。
美鈴の過去のこと。
守ってくれた弟ヒロシとおばあちゃんのこと。
謎の見えない子供の存在。
今回もスルッと読めた。
この第三話で終わりと思っていたら第五話まであるらしい。
ここまで来たら彼女らを最後まで見届けたい。
彼女らの日常を覗いているのは飽きない。
第五話までが一冊にまとまっていたとしてもあっという間に読み進められるだろう。
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美鈴が元に戻ったと思ったら、今度は座敷わらしがいるという。
座敷わらしは子供の生まれる前兆か、
弟の霊なのか?
ミミは町の住人たちとどんどん仲良くなる。
人との繋がりがゆるくて温かくて、
読んでいて心地よい。
第四話、もう一度読み直したい。
第五話まであるの?
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読了後、長時間の読書に目が思った以上に疲れ、ここからは耳から何かを摂取しようとふと流したインナージャーニーの「夜が明けたら私たち」。サラちゃんの優しくもパワフルな歌声や道標のような歌詞があまりに作品にマッチしていて気分転換のつもりが涙だだ漏れで自分でもびっくり。こういう素敵なことがたまにあるから偶然を必然だと勘違いしてしまいます。
ばななさんは、最後に自分の名前を置く時にその時の自分をストレートに表現してくれるのでいつも楽しみ。