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CL 2021.3.31-2021.4.4
エルヴィス•コールとジョー•パイクはやっぱりいい。もう彼らに会えないかと思ったこともあったから、ほんとに高橋恭美子さん感謝します。
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今年の初めに読んだのが『天使の護衛』。ご存じエルヴィス・コールの相棒ジョー・パイクを主人公に据えたシリーズ第一作品である。その後三作ほど置いてのシリーズ新作が本書、十年以上ぶりの邦訳となるが、素直にこうした機会が得られたことは喜ぶべきだろう。
ともかく、へらず口を得意とする探偵を書いている作家が、無口な相棒を主人公にここまで書ける、というところがパイク・シリーズの何と言っても味噌なのである。
ところで『天使の護衛』を出版したランダムハウス社は、最後まで侮れない海外作家出版の一角を成していたのだが突然倒産してしまった。それによる絶版の不幸にあった名作も少なくなかった。扱われていた作家たちも、その後の版権が途絶えたり移ったりしたおかげで日本国内で影響が相当にあったように思う。
ロバート・クレイスは、本国ではNWA・PWA受賞ばかりか生涯功労賞まで受けているという巨匠であるにも関わらず、シリーズ翻訳作品が日本では長らく途絶えてしまっていたから、少なくとも当該出版社の影響を受けたと言える作家だったように思う。
かく言うぼく自身、この作家を当時のリアルタイムで知ったのではなく、日本復帰作品とも言える『容疑者』で、警察犬マギーを主役に据えるという予想外な感動作と出会ったおかげで、この作家の底知れぬ実力、またその卓越した世界構築能力に驚愕しつつ、そこに生きるコールやパイクの世界にも引き込まれることになったという経緯。
今月末には、クレイスの新作『危険な男』の札幌読書会が予定されている。この作家にとてもフィットする翻訳者・高橋恭美子さん自らが参加されている翻訳ミステリーシンジケート札幌読書会は、その一点だけでも有難いことだし、ここ数年クレイス翻訳作品ブームは、間違いなく日本中で起こっていると思うので、今回もリモート読書会ということで札幌にとどまらず、多くのクレイス・ファン(パイク・ファン?)が集結してくれることを期待している。
ユーモラスで人当たりの良いコールに比べて、無口で強靭な戦闘マシーンみたいなパイク。こちらの作品は、血なまぐさかったりアクションシーンが派手だったりと、全体の緊迫感がひときわ高く、コール・シリーズを読むとき以上に緊張感が増してしまうのだが、どちらのシリーズであれ、二人のコンビネーションは崩れることなく、第三のキャラとも言える科学捜査官のジョン・チェンの独特な人間臭さも併せて、それぞれのシリーズ作品に独特なバリエーションをもたらしてくれる。
『天使の護衛』ではパイクと、彼が護衛するわがまま娘とのやりとりが見どころだったが、本書では、二人の二十代女性が彼とコールとを振り回すことになる。この辺りの日常・非日常が隣り合わせに同居したズレた感じも、この作家の特異とするところ。奇妙な人間関係と、乾いた非情極まりない現実、といったところの交互画面転換で、物語世界に奥行きと捻じれとが発する物語の厚みを、存分に感じさせてくれる。
凄腕の戦士ジョー・パイク。頭の切れるプロ探偵エルヴィス・コール。どちらの新作もいつだって待ち遠しいが、どちらの未翻訳過去作品も、この際どんどん日本語訳として陽の目を見て欲しい���ころだ。そのためには、この作家がもっともっと評価され着目されることを祈るばかりである。時間の問題、とは思うのだけれども。
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銀行員イザベルが拉致現場に居合わせたジョー・パイク。彼女を助け守ろうとするけれどスムーズにはいかない。ここから展開されていくのだけれどとにかく面白い。パイクとコールの探偵コンビのやりとり、事件の奥に隠された本当のこと。パイクやコールの優しさや強さが作品全体に流れていてイザベルへの救いになっていたり、他の人たちの希望にもなっている。この先も続いてくれると嬉しい。
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私立探偵を営む、海兵隊あがりの元警官ジョー・パイクは、銀行の帰りに窓口の女性イザベルの誘拐現場を目撃、彼女を救い、二人組の犯人を警察に引き渡した。ところが一件落着と安心したのも束の間、犯人が保釈されてしまった。それを知ったイザベルは、また狙われるのではないかと怯え、パイクの電話にメッセージを残し失踪する。だが、二人組は保釈直後に殺害されていた。パイクはイザベルの行方を追うが……。
ジョー・パイク主演作は、天使の護衛以来だとか。この調子で、未訳の作品もどんどん紹介していただきたい。何せ、ハードボイルド・アクション小説が少ないので。
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満足。エルヴィス・コールとジョー・パイクの二人が出てくるだけで、それでいいとさえ思ってしまうのです。今回はちょっと淡々としてました? #LA
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完全無欠のタフガイ、一見一匹狼風のジョー・パイクが実は頼れる仲間とのチームプレーでたまたま出くわした誘拐事件を解決する話。
何でこの娘狙われてるの?が段々見えてきますが、追われている方には最後の最後までなんのこっちゃ状態。えっと、で、結局そのお金このままもらっちゃうのかしら?
何度もさらわれて、犯人とは言え目の前で何人も銃弾受けてお亡くなりになっているのに割と平気なイザベルは只者ではない。
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容疑者から続けて4作目。もうすっかりワンちゃんは登場しない。偶然さきほど応対した女性銀行員が誘拐されるところをパイクは助ける。そしてその女性から携帯メッセージをもらい折り返すが連絡がつかない。相棒と協力しながら、彼女の調査をすると、どうやら既に亡くなった彼女の両親は証人保護プログラムを受けていたことがわかる。そして、母親は大金を犯罪者から掠め取っていた疑いが。拉致された彼女をなんとか見つけて隠れ家に保護するけど、なんと間抜けな彼女は、友達に隠れ家を教えてそこから誘拐犯に見つかる。とにかく彼女が命を組織から狙われているのに間抜けすぎて、自分から墓穴をほっていく。間抜けがいるから事件がすんなり解決せずいろいろハラハラドキドキの展開になるのは、好きなストーリーではないな。
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顔見知りの銀行員イザベルが銀行から出て来たばかりの所を二人の男に襲われた。助けたのは私立探偵ジョー・パイク。逮捕された男は保釈され、すぐに殺された。そしてイザベル行方不明。彼女はなぜ狙われるのか?
初めて読むコール&パイクシリーズ、面白かった。
アクションが長すぎず、謎解きとの配合が絶妙にほどよい。過去の作品をぜひ読みたい!
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最近は傑作揃いのロバート・クレイス、本作は寡黙で強い正義の味方パイクが主人公。それだけだと遊びがないので、探偵エルビス・コールが軽さを加えでバランス取っている。本当に上手だな。
エルビス・コールシリーズは未訳も多数あるようなので進めてもらいたいな。ちなみに第一作は1989年だってよ。たぶんリアルタイムで読んだんだろうな。はるか昔だ…。4.2
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ジョー・パイクシリーズ第二弾。
きっかけはどうあれ、
またもや女性を守るために闘うジョー・パイク。
平凡な銀行テラーの彼女は、
証人保護プラグラムを受けた両親の娘だった。
一度は誘拐されかけたところをパイクに助けられたが、
再び誘拐される。
エルヴィス・コールとジョン・チェンの助けで、
彼女の居所をつきとめることができるのか。
市警の科学捜査官ジョン・チェン。
日本のオタクとは違って、生身の女の子に興味があるギークだし、
そのためにお金にも昇進にも執着していて、
決してカッコいい男ではないのだが、だんだん気になってきた。
パイクのために命がけではないにしろ、
職をかけて調べものをして頼りになっているからか。
とうとうばれてクビになってしまった日には、
少なからず動揺した。
もちろん、最終的にはコールが口添えして復職できたが。
ローレンス・ソベックという男が殺人事件でパイクと知り合ったらしいので、
その事件(”L.A. Requiem”?)を翻訳してほしい。
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『指名手配』に続くコール&パイクシリーズ
今回の主役はパイク。
今回、商売としての「依頼人」はいない。
銀行員と顧客の、偶然のめぐりあわせから大活劇が始まる。
コールの一人称の語りはなくなり、かといってパイクも三人称で物語は進む。
もっともパイクが一人称じゃ、心の声で「寡黙」なイメージが壊れちゃうかも……。
相変わらずの「お仕事小説」で、読者は“プロ”としての主人公たちの活躍を楽しむことになる。
でも、今回の見どころは、その二人に追い詰められる「悪党」たちの“すったもんだ”が楽しい。
悪いやつらがスーパーヒーローに追い詰められる様子は、ミステリーとは違った楽しさがある。
「ドロンジョ様」はいとおしい……って、わかるかなぁ~。
とりあえず、現在刊行されている新コール&パイクシリーズ(最初はスコット&マギーだったけど)は、いったんお休み。
また新刊が出たら考えます。