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名前は知ってるけど読んだことのないヴァージニア・ウルフの作品、読んでみたい!と素直に思わせるかわいい本でした。何から読もうかな〜
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『かわいいウルフ』
を読んで…
18歳の時、友人と杜若の花を見に行った暑い夏の日、
私の足元に大きなアリが連なって
何か食べ物をせっせと運んで通りすぎた。
その瞬間がフラッシュバックした。
その時隣にいた友人は、暑いから早く帰ろうと、アリに釘付けだった私を引っ張って行った。
私はもっとそこに居たかったのに。。
ヴァージニア・ウルフは、そんな、あの時の私みたいなものを書いてる気がする。
小澤みゆきさんのおかげで、すっかりウルフのファンになりました。(ここまで、意識の流れです、はい。)
まだ、ここに掲載された短編しか読んだこともないのに
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論文でもなく、ウルフに対する主観的な感想が集まった本。「理解が難しい」と言っている人がいたのが印象的だしなんだか親近感。
文学って「これは何を意味しているんだ?何が正解?」って考えちゃうけど、それぞれの感じ方があって良いよね。
ウルフは長編しか読んだことないから、短編も読んでみよう。
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ヴァージニア・ウルフ作品を愛する編者が、難解に思われがちなウルフを「かわいい」をキーワードに読み解こうとした同人誌の書籍化。
西崎憲へのインタビューと、大学でウルフを翻案した劇を上演した小川公代とゼミ生へのインタビューが面白かった。女子学生たちがウルフ作品を演じることでフェミニズムと出会えた喜びを素直に語る一方、西崎はウルフのフェミニズムを脇に置いて個人的な資質に目を向けようと言っており、男性論者の限界を感じるのではあるが。
寄稿部分は編者の依頼で初めてウルフを読んだ人たちの多くが「ヴァージニア・ウルフと対決する」ことに気負ってしまっていて(まさに『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』だ)面白くない。熱海凌さん、シャンピンさんなどはテクスト自体としっかり向き合った論考でよかった。
一番の力作はヨリタムさんによる「ボリウッド版『オーランドー』」構想。プロデューサー兼脚本・監督としてインド史を股にかける壮大なプランを語っていて、ここだけで一冊できる(笑)。植民地主義時代のイギリスの物語を被植民地に置換するという視点も素晴らしい。
自死したウルフがレナードに宛てた最期の手紙も印象深い。精神疾患を持つ人が、自分はパートナーの人生を台無しにしているんじゃないかという罪悪感から逃れる難しさが伝わってくる。西崎憲のインタビューで一番共感したのは「死なないでほしかった」だが、本人の苦しみを思うと何も言えなくなってしまう。
個人的にウルフは萩尾望都とか大島弓子とか24年組以降の昭和の少女漫画と近しい文法で書いていると思っていて、本書の「かわいい」という切り口ならそういう視点の論者もいるかと期待していたのだが、一つもなくて少しがっかりした。意識の流れってものすごく少女漫画のモノローグ的だと思うんだけどなぁ。