紙の本
読みやすく、気分転換にぴったり
2021/03/08 00:01
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投稿者:ら君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いまは、まだ旅ができないけれど、読書でなら叶えられる。加えて、いまは閉塞感から気分も沈みがちだ。手に取って読んだら楽しい気持ちになれた。
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吉田修一(1968年~)氏は、長崎市生まれ、法大経営学部卒の小説家。芥川龍之介賞(2002年/『パーク・ライフ』)のほか、山本周五郎賞、大佛次郎賞、柴田錬三郎賞等の文学賞を受賞している。
本書は、初出はANAの機内誌「翼の王国」への2012年9月号~2016年9月号の連載(25篇)で、2017年に単行本で出版、2021年2月に文庫化された。また、作者の「翼の王国」への連載は2007年4月から始まり、これまで『あの空の下で』、『空の冒険』、『作家と一日』の3冊が出版・文庫化されており、本書は4冊目(2021年1月)の『泣きたくなるような青空』と続けての文庫化である。
私は、既刊の3冊も所有しているが、実は本棚の片隅で積読状態である。というのは、2019年に、ビジネスの関係で海外の短距離フライトに乗る機会が急激に増え、その時に読もうと思って、2019年末に3冊まとめ買いしたのだ(短距離便には個人モニターが付いていないため、とにかく退屈である)が、昨年1年はコロナ禍のため全く飛行機に乗る機会が無くなってしまったのだ。
前作は、帯に書かれた「今年こそは旅に出たい!まずは“読む旅”をお楽しみください」というフレーズを見て我慢ができず、思わず自宅で読んでしまい、本作もやはり読んでしまったが、体の移動の自粛が続く中で、心は(わずかながらも)軽くなったように思う。
作者は「文庫版あとがき」でこんなことを書いている。「基本的に旅情をテーマとしたエッセイであるから、旅先のスケッチが多い。・・・そこには人や場所との出会いがあり、人や場所の匂いがあり、人や場所の声が聞こえ、人や場所の手触りがある。そして今回、なによりも驚かされたのが、そうやって日々の旅を続ける自分自身が、この旅が続くことに、なんの疑いも持っていないことであった。今回、改めて一編一編のエッセイを読み返しながら、台北や博多の屋台にいる自分や、沖縄やスイスの青空の下に立つ自分に、こう言ってやりたい気持ちにあふれる。「お前は奇跡の中にいるんだぞ」と。お前は日々、奇跡の上に立っているんだぞ。だからこそ、こんなに空は青く、風は清らかなんだぞ、と。」
コロナ禍があったからこそ、我々は、旅のできる日常が当たり前のものではないことを知った。そうした意味で、貴重な体験だったとも言えるのだが、今はただ、一日も早く、心置きなく旅ができる日々が戻ってくることを祈るばかりである。
(2021年4月了)
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ワタシが考える、いい作品(本に限らず!)というのは次のようなものだと思う。
人に行動を起こさせる前向きさを持ってること、そしてそれが直接的な強要でないこと。
吉田修一さんのエッセイはまさにそれを持ち合わせている。
旅行が特別好きというわけではないワタシだが、これを読んで死ぬまでに行きたい場所リストに竹富島追加した。
人間を豊かにしてくれるひとつに、旅行があることを確信する。
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ホテルに泊まりたくて旅行に出かけているような、に僭越ながら共感。たとえそこがチェーンのビジネスホテルでも。
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2021年7月4日読了。
ANA「翼の王国」に連載されているエッセイを文庫にまとめたもの。
帯には「そろそろ旅の準備を始めませんか?」とあるが、初版発行が今年の2月なのでまさに「そろそろ旅の準備を始めたい」人にはうってつけのエッセイが揃っている。
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吉田修一がANAの機内誌で連載しているエッセイの文庫版。主に旅行テーマ。旅行に行けないGWを前にしてせめて気分だけでも、と。案の定旅行に激しく行きたくなります笑 旅行のハイライトってそうだよね、そういう細かい機微とか感動にあるよね、と思い出させてくれます。
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どのお話も旅に出ているような気分になれだけど、台湾でマルーン5が最高でした。
私もコロナ前はとあるバンドを追っかけて海外へ行っていました。コロナ禍が落ち着いたらまた絶対に行くつもりですが、ライブが始める前のドキドキした気持ちや周りのお客さんとの会話。どれもこれも共感できる話ばかりで涙ぐんでしまいました。本当に旅は素晴らしい。早く行けるようになると良いな。
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ANAの機内誌に掲載されたエッセイ集
このご時世だと気軽に旅ができた頃が描かれていることに当たり前だと思っていたことが当たり前ではなくなった現状を再認識する
旅好きなので面白い楽しめるエピソードが多く、役得もありそうな良い旅をしていて羨ましくもなる
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ANAグループ機内誌の連載の書籍
旅行エッセイ?
作者の吉田さんは怒り、や悪人のイメージが強かったので、ちょっとダークな世界観かとドキドキしたのだが、
国内外含めての吉田さんの旅にほっこりした
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旅先での経験が等身大に綴られる。
今回は、著者作『悪人』が映画化し賞を取ったことが、自身にとってどんなに大きな出来事だったのかが書かれている。
行きたいところ。やりたいこと。やろうと思えばなんだってできるんだ。
人生は一回きりなのだから、せっかくなら思い切りいきたいな。と前向きな気持ちにしてくれた。
人生そのものが旅みたいなものなんだね。
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自分のことを目の前でTwitterにて呟いた大学生とのエピソード、最高でした。長崎ではなく、佐賀にこの人は欲しかった。
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何のために生きてるのか、考える時間がたっぷりある今のタイミングからこそ、沁みる内容だった。東京で何かに焦りながら暮らした直近4年間も、それはそれで悪くなかったと感じさせてくれた。旅はこれから続ける。本当に心を癒してくれるのは綺麗な空とか人の優しさとかいつかの思い出なのかなあ、とか考えた。
著者吉田修一さんが映画「怒り」原作者とは知らなかった。とてもいい映画だったのでまた見たい。
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電車の移動中に薄い文庫本をとこちらを手にしてみましたが、いやいや、旅がしたくなりますね。一期一会での体験を日常に入れて行こうかと思う一冊でした。