紙の本
日本の地形最初の一冊
2022/05/28 16:10
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投稿者:redon - この投稿者のレビュー一覧を見る
地形を学ぶ最初の一冊は本書がいいと思う。とっつきにくい地質の話にはほぼ触れない。素人にも理解できるたとえを使って、日本列島の様々な「でこぼこ」した眺めを楽しく解説していく。
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<目次>
第1章 高い空から眺める日本列島のかたち
第2章 日本の風景はどのようにしてできたのか
第3章 山々の風景を眺める
第4章 火山がつくる日本のでこぼこと風景
第5章 谷を流れ凹地を満たす水がつくりだした風景
第6章 海岸の風景~海と陸の境目に注目してみると
<内容>
自然地理の教科書的。まあ、教科書よりもわかりやすいが…。地図や写真も豊富で、日本列島のつくりや現在の風景の元を考えるのには最適化も。
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山がどうしてできたか、そしてその山がどうしてそのような形をしているのか。その手がかりをやさしく教えてくれる。
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日本の地形は興味深い。自然が作り出した芸術と言ってもいい。地理環境学の専門家が風景写真を多数使用して説明している。
日本列島周辺は、あのヒマラヤ山脈を上回る起伏の大きさだった。日本列島周辺で一番低い地点は、東京から250キロメートル南の伊豆・小笠原海溝と相模トラフの出会うあたりだ。そこは三重会合点と呼ばれている。
その水深は9000メートルにも及び、この一体は坂東深海盆と呼ばれている。富士山頂から坂東深海盆の標高差は、13000メートルを超えている。あのエベレストは内陸にあるので、標高差は最大でも約8850メートル以下になる。
深海から測れば、標高差が大きくなるからなあ。これで分かった。
「山また山の日本の風景」と著者が述べているように、日本の景色の特徴の1つが山だ。関東平野の風景を写した写真がある。千葉県北西端にある関宿町で見ることができる、利根川と江戸川の分岐あたりの写真だ。
そこから広がる景色に、筑波山、男体山、足尾山地が見える。日本の風景から山を完全に除外することが難しいと述べている。
砂丘といえば、ラクダが印象的な鳥取砂丘が浮かんでくる。しかし、静岡県には中田島砂丘(南遠大砂丘)がある。浜松市の遠州灘にあり、海に近づいているのにも関わらず、海が見えない体験を子供の頃にしたと著者は述べている。
そのようになるには、砂丘の特徴にあった。規模が大きくなるほど、海が遠くなる。
地形を切り口にした日本列島の姿は、色々興味深いなあ。本を読んでいくと知らないことがあり、知的好奇心がわいてくる。
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地理が好きで、地理目線で旅をしている。地質、地学の知識が必要になってきた。地面が変化をして景色ができあがる。地面の質によって変化が違う。その土地を歩いて、感じられる空間を感じ取るのに、より捉えやすくなる知識がこういったものだと思った。