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宮部みゆきさん
「魂手形」読みました
語って語り捨て、聞いて聞き捨て、1対1の怪談話
三島屋変調百物語シリーズ7になります
今回は3つの短編でした
みんな不思議な話で、
3つ目の「魂手形」特に面白かったです!
表題になるはずですww
吉富という老人のキャラが話を面白くしてます!
それにおちかが懐妊とめでたい‼️
幸せになってほしいなって思います
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三島屋の変わり百物語シリーズはいつも楽しく読ませて頂いている。今回も3つの話それぞれしゃばけの話完結していて頭スッキリ、三島屋の登場人物がお馴染みで親しみが湧く、話す側の人物や話の中の人物にも安心して読めるのがいい。
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三島屋変調百物語シリーズの最新刊、七之続が到着した。今回は全3編収録で300pに満たない。シリーズ史上最もボリュームが控えめだが、ほっとしたような物足りないような。
前作六之続は、表題作「黒武御神火御殿」だけで本作のページ数を超えていた。今回は3編とも十分に長編にアレンジできるネタなのに、コンパクトにまとまっている。新型コロナ禍の読書には、このくらいが丁度よいという気もしないでもない。
第一話「火焔太鼓」。「黒武御神火御殿」に匹敵するというか、共通点がある設定。詳しくは読んでください。ある藩の武士が富次郎に語った、驚くべき秘密とは。そりゃ秘密を狙う輩もいるだろうねえ。このページ数で収まるネタではない気がするが、敢えて短めにしたのか。
第二話「一途の念」。富次郎の馴染みの団子屋の娘が語った、波乱万丈などという言葉では表し尽くせない人生。またもや重い設定だが、わずか60pちょっとでは描き切れない、辛い仕打ちをたくさん受けてきたのだろう。この長さだから、読者も富次郎も耐えられたかも。
第三話、表題作「魂手形」。語り手の一家が営んでいた宿にやってきた、男の正体とは。やっぱり重い設定だが、それなのに読後感が爽快なのは、語り手に「素養」があり、義侠心に溢れていたからだろう。現在では、浴衣が似合う鯔背な老人。富次郎も気持ちよく聞けたのでは。
まだまだ続きそうな百物語。過去作品を振り返ると、話自体の重さはもちろん、語り手も癖がある人物が多かったが、今回の3人は人間性がまともというか、性根の優しい人物ばかりであった。たまたまそうなったのか? 同じ重い話でも、語り手の人間性は、聞き手の精神的負担に影響してくる。
いずれ出るであろう八之続では、富次郎のメンタルを思い切り削る語り手が登場するかもしれない。それもまた、このシリーズの読みどころなのだが。何かを暗示しているような最後のくだりが気になる。読者も心して待とう。
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三島屋百物語も7冊目。聞き手が富次郎になっての2冊目。富次郎が凡庸だから、変わり物語も凡庸か。。。
火を収める神器「火焔太鼓」。団子屋の娘の母の念の「一途の念」。さまよえる魂を鎮める水夫の「魂手形」。
だけどラスト「商人」の登場で!!!!!
凡庸な富次郎にどうか不幸が訪れませんように。お勝さんがおちかともども守ってくれますようにと願うばかりである。
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初出 2020〜21年「小説野性時代」、中編3話
嫁に行ったおちかの跡を引き継いだ聞き手、”小旦那”の富治郎の軽さが、重たい話の展開をうまく回している。
「火焔太鼓」
加持藩では、火山の割れ目の沸騰した湯に住む”ぬし様”の爪をもらって太鼓にいれ、火事場で叩くと熱を吸ってくれるので火を消していたが、隣藩の間者に盗まれ、追っ手が太鼓を切って大火傷を負った。語り手であるその弟が藩主たちと山へ登り”ぬし様”から代わりの爪をもらう。これだけなら不思議な話で終わるが、”ぬし様”が老いると、誰かがその肉を喰らって次の”ぬし様”になることが続けられていて、歩けなくなって山の村に入っていた兄がその役を買って出ていたことを知ると、おぞましさと恐怖がわきあがる。
「一途の念」
富次郎が贔屓にしている屋台の団子屋の娘の母親が死んで、娘が語り手になった。母親は昔料理屋の仲居をしていて若い板前と夫婦になり、夫が労咳なったが蔵に住まわせてもらっていた、女将が代わって流行らなくなった店は仲居に客を取らせる店に商売替えし、母親が産んだ3人の男の子は夫にそっくりで、夫が寝たきりになってから生まれた末妹だけが似ていなかった。しかし、店をやめ団子屋を始めてから昔の客が会いに来て母親が正気を失ったあと、3人の顔は全く別人に”戻って”いたという。
「魂手形」
語り手吉冨老人が少年だったころ、家業の木賃宿に盆に来たある客は幽霊(水面という「怒魂」)を連れていて、吉冨にも義母の竹にもその姿が見えた。体調を崩した客は、迷った魂を成仏させるために原因の土地へ連れて行く”水主”で、前に連れて行った魂が大暴れして怪物になって成仏させることに失敗していた。看病してその事情を知った吉冨少年は、一緒について行き、水面に代わって恨みを晴らして無事に成仏させてやった。
おちかは登場しないのだが、身籠もったことが伝えられて、三島屋ではみんなが大喜びというより大騒ぎをするのが、読み手にも嬉しい。
しかし、亡者らしき者が「おちかの殺された許婚の魂が迷っている」と富次郎に告げに来て、次の展開が予想される。語るのはおちか?
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三島屋百物語の七巻。
火事を治める火焔太鼓のお話、
三島屋の近くの屋台の団子屋の娘のお話、
木賃宿に泊まった幽霊のお話。
いつもよりちょっと短めなお話だった。
白黒の間に持ち込まれる不思議なお話そのものも面白いが、
お話を持ってくる話し手の人物像の描き方が素晴らしい。
その人物が語る話だからこそのお話の不気味さや悲しさが浮かび上がってくる。
火焔太鼓を語る、田舎武士と名乗る話し手が、
国の母と妹の土産にと袋物を買いに来て買えずに戻り、
江戸詰めの朋輩に連れ添ってもらい買えたというところは、
かざらず卑屈にもならない人柄をうかがわせていて良かった。
おみよの団子、どくに砂糖醤油の方が食べてみたい。
お竹の三味線が聞いてみたかった。
おちかがおめでたと判る。
ぜひ無事に産まれてほしい。
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楽しみに待っていた続編です。
おちかちゃんから引き継いで聞き手となった富次郎さんの聞き捨てぶりは、とても好きです。
冨次郎さんは、本当に優しい人なんだなって思います。
今回の3つの物語、恐ろしいけれど切なくて悲しくて…。読むごとにふぅーっとなります。
疲れとも違う、ため息とも違う、かわいそうとも違う、やりきれなくどうしようも無い気持ち。
そして、また、次を読みたくなる。
そんな中、おちかちゃんに喜びの出来事!それを喜ぶまわりの人たちのおちかちゃんを想う気持ちに幸せを感じる。
あたたかいなぁ。
また続編を待っています。
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今回からイラストも変わって怖いようなほのぼのするような絵柄になっていた。
やはり魂手形が一番読み応えがあり、面白かった。商人の言葉も気になるし、続きが楽しみです。
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面白かった!やっぱ宮部みゆきは希代のストーリーテラーだね。
違う種なのに、一途な念のあまり子ども男の子三人とも旦那そっくりな美男になるって、旦那がなくなった途端元も本来の顔に戻るってのも愉しい。
三篇目の”魂手形”のラストで語られた初代聞き役のおちか(古本屋に嫁いでおめでたらしい)の殺された元許嫁の話しに言及されそう。一体何があったんだろう。
過去の作品も遡って読んでみたくなる面白さ。
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最初の話が1番怖かったー。に、にん、にんげ…おおう…ってなりましたな。のどかそうな雰囲気と相反する事実の恐ろしさ…果たして次は誰が…。失敗することはないんかな…。
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【収録作品】第一話 火焔太鼓/第二話 一途の念/第三話 魂手形
どれも怖い話だが、最後のエピソードがいちばんぞっとする。またおちかの話に戻ってくるのかもしれない。
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このシリーズも第七段。富次郎になってから2作目。やっぱり一気読みしてしまいました❗️あぁ〜凄い❗️
「ほうっ」と大きなため息と共に読み終えました。毎回毎回思うのだけれど、宮部さんって、何故こんなお話を思いつくの? そして……怖すぎるの…‼ で、ものすごく怖いのだけど、涙が出てしまうのです。悲しくって、切ないんだなぁ。
3つのお話、どれも聞き手の富次郎の人柄もあり、語り手自身も、語って救われる。しかし、どれも、お話のクライマックスで「ひっ」と思わず言ってしまうような展開が…❗️
宮部みゆきさんのライフワークと言われるこのシリーズ、百のお話まで書くのかな。私も頑張って追いかけ続けたいです❗️
私は、宮部みゆきさんの文章が大好きです。しなやかだけど力強く豊富な表現力。やっぱり素晴らしいと毎度感じます。
今作のラストはちょっと次への不穏な空気もありました。まだまだ先は長いのでしょう……。
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3話ともどこか悲しい話だと思います。
「火焰太鼓」は柳之助の藩に対する忠義、「一途の念」はお夏の家族を守ろうとする想い。ただ、みんな一生懸命生きていこうとしてるだけなのにと切なくなります。
「魂手形」は悲しいところもあるけど、お竹と吉富の関係に救われた気がします。
終わりが気になってしょうがないです。三島屋の幸せが壊れませんように。
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◆おすすめ度◆
・江戸時代怪談話度:★★★★
・飽きさせない百物語度:★★★★
・シリーズに不穏な気配も度:★★★★
◆感想◆
「三島屋」シリーズの第7巻。
衝撃的な『火焔太鼓』、母の想いが重い『一途の念』、なさぬ仲ほど愛が深い『魂手形』の中編3編。
いまさら面白さを言う必要もない三島屋変調百物語。
自分の気持が沈んでいようがアゲアゲだろうが、読み始めればすぐさま物語の世界に没入する小説。
宮部みゆきってすごいですね。
ラストに登場してきた「商人」が、シリーズを貫くラスボス的な恐怖のキャラクターだったりして、シリーズとしての展開も見逃せない感じです。
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三島屋変調百物語もすでに7作目。
今回の表装はまたやけにきれいです。
文字は金色。
そして7冊目は、始まりの1冊目と5冊目の角川書店からの出版です。
いつもならこのシリーズは1冊560ページくらい。
今回は293ページなので物足りなく感じてしまいます。
例えば「三鬼」は565ページ、「あやかし草紙」も565ページ、
前作の「黒岳御神火御殿」は569ページで共に本体1800円ですから、
正直、293ページで1600円は高いよ角川さん。
読んでみると、
ちょうど節目にあたるから一区切り付けたんだろうか?とも思います。
最後の章「魂手形」でおちかのおめでたの知らせが届きます。
おちかの祝言の時(「あやかし草紙」最終章「金目野猫」)に出会った怪しい男が、
再び富次郎の前に姿を現します。
この世のものではないと感じた富次郎に、
「おちかが無事にお産できるといいが。
百物語を続けるならばそれなりの覚悟をした方がいい」
という意味の不気味な言葉を残して消えます。
果たしておちかは無事にお産ができるのか?
富次郎の百物語はどうなっていくのか?
新たな展開に期待したところで今回は終了です。
続きが早く読みたい所ですが、1年は待つことになるでしょうね。