投稿元:
レビューを見る
初読。図書館。語り手の話す物語はどれも悲しい。ひとつひとつが短編小説になっている。おちかは自身に苦しみを抱えた聞き手であったが、富次郎は今のところのんきな小旦那。ラストでおちかに縁の「商人」が登場し、不吉な予言めいた言葉を残したことで、富次郎自身が物語に巻き込まれていく予感にわくわくした。
投稿元:
レビューを見る
どちらかというと心情話が多かった。
本当は怖い話なのだがのほんわかした感じで終わる...
と思ったら、最後の最後が怖かった。
続きが怖いけど気になります。
投稿元:
レビューを見る
百物語シリーズ7巻目
主人公が男性の「子旦那」になって2冊目。
中編が3編。それぞれ趣向が違うけどタイトルになってる3話目「魂手形」がガチホラー。ちょっと半村良的な深い世界がありそうなので、この設定はまたでてくるのかも。
投稿元:
レビューを見る
今回も怖かったです。
火焔太鼓 一途の念 魂手形
小旦那になってから 話が怖くなっている
なかでも 火焔太鼓はすごーく怖い 自分の大事な人がそんな事になったら正気では、いられませんよね。小さな村のなかのしきたりって…怖すぎます。
一途の念はよみすすめながら「孤宿の人」の「ほう」を思い出しちゃいました。小さい女のコは幸せでいてほしいです。
魂手形は あの世とこの世の話 怨魂と怒魂…怖いですがありそうですね
投稿元:
レビューを見る
手に取ったとき、いつもに比べて薄いな?と思ってしまった。けれどいつものように読み応えは抜群。
「火焔太鼓」で爽やかな雰囲気で読み始めたら最後ですうっと背筋が寒くなり、「一途の念」で小旦那さんの小さな恋心にほっこりして、「魂手形」で三島屋のこれからのことに思いを馳せる、そんな一冊でした。
投稿元:
レビューを見る
さすが宮部みゆき。哀しさや怖さや切なさが描かれていてもそこにちゃんと優しさや真っ当さも書いてくれているから読んだ後の後味が悪過ぎない。でもこのシリーズは宮部みゆきの時代物の中でもつらい話が多いなあ。
投稿元:
レビューを見る
タイトルの『魂手形』が良かったです。聞き手が「おちか」のころは「黒白の間」が不気味だったのですが、「富次郎」になって「どこの部屋で聞いても同じ」と思う。聞き手が「富次郎」である必要も?と思ってしまいます。
投稿元:
レビューを見る
三島屋シリーズ第七弾。
三つの話があるが、やはり最後の表題作が一番いいかな。あの世に行けずにさ迷ってるお化けが出てくるが、ただのお化けの話にならないところは流石。
最後、富次郎に何かが起こりそうな予感を残して終わる。
投稿元:
レビューを見る
宮部みゆきさんの待望の作品。
おちかさんが主人公の時から読んでいましたが、とても、興味をそそるお話です。
もちろん、話の中の話の中ですので、サスペンスドラマを見てるようなスピード感あふれるような感じではありませんが、で?それで?次は?っと問いたくなるような話しの流れです。
宮部さんの作品は、あたかも自分が今そこで見聞きをしているような気持ちになり、現代の私がその時代の服装をして佇んでいる。そんな作品です。
投稿元:
レビューを見る
火焔太鼓
一途の念
魂手形
聞き手は富次郎。
火焔太鼓では、お侍さんが語り手。
火を消し去る太鼓を持つ小藩のお話。
殿様も家来たちも仲がよく、その分だけ太鼓に纏わる悲しい秘密が理不尽に思われました。
一途の念。
団子を屋台で売るおみよのお母さんが亡くなり、その母の秘密を語ることになる。
奉公先の主人次第で、人生が左右されることを思うと、三島屋は、主人、家族、奉公人ともに仲が良くて良かったです。
魂手形の語り手は、かって木賃宿を営んでいた吉富。
そこに現れた病弱だけど、浮かばれない霊を伴った男のお話。
宮部さんの描くおばけは、ここではろくろっ首ですが、人間らしさがよく現れていると思いました。生きている人間の方が余程、悪霊に見えます。
おちかに子供ができた事が出来たおめでたい話から始まるけど、最後は不吉な夢?で終わる。
投稿元:
レビューを見る
今回は七冊目。百物語の聞き手としてようやく富次郎も板についてきた感じ。
一つ目、火焔太鼓。
山奥の村に伝わる火焔太鼓。火事を治める不思議な力を秘め、代々領主が受け継ぎ、それを支える者がいる。
これは現在進行形の話、と語り手は語り、富次郎はその心意気に涙する。
富次郎の行く末を案じる導入話でした。
二つ目、一途の念。
生活していくために働いて育ててくれたおっかさんの一途な念は、人を欺くほどの想い。
それを目の当たりにした子どもたちの生きざまは、逞しくも悲しい。
富次郎もちょっとだけそれに触れ、未来の幸を願い、聞捨てる。
三つ目は、タイトルの魂手形。
迷い哀しんで、怒りと怨みに溢れた、あの世に行けなかった魂を導く者の話。
現代でも知らないだけでそんな生業の人がいるのじゃないかと思う。
でもこの話の最初におちかさんが子を宿し、三島屋の面々は喜びにあふれる。それなのに、話の最後ではおちかさんの婚礼の日にも現れた不穏な者がやってきて、富次郎に忠告する。
それが何者であろうとも、おちかさんを守ると宣言するものの、おちかよりも大事な人ができたらどうする?と問いかけて消える。
富次郎の未来はまだわからない。
まだこの話、ゆるゆると続けてくれそうで楽しみ。
投稿元:
レビューを見る
一夜一人が語り手で一人だけの聞き手でその話しは誰にも漏らさない決まりということで、なかなか面白かったよ
投稿元:
レビューを見る
本当に100話続くなら途方もないな、と思ってたけど、確かにこの世の業を100個も集めるとやばいことになりそう。
なかなかに人の業を感じるはなしを読ませた後にこれはぞっとする。
富次郎頑張れ。おちかの幸せと安寧も守ってくれい。
表紙も挿絵もかわいいのに、二転三転して真相がわかると怖ってなるお話ばかりだったな。
投稿元:
レビューを見る
素敵な表紙です。一つ一つの題材をよく見ると、とても不気味で怖いもののような気がするのですが、色使いやら線の使い方やらでなんとも温かい。あんじゅうのしみじみとした温かさもあったけれども、この表紙の絵は寂しげだけれどもほっとします。
聞き手が変わり、小旦那になって、同じ明るさでも黄昏時を過ぎた暗がりよりも、かはたれ時の手前の暗がりのような明るさを感じるようになりました。聞き手のもっているものの違いによるのでしょうか。
今回の3編は私の好みによく合っていたと思います。このシリーズでは時々、読み返すまでとても時間を必要とするような話がありましたが、この度はすぐにでも読み返したくなるような、何度でも読みたいようなお話でした。
どこぞの小藩に伝わる話、というのが好きなのですが、その中でも、火炎太鼓は面白いものと思いました。多分、救いようのない理不尽というものが少なかったからだと思います。
一途の念では、切ない話ではあるけれど、それを語り手の粋な雰囲気が上手に覆ってくれています。
魂手形、ラストの場面を含めて、明暗の使い方がさすがです。これぞ変調百物語という感じ。
小旦那になってからの語り口の変化とこの本のラストで、おちかのもつものの深さ、切なさがなおさら濃く暗く印象付けられたように思います。
帯にあった「この世の業を集めるうちに大事なものがきっと見つかる。」この後の展開を信じ、待っています。
投稿元:
レビューを見る
富次郎になってから親しみやすくなった。おちかちゃんのその後のお話も出てくるし、そのうちまとめて読み返したい…と前の巻でも思ったのだった。電子で合冊版買ったことだし!