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19世紀末から20世紀初頭のイタリア。まだ女性にとって生きにくい時代に、お針子で生計をたてる主人公の、一人の女性として、そして一人の職人としての矜持の高さに憧れる。若い女性に勧めたい1冊。
主人公の目を通して描かれる人々の悲喜劇も面白い。
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主人公の頑なとも言える自立心の強さや身分とか男女の差による苦悩とか、「ジェーン・エア」に似てるなぁと思いながら読み進めた。クライマックスにホントに「ジェーン・エア」の小説が出てきたのでニンマリ。
運命に翻弄されながらもジェーンとは違った決断をして歩んでいった彼女は素敵だと思う。
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イタリアを舞台にした、お針子の女性が主人公。
ミシンひとつで人生を切り拓く姿に拍手!
著書は『あたしのクオレ』を書いた方。面白かった。さすがです。
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昔々、大昔ではない昔のイタリアのお針子のお話。
下層の階級の人たちの苦しみがわかる
けど、苦しいだけではないそんなお話
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まずは成長物として面白かった。
既製服の普及と大量生産によって、姿を消したお針子(サルティーナ)という仕事。布や服を何度も繕って直したりほどいて作り直したりして、ずっと大事に着続けるということが激減したのはイタリアも日本も同様だと思うが、それが行き詰まり問い直されだしている今、成長物やノスタルジーだけでなく、大事なことがたくさん詰まっているように思う。
布や服を大事にするとは何か、人生にとって服とは何か。
女性が仕事を持ってお金を稼ぐことの意味なども。
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二十世紀初頭のイタリア、身分制度のはっきりした時代の地方都市が舞台。主人公の「私」は、コレラの流行で両親を亡くし、自宅で裕福な家庭の様々な縫物をしている祖母に育てられる。祖母は「私」を七歳のころから仕事に連れていき、少しづつ自分の仕事を教えていく。自分は字が読めないが、本を読みたそうにしている孫のために、お得意さんに字を教えてもらうように手配してくれる。おかげで「私」は、この時代の職人にはめずらしく読み書きができる。そんな主人公が、仕事で訪れる上流階級の家庭でおきた出来事などを通して、女性として職業を持ち自立していく過程を描く。
当時としては新しい考えを持つ女性と知り合え、良き支援を得られたのも幸いしたが、祖母の教えと判断も大きな支えであった。両親も祖母も無くなった後の彼女が、自分の再訪の腕ひとつで生き抜いた人生は、ドラマチックである。もちろん小説だからなのだろうが。
お針子として手掛ける様々なドレスや装飾品について美しく表現されていて、想像を膨らませてくれる。暗くなりがちな彼女たちの生活描写を彩ってくれていた。
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面白くて途中から夢中で読んだ… ストーリーに惹かれるのはもちろん、風俗の勉強にもなったし、縫ってる時の手順や生地の手触りなど鮮明に書いてあるからありありと想像できて楽しかった 困難な時代に女性が自分の誇りをかけて生きる話なのも良かった
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1頁目からわかる面白さ。「あ、これ絶対私が好きな作品だわ」とワクワクしながら読み進む。
舞台は19世紀末のイタリア。祖母に育てられ裁縫の腕を身に着けた主人公が少しづつ技術を身に着け、自立して生きる姿がまぶしい。振りかかる出来事に悲観することなく、夢を見すぎることもなく、情があつすぎず薄すぎず、常に自分を客観視していそうな冷静さが格好いい。己を節制を課しているのに、ふと見せる激情やもろさが魅力を際立たせる。
語り手が魅力的だとそれだけで面白い。(いやもちろんそう見せるために作者は工夫してくれているんでしょうが、わからないくらいに面白い)
つまり、面白かったー!
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手仕事はするのも、見るのも好きだ。
イタリアのお針子さんたちの話。
スカラップ、パフスリーブ、絹地・・・チクチクと
作り上げられていく過程が細かく描かれ、想像するのも楽しくてたまらない。
一気読みしてしまったが、読んだ後は、小川糸の「ミトン」を思い出した。
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19世紀末から20世紀初頭を舞台としたイタリアのお針子の少女の物語。
当時のイタリアは階級社会で、お針子さんはどちらかといえば貧しい階級。祖母から1人でも生きていけるよう、裁縫の技術を学び、お金持ちの貴族階級には逆らうべからず、と教えられて育つ。
ペストによって祖母以外の身内を亡くした主人公は、祖母の裁縫の技術での稼ぎで暮らす。
この祖母が素晴らしい。孫に裁縫ばかりか、自分は教えられないのに、人を頼んで文字を習わせてくれたのだ。
人柄もあるが、祖母の教えで身を守り、友人の助けで、危うい所を乗り切る。そして、友人の子どもを引き取り育てる。自分の力で生活できる事に対する誇り。正義感や恥じらい、品の良さなど、人間として大事なものを身につけている主人公。とても良い(^^)
手縫いでさまざまな物を作る描写にうっとり♡職人気質の人はきっと気にいると思う。
「お嬢様のお洋服がパリから届きました!」には笑った。
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前半、嬉しかったり悔しかったり驚いたり夢中で読んだ。
後半、失速。
それでも全体として、ごく純粋に読書を楽しめた。久しぶりな気がする。
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2021冬の文芸書フェア
所蔵状況の確認はこちらから↓
https://libopac.akibi.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2001013483
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ハンドメイド好きとしては見逃せないタイトルと美しい表紙から手に取りました。
お話はとても読みやすく、続きが気になりあっというまに読み終えました。
この時代の階級や女性差別に悩ませながらも強く生きていくお話でしたが、主人公が愛した人々が亡くなっていくのはとても悲しかった。
ミシンやお裁縫が趣味として楽しくできるこの時代に産まれてよかったと思いました。
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表紙のイラストが素敵すぎて買ってしまった。中身はお針子さんの半生が描かれていた。そんなに劇的な何かが起こるわけでもないけれど、引き込まれてグイグイ読んでしまった。それにしてもイタリア女性不憫すぎやん。何なら日本より差別ひどいし。私はイタリア人って結構のんべんだらりと暮らしてるもんだと思ってたわ。
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19世紀末、イタリアの小さな町を舞台に、貧しいお針子の娘の成長を描くビルドゥングス。で、ようやく、なんとなんと一度も主人公の名前が出てこなかったことに気づいたよ。えーっ、名づけってホント大切なんだが、それなしでこんなに親身に感じさせるキャラ作れるって、この作者すごいな!
田舎ということもあり、身分の差はハッキリ、女性の虐げられ度もマックスだけど、慎ましやかだけど利発で筋の通ったヒロインがイイ。
単に「結婚して幸せになりました」じゃないラスト…キラキラした恋と情熱ではなく、「深い理解や共通の関心、協働関係、お互いの完全の信頼などは、恋愛小説に語られているものよりもずっと本物の。ずっと奥深い愛の形なのかもしれない」という境地への成長は、おばさんの胸にも迫りました。
また、当時は一着一着手作りだった洋服…赤ちゃんの肌着から令嬢のドレスまで、丁寧に作られる描写がまた魅力的。だからこそ、現代のファストファッンに労働も自尊心も搾取されるこんにちの第三世界のお針子さんたちへの言及がある前書きにはハッとさせられる。便利だから安いからついつい買っちゃうZ●●●とかもそうなのよね…改めて自分の消費行動を振り返ります…
そゆこと抜きにしても面白い、愛すべき小説。かわいい装丁で2刷も出してる河出さんはさすがやー!