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エネルギー、公衆衛生、輸送技術、コンピュータ技術など、これまでに人類が起こしてきたイノベーションの歴史を説明しつつ、それらの共通点やイノベーションの本質に迫る内容。
一般的に「イノベーション」というと、優れた天才発明家による突然の閃きや革新的アイディアによる技術の進歩というものを思い浮かべてしまうが、
実際には生物界における「進化」のようなゆるやかなプロセスであることが多いということがわかった。
アイディアを発見する人だけではなく、それを広める人、コストを下げる人、流通を確保する人が必要で、
技術的な突破口を開き、それらを大量に製造する方法を考え出し、安価に広く普及させるという一連のプロセス全てが「イノベーション」の要素である。
また、イノベーションが起きる原動力となるのは自由な環境と、異種間の積極的な交流、多くの失敗が許容される環境で早く、たくさん失敗しながらとにかく実験を繰り返す事だということが、多くのイノベーションの歴史を振り返る事で理解することができた。
とにかく多くの実例が紹介されているので、この本を読めば世間でイノベーションと言われているものの歴史にある程度触れる事ができ、そこから自分の興味のある分野を広げるきっかけにもなると思います。
本棚に置いて定期的に読み返したい本です。
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”イノベーション”というのは、多数派ではないこと=周りに理解されないことに耐えて地道にやり続ける、たくさんの失敗にめげず修正をやり続ける、ということなのがよくわかる。政府の考える「選択と集中」はまったく逆。
よく誤解されているような”一人の天才のヒラメキ一発”によるものでもまったくない。むしろ対極にあるものだ。
凡人がよってたかって時間をかけて出来てきたものが現在”イノベーション”と呼ばれているものなのだ、ということを大量の実例を挙げて実感させてくれる。
何か新しいことをやりたいと思っている人は読むべき。
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今こそイノベーションが大切。
破壊的イノベーションこそが閉塞した現状を打破する為の云々かんぬん…
といったフレーズは巷でよく聞かれるが、そもそもイノベーションって何?
今までイノベーションとされてきたモノはどうやって産まれたのか?
というのを考察した内容。
本著で語られている様に、イノベーションは一人の天才・一つのひらめきから産み出されるのではなく、知識の交換、数多の失敗やそこからの小さな改良や改善の積み重ねによって産まれるという話は興味深い。
つまるところは、『繁栄』でも語られていたようにアイデアの交配こそがイノベーションの産みの親ということかな。
技術、経験といったものが積み重ねることでイノベーションが産まれるという話を聞くと人類の歩みの深さの様なものを感じら壮大な気分になる。
だかこそになるのか、特許による技術の保護が逆にイノベーションを阻害しているという後半の下りは知的財産の保護が以前に増して叫ばれているが現代において中々に考えさせられる内容と思う。
物事を長期的に俯瞰して見る事で、一般的なイメージとは異なる視点で語ることができる著書の洞察力は素晴らしいの一言。
読む度に新しい世界を開くようで、知的好奇心をくすぐられます。
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膨大なことをよくコンパクトに1冊にまとめるものだと思う。いまだに「天才」や「自由」を追い求めるような「イノベーション」本が多いけど容赦なしにリドレーは。
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前半は面白かったが、後半の著者の考察、意見はいまいち。著者が、新自由主義者で、反ヨーロッパであることが読んで分かる(著者はイギリス人)。イノベーションの悪い面についても言及が必要だと思うが、それは全くない。最後のcovid19後の寄稿も発生直後に書いたものであることを差し引いてもあまり納得感はない。
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人類の様々なイノベーションは発明というかたちで特許というかたちで我々の生活を便利にしてきた。エネルギー、公衆衛生、輸送、食料、通信等様々な分野にまたがりこれからも続いていく。どのようにして発明しどう製品に結び付けていくのかはとても参考になる。イノベーションはセレンディピティであることが多い、遊びの要素、CRISPR遺伝子編集、オープンイノベーション、等どれも知的好奇心をくすぐる良書だと思う。
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1、2章と8章以降を読んだ。前半はイノベーションの個別事例。8章以降は総括。
帝国はイノベーションに向いてない、イノベーションは偶然、失敗を重ねるのが大事、と昔どこかで読んだ話だが、根拠となる事例がまとまっているので知識と論点の整理によい。
中国が、習近平になってから、分権から集権へ向かっているのでイノベーションが少なくなるという見方は、多くの識者が書いてるので常識なのだろう。
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【はじめに】
マット・リドレーは、『やわらかな遺伝子』、『ゲノムが語る23の物語』、『赤の女王』など進化論をベースとした科学ジャーナリスト。その著者がイノベーションについて語ったのが本書である。そこには進化論的なにおいが含まれている。近年の『繁栄』、『進化は万能である』に続くもので、イノベーション=「進化」のための「自由」の必要性を強調した本。原題は、"How Innovation Works: And Why It Flourishes in Freedom"だが、副題に「『世界は「自由」と「失敗」で進化する』と付けたのは理由のないことではないのである。
長大な著書『繁栄』でリドレーは、イノベーションの源泉が科学でもなく、資金でもなく、特許でもなく、政府でもなく、"交換" - 無尽蔵なアイデアの交換から生じると論じた。そもそも『繁栄』で論じたことは、人類の繁栄の源が、かつて進化の過程で交換する能力を得たことだというものであった。そして、交換が限りなく容易となったいま、イノベーションはとめどようがなくなった。本書でも、「イノベーションは脳のなかではなく、脳と脳のあいだで起こる集団的現象である。そこにこそ現代社会世界が学ぶべき教訓がある」と語っている。「イノベーションとは「アイデアの生殖」である」 とあるが、これは『繁栄』のプロローグのタイトルにも採用した「アイデアの生殖」をここでも繰り返したものだ。次の言葉にもイノベーションと生物進化との間に共通するロジックを見ていることがわかる。
「イノベーションの火を消すのは難しいだろう。それはイノベーションが、かくもネットワーク化された世界における、かくも進化的なボトムアップの現象だからだ」
【概要】
本書は、近現代のイノベーションの歴史を辿ることから始まる。具体的には、エネルギー、公衆衛生、輸送、食料、ローテク、コンピュータ、通信の領域が取り上げられる。イノベーションはあちこちに溢れている。下水管、U字パイプ、トタン板、キャスター付きスーツケースといったローテクもイノベーションの結果だ。『繁栄』もそうだったが、リドレーの話はいちいち長い。それぞれは興味深い話で、どれも省略したくないと思うのだろうが、もう少し短くできるのではないだろうか。
イノベーションを生物進化の法則に結びつけて考える著者が気にかけるのは、現代の知的財産制度と著作権制度が自由を制限し、イノベーションを阻害しているのではないかということだ。知的財産の保護が、イノベーションの進化に役に立ったと示すものは何もないと何度か繰り返す。逆に、多くの人が同時に独立して発明した事例を挙げる - 温度計、電信、皮下注射、自然淘汰、写真、望遠鏡、タイプライター、電球、などが挙げられる。いまやイノベーションの代表格ともいえるコンピュータと通信だが、著者はそこに突出した「発明者」を見ることはない。アラン・チューリング、クロード・シャノンも含めて「コンピュータの発明者」という栄誉に浴するに値する人はいないと明言する。総じて知的財産権・特許については懐疑的でネガティブだ。皮肉を込めて、「多くの発明家からひとりを選び出すのに貢献するのが知的財産制度であっ��、その逆ではない」と言う。
著者はイギリス人であり、欧州の規制に対して大きな懸念を示している。本書を書いた動機のひとつであったに違いない。特に遺伝子編集作物に対する論理的ではない過度の抑制については、個人としてはどうしようもない現状を見てあきれているという体である。
また、知的財産制度の暗黙的なベースとなっているイノベーションの神話として、それが突然起こるかのように語られることは決して正しくないことを指摘する。実際には全くそうではなく、イノベーションはゆっくりとした漸進的なプロセスによって完成するものである。「イノベーションはほぼつねにゆるやかであって突然のものではない」 ―― これもまた生物進化とのアナロジーを感じることができるだろう。
「いまもイノベーションは、私たちが考えがちなほど監督も計画もされない。ほとんどのイノベーションは、設計の変化を選択的にとどめることで成り立っている」というときや、「地球上の生命の始まりこそが最初のイノベーションである」と言うとき、生物進化がここまで成功した理由と、イノベーションがここまで成功している理由を同じ自由競争と適者生存に見ていることは明らかである。
「イノベーションは自由から生まれ、繁栄を生み出す。すべてを考えると、それは非常に良いことである」
著者が感じているのは、この何よりも大切にするべき「自由」が規制され、抑制されようとしているのではないか(特に欧州で)ということである。そして同時に、最終的には「自由」は残り、イノベーションは進むということである。
【所感】
イノベーションについて著者が強調することのひとつは「アマラ・ハイプサイクル」と呼ぶものだ。これは、「イノベーションの効用に対する人びとの評価は、長期的には低すぎるが短期的には高すぎる」というものだ。この言葉はビル・ゲイツが言った言葉として覚えていたのだが、元を正すと未来学者のロイ・アマラが最初に言った言葉らしい。自分もこの言葉は含蓄のある言葉だと思っていて、昔、書かせていただいた技術書(『実践SIP詳解テキスト』)のまえがきに引用させてもらった。
技術は進化するが、その方向や距離は予測が難しいという点について、この本に書かれている中で印象的なのが次の指摘である ―― 著者の祖父母の時代には輸送技術は彼らが生きている間に大きな変化が起きた。自動車や飛行機が世界における距離を縮めた。一方で通信技術は電報と電話は生まれた最初からあったが、生きている間には大きな変化はなかった。自分たちが生きてきた時代はそれとは逆に輸送に関しては大きな進化はなく、逆に通信は携帯電話とインターネットとスマートフォンという大きな変化があり、人類の生活を大きく変えることになった。それを考えると、この先通信の進化がこれまでと同じように起きるとは限らないということだ。3Gは必然で、4Gは正常進化であったが、5Gは大きな変化をもたらすものではないかもしれない。―― そして次の大きな変化は通信でも輸送でもないところで起きるのかもしれない。おそらく、自分はそれは遺伝子技術だと考えている。著者も、そのように考え、だからこそこの点に関する欧州の非論理的で感情的な過剰な規制を懸念しているのではないだろうか。
著者は、ジェフ・ベゾスの挑戦と失敗をイノベーションを産む姿勢として好意的に取り上げる。生物がその進化の過程で実行してきたように、イノベーションの分野でも十分に失敗をしなくてはならないのだ。
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『繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(上)』(マット・リドレー)のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4152091649
『繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(下)』(マット・リドレー)のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4152091657
『進化は万能である:人類・テクノロジー・宇宙の未来』(マット・リドレー)のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4152096373
『赤の女王 性とヒトの進化』(マット・リドレー)のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4150504180
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イノベーションに対する認識を改めることができる本.
大企業や政府機関で「イノベーションを起こすぞ」なんて呑気に言っている御仁に読んでいただきたい.
イノベーションは「ある一人の天才が突然のひらめきで完成されたイノベーションを誕生させ一夜にして世界を変える」的なイメージがあるけど,本当は違う.
歴史で辿ってみると一人の天才,英雄で完結したわけでもなく,一夜にして誕生したわけでもなく集合的・漸進的な活動が後から振り返ってイノベーションと言われているんだということがわかる.
イノベーションは進化のように「アイデアの生殖」の繰り返し.ゆっくりと進行する,時間が経ってその分岐,差異を認識されるに過ぎない.
イノベーションを仕掛けようと思ったら,「イノベーションを起こそう」と偉い人が掲げるのではなくそれが起きた環境や状況,経済を理解してその環境に近い環境を与えることが必要だなあと思う.
自由(交換,実験,想像,失敗),失敗の許容,時間的猶予,非計画性(一見無価値と思われる試行への許容),見返り,助成金ではなく懸賞金
では,なぜイノベーションは誤解されるのかー>知的財産権と人間の本性(単純化,偉人が欲しい)
普段の日常生活で見聞きすること,大したことないと思っていることも後から振り返れば大きなイノベーションだったと言われるものがあるんだろう.(数年前のブロックチェーンとか).著者はイノベーションが人々に理解されるのは15年と見積もっている.
本の構成としては,エネルギー,公衆衛生,輸送といった分野でのイノベーション誕生物語が最初に展開されるが,正直枝葉末節に興味がない人にとってはだるい… そんな人はまず第8章を読もう.
ただこれらの膨大な事例は無駄ではない.イノベーションとはこうであると説明しようと思ったら帰納的に事例を並べて説得力を守らせるしかないだろうから.
大企業や帝国,国家ではイノベーションは起こしにくい.保守的,失敗を許容,予防原則を張るから.
規制は大企業に恩恵がある.参入障壁となりそれを乗り越えられる力を持つ組織だけが生き残るから.製薬,農薬,GDPR
知的財産権もイノベーションを阻害する.アイデア(イノベーションに必要な配偶子)を閉じ込める.アイデアの生殖(セックス)がおきない.
=============ー
イノベーション:
アイデアを実用的で頼りになる,手頃な価格の現実にすること
1週間の40時間を誰かに提供し,睡眠を除いた72時間を誰かにさあさえてもらって消費できる.人類の相互依存の強化.個々の専門化・消費の多様化
ー>論理的でマクロないい捉え方だ.でもITで1の仕事で100の成果が出せるようになっているのに人類はそれに比例して楽になっているとは言えない.やはりその恩恵は投資家やイノベーション企業の経営者が多くとっているんだろうか.
イノベーションはその時代時代で現れるべき時に同時多発的に発生.「孤高の天才発明家」はいない.エジソ��の電球ですらそう.象徴的でない人は忘れ去られる
イノベーションは段階的・漸進的・集積的,後から振り返ってまとめられるだけ.
原子力産業が斜陽なのはトライアンドエラーができないから
アメリカの成功理由は「財産権」と「試行錯誤」
天然痘 感染者の膿を取っておいて,非感染者に移植(肌に傷をつけ塗り合わせる)ー>ワクチンの先駆け?
イノベーションは偶然から始まることが多い.もしくは偶然という要素が必要不可欠なことが多い.(エジソンのフィラメント発見,シェールガス採掘技術の発見,天然痘の対処方法の発見,蒸気機関機器の不備etc)
偶然からイノベーションへの昇華には膨大な実務(PoC)が必要
蒸気機関車:誰もが馬の方が良いと持っていた
イノベーションは長期的な影響が理解されない
イノベーションは集合的で漸進的
18世紀,聖職者は教区民にジャガイモを食すことを禁じていた.聖書に書いていないという理由で.(ジャガイモはスペインがアンデス山脈から持ち帰ってヨーロッパに広まる
アンモニアの生成法は偉大なモチベーション
植物の成長に窒素は欠かせない.ー>空気中の窒素から窒素化合物を生成できるようになることで農業にプラス(火薬の材料でもある)
鳥糞石(グアノ) 太平洋の海鳥のフンが長年堆積してできた石.尿素,アンモニア,リン酸塩,カリウムなどの養分を含み
アンモニア生み出す細菌が発見.最近,植物に撒く粉末肥料として販売された.ハーバーボッシュ法は過去のものになるかも知れない
トイレのS字パイプ ローテクなイノベーション
通信 情報を電気で伝えること,情報伝達の即時化
犬の家畜化,農業の誕生,そして生命の誕生も自然が起こしたイノベーション.イノベーションは40億年前から連続して緩やかに続いているだけでつい数千年は人類が人工的にそれを引き起こすようになったに過ぎない
帝国ではイノベーションが生まれにくい 保守化 上層の抵抗,変化への不寛容.
イノベーションんが越えなければいけない試練. 役に立つこと,価値が低コストで実現されること.(宇宙開発は芸術)
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マット・リドレー「人類とイノベーション」読了。イノベーションは発明とは異なる、また、科学より先に生まれるという事が印象に残った。その本質は、見つける事でなく、見つかったものを如何にエネルギーを活用しありえないものを作りそれを広めていく事にある。例えば海運業界のコンテナ。イノベーションが何かを明確に区別し考える事ができればと思う。
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とても面白い本でした。
イノベーションは自由から生まれる。
イノベーションと発明はイコールではない。ハイデルベルクは発明者でもイノベーションを生んだのはルター。
イノベーションはあるアイデアとほかのアイデアの組み合わせであり、それを生み出すための中心的な概念が自由。
自由とは「交換し、実験し、想像し、投資し、失敗する自由であり、統治者や聖職者や泥棒による奪取と制約からの自由であり、消費者の立場からすると、自分が好きなイノベーションに報い、そうでないものを拒む自由」。
極端に自由を主張する無法とは一線を画す。
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イノベーションは圧倒的な飛躍によるオリジナリティ溢れるものではなく、連続するプロセスである。
だから同時期に類似の発明がされている。
またイノベーションを起こすには自由と協力が必要だ。
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イノベーションの説明が雑多で著者の主張に合う事例を抽出したような印象を受けた
GM作物・原子力発電規制に対する見解が独特なので一般的な意見と角度を変えて比較する必要がありそう
急遽追加されたcovid19寄稿は抗ウイルス薬を期待しているがオワコンとされたワクチンが切り札となりつつ有る現状からは近未来というか翌年の予測すら難しい事が実感できる
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先史の農業革命から、電球・飛行機・水道といった有名な事例、さらには遺伝子編集といった最新のものまで、人類の歴史におけるイノベーションの数々を丁寧に掘り下げることで浮かび上がるイノベーションの本質的なメカニズムや阻害要因などを明らかにした一冊。
著者は、過去のイノベーションの分析を通じて、それらの事例に共通するのは”一握りの天才の閃きによる画期的な発明がもたらした成果”などではなく、むしろ「偶然の発見」や「既存のアイディア同士の新たな組み合わせ」、さらにはそれらを「試行錯誤」を繰り返しながら漸進的に進化させることにより、やがて安価で実用的かつ信頼性の高い製品やサービスとして定着していく一連のプロセスであるとして、そのようなイノベーションを育むためには、リスクテイクや失敗に寛容で、実験と学習を繰り返すことができる環境が不可欠であると主張する。
イノベーションこそが人類の発展を支える礎と信じて疑わない著者からすれば、イノベーションはこれまでも常に既得権益との戦いの歴史であり、今日でも遺伝子組み換え作物や原子力発電に対する否定的な見方、GDPRのような「予防原則」に基づく規制、さらには知的財産保護までもが、イノベーションを減速させ、社会の健全は発展を阻害しているとして、イノベーションを取り巻く欧米各国の状況に警鐘を鳴らす。”イノベーション・レッセ・フェール”ともいうべき「一方の極論」として耳を傾ける価値はある。
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具体例や巻末にアイデアはたくさん出ている。
しかし、それを行うのに何が必要かをもう少し多く記載してもらえればよりよかったのかもしれない。