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中宮彰子が歳を重ねていった後の後宮での物語です。
面白かったですよ。
歴史は連綿と繰り返し中で、かつて、弁えない女性たちが紡ぎあげた歴史を省みる政治家がいても良いのでは、と、笑ってしまいました。
楽しい時間でした。
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平安の都、一条天皇の后、藤原彰子に仕える女房三人娘に持ち込まれた藤原氏の悩みごと…。
LGBTや働く女性の結婚問題、コネと陰謀の出世競争とか、割と盛り沢山なテーマをちょこちょこと織り交ぜつつ繰り広げられるガールズトークや恋バナや陰陽師!
話の落ち着きどころはちっとも今的ではないので意識高い系の人は不満だろうけど、何たって平安時代ですから。
ただでさえ同じような人名と同族の中での面倒くさい血縁関係で悩ましいところ、六の君と小若君の入れ替わりで話の筋を見失いそうになりましたが、愛される女と母娘の絆に安心して読了致しました。
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202104/賢子(紫式部の娘)達が、とりかえばやを通して性自認・結婚・仕事など織り交ぜながら進んでいく宮廷ドタバタ物語。登場人物達も展開も面白かった。ライトなテイストで意外だったんだけど、元はジュニア小説のシリーズ作品らしい。といっても大人が読んでも楽しめる時代ものエンタメ。
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後一条天皇の御世。皇太后彰子に仕えている紫式部の娘、藤原賢子。和泉式部の娘、小式部。中将の君。
ある日、ライバル三人娘は、今光君と言われている、憧れの藤原頼宗から、妙な依頼を受ける。
依頼内容とは、時の権力者、藤原道中の、六女《六の君》と六男《子若君》が、男女入れ替わって、生活している。それを、誰にもバレないように、元に戻して欲しい。という事。
しっかり者の《賢子》
浮気っぽく、要領の良い、《小式部》
高望みばかりして、幸いを掴み損なっている《中将の君》の三人は、力を合わせ、難題に取り掛かる。
摂政ないし関白になるには、「天皇の外戚であること」が原則。
皇統は「冷泉天皇系」と「円融天皇系」の二流が、交互に引き継ぐことになっているにも関わらず、藤原道長は、権力を、一代限りで、終わらせない為に、東宮に、圧力をかけて、自ら、皇太子を辞任させたり、やりたい放題。
「とりかへばや物語」も交えて、とても面白い内容。
敦康親王を、定子死後、手元で、実子の様に、養育し、東宮に推す、《皇太后彰子》
とても、凛とした人物像に、描かれていて、清々しい。
賢子は、昔紫式部は、源氏物語に登場する若紫の君は、賢子の事だと言っていたが、敦良親王と嬉子のお子の乳母になる事を決めた時に、再び、母に問う。
「今の私は、一体、誰になるのかしら?」
と。
ややあって、「いないわね」との返事。「つまり、あなたは私の考えの上を行く人ということよ。若紫のような少女だったあなたは、天にも続く階を上って、高みへ行ってしまう。でも、私は地上からその姿をしっかりみているわよ」と、誇らしげに答えた。
その後、高い階を上って行く賢子を、母紫式部は、どのように、見ただろう。
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平安の頃、紫式部の娘、越後弁(賢子)、中将の君、小少将の三人の女官が男女入れ替わりで暮らしている兄妹を元に戻そうと奮闘する話。兄弟は藤原道長の子供達で、やがて殿上人となる血筋。ずっと入れ替わったままとはいかない。成人の儀を迎え、嫁取り、嫁入りをするまでには元に戻さなければと働きかけるのだが思うようには上手くいかず…。賢子を中心として宮中やそこで暮らす人達の模様が軽いタッチで描かれていて読みやすい。何気にどんな時代でも変わらない女性の生きづらさも描かれている。でもちょっと軽すぎるかも。もう少し深みがあってもよかったかな。
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いわゆる「とりかえばや」。
道長の子女だもんで、結構その生涯が明らかな、この二人で敢えてか!チャレンジャーだ。
のちの後朱雀帝こと敦良親王の末っ子っぷりが微笑ましい。六の君こと藤原嬉子も、東宮妃として入内後、親仁親王を産んですぐに亡くなったヒト…との認識しかなかったから、読んで良かった。嬉子の姉・藤原威子もどこかでイキイキと描かれていないもんだろうか。