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古い温泉街に住む高校生たちのわちゃわちゃとした青春小説。
母親が二人いて父親がいない。しかも生みの母がどちらかわからない、という出生の秘密を抱えた高校生、怜を中心に彼らの心の成長を見守りたくなる。
それぞれに親や地元とのつながりをうっとうしく思いながらも地元やそこに住む人たちへの断ちがたい複雑な思いを抱えている。むなしさと慕わしさのすきまで行ったり来たり。
ここではないどこかへ行きたいと、思う年ごろ。その気持ちがとてもよくわかるだけに、彼らのその先をいつか読みたいと思ってしまう。
育った町を捨てるのって、本当に難しい。関係が密な町だから特に。ありがたくもあり面倒臭くもあり。
それでもこんなにまっすぐないい子に育ってるってことはこの町はとても良い町ってことだろうな。
そして、「迷惑なんてかけあえばいいのよ」という言葉に、きっと救われる人がいるだろう。
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高校生男子4人の物語。
そのうちの1人、主人公の怜の家庭環境がちょっと複雑ということの他、決して奇想天外な内容ではない。
笑い、泣きと、等身大の高校生の姿を感じた一冊。
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話の幅が広かったので、もう少し「オチ」のようなものを期待してしまいましたが、無難に収束してしまいました。
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子どもの頃は親ってウザいと思うのに、なんで大人になると結婚したり子ども作ったりするんだろーと思う怜に共感。ほんとだよね。子どもの頃、欲しかった親になれていないことに悲しくなると同時に、親の気持ちも理解したり。家族の形はさまざまで、それぞれに家族関係で葛藤があるもので、普通なんてないし、幸せそうに見えても悩んでいたりするし。一人ひとりが描写されることで当たり前のことに気づかせてもらえる。自分の人生はあまりに近くで見えすぎて、他の人と対等には比較できない。なのに、勝手に比較して、人を羨むって意味ないなーとも感じた。他人を羨むのではなく、自分の人生の愛すべきところを見つけよう。
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さくさく読みやすい文体&ストーリー
メインは主人公怜の母親2人との関係や出生の話と盗まれた土器の話。(笑)
自分には何もない、平和に暮らしていきたいだけなのに、夢とか希望とか言われても!!っていう気持ちがすごくわかるなあって。ぼくも高校時代これになりたい!とかなかったしなあ。そういう感じのことを「いやいやあなたの人生なかなか平凡じゃないですからね!?」ていうタイプの主人公が思っているお話でした。
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青春の眩しさに当てられて高校生に戻りたいと思わせれた若年の夜。。。
これから本を読んでいこうとしてる人にとっては
登場人物の心情を細かくおってくれていて読みやすい1冊だったと思います!
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温泉で有名な餅湯温泉。テーマ曲がどこかから流れたり、建物はさびれていたりと昔ながらの雰囲気を放っている。
そこの土産物屋に暮らしている怜は、高校2年生。複雑な家庭事情はわかっているものの、詳細は知らない。進路はどうしようか?色々悩んでいるうちに様々な出来事が発生する。
三浦さんの最新作で、舞台は地方の温泉街。凄い繁盛しているわけではなく、商店街では、人の温かみがとても漂っていました。どこか他の作品「神去なあなあ日常」の雰囲気がありました。
特に祭りのシーンが似ていて、祭りに対する熱気ややっている描写がひしひしと伝わってきました。
この作品のメインとなる話が、怜の家族事情。サブとなる話が、博物館から土器が盗まれたという話です。
怜は、二人の母親がいます。一人は土産屋、もう一人は食品の卸問屋の女社長です。
父親はどうしているのか?
母親はなぜ二人?
といった疑問が残るのですが、それは後半で明らかになります。詳細はわからずに日々を過ごしていますが、商店街の人たちは全てを知っているかのように団結して、この家族を守っています。
その連携プレーといったら、人情味あふれていて、その町の雰囲気を醸し出していました。
そんな家庭事情の中で揺れ動く、今後の進路。悩みながらも同級生たちとの仲睦まじさが、シリアスさを軽減させてくれるので、どこかほっとした気持ちで読めました。また青春小説としても楽しめました。
それを強調させてくれるのが、サブストーリーです。
土器が盗まれたということで、それに挑む高校生たちの奮闘劇がコミカルで面白かったです。
商店街の人達の潔さといいましょうか、昔ながらの交流あっての大人たちの対応が、バシッと背中を叩いてくれるかのように、ビシッとストーリーを引き締めてくれます。
この雰囲気が、日本の昔ながらの温泉街の象徴かなと感じさせてくれました。
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読みながら何度声を出して笑ったことか。
怜の身の上に起きていることはなかなかの体験だけど、それが長閑な餅湯で起きているという対比がいい。都会だったら誰にも顧みられることなく一人悶々としてしまっていただろうから。
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恋愛、友情、将来に悩める時期は青く光って
振り返ると眩しすぎて見えなくなってしまう
でも暖かさのある光を見ているといつしか
そこに戻りたいと思ってしまう
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面白い!!
怜くんのクールなようでいて実は自分の出生について気になっていたり、意外と無茶するところだったり、友達想いのところだったりがとても好きだった。
もち湯ちゃんストラップどんなのか気になる笑
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三浦さんにしては、べったりとしていて、リズムが感じられない作品。
「穏やかに暮らしたいだけ」という気持ちがテーマだったのか。全く同じことを、結構考え考え、毎日を耐えていたりするけど、この作品に共感できるかといえば、ちょっと違うような気が。。
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描かれる男子高校生たちのおバカなやりとりが、ちょうど、こないだ観たドラマ「コントが始まる」の”マクベス”の3人の掛け合いのようで楽しめました。
エレジー(哀歌)って今の時代はあまり聞かないワードなので、それだけでもう郷愁を誘う、まさに昭和感。こんな青春が僕らにもあったのかなあ~。
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しをんさんお得意の主人公視点の田舎人情物語。
安定のストーリー展開、個性的で面白い登場人物たち、絶妙な掘り下げ具合、温泉街の世界観。どれもよし。
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海と山に囲まれた餅湯温泉で過ごす高校2年生の怜とその仲間・家族の物語(著者は三浦しをんさん)。主人公の怜の家庭環境は複雑(でもグレてはいない)で、将来の夢など特になくモヤモヤした状態で日々を過ごしているが、いろいろな出来事を通して自分の進む道を見つけていく。怜の同級生も個性的な面々が揃っていて、時には大きな騒動を起こしたりと面白い。作中博物館が出てくるのは、博物館好きの三浦さんならでは。
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県立餅湯高校の心平、竜人、丸山、藤島、玲。
しをんさんの描く高校生男子の物語と知ったときから読みたくて♪
バカだけど可愛い奴!と思いながら、玲たちの暮らしを眺めて楽しんでました。
何だろう…。大人になって無茶することが減ったからか、高校生たちの無謀ともいえる行動がすごく楽しそうに目にうつる。
母親が二人いるという玲だけじゃなく、バカやってるけど家業、進学と悩みながら毎日を送る子どもたち。
テンポの良い会話が楽しい♪
自転車で冒険とか忍び込みとか、子どもの頃にするやつですよね。楽しくないわけがない!
まったり楽しめはするけど、期待値が上がり過ぎてたのか、思ったより感動は控えめな印象でした。