投稿元:
レビューを見る
理屈抜きの、モネとその作品の紹介。19世紀、世界もテクノロジーも変わっていく中で、画壇はアカデミー風から印象派への台頭へと変わっていく。日本人にも親しみやすい印象派とモネ作品の本質を、人気小説家らしく明快に説明。
投稿元:
レビューを見る
【概略】
多くの日本人に愛される印象派。その訳は、日本人の「万物に神が宿る」という価値観だった?そして、浮世絵との出会いだった?印象派の一人、モネの足跡をたどりながら、印象派の画家達が生きた時代と現代との共通点を感じる。
2021年04月30日 読了
【書評】
「生きるぼくら」読了の勢いで、ちょうど名古屋に行ったついでに本屋さんでゲット→読了してしまった。
美術館にはたまに訪れるけれど、美術に関する造詣はスカスカな自分。「文脈(物語・ストーリー)」がつくことで、その画家との距離感は、一気に縮まる。たとえばルノアールなら「もしも女性の乳房と尻がなかったら、私は絵を描かなかったかも知れない」なんてセリフに、「おぉ、ルノアールは、おっぱい星人だったのか?!」なんて親近感を覚えたり、「酔心」をこよなく愛する横山大観や、「Which nese are you, Chiniese or Japanese?」なんてタチの悪い質問に「Which keys are you, monekys, donkeys, or yankees?」と切り返した岡倉天心とか。そうやって、色んな点がつながって線になってる。
今回のモネのエピソードは、妻カミーユと、支援者オシュデとその妻アリスとのエピソードかな。なんというか、現代の倫理観、SNSの発達でそういった「愛憎」に余白がなくなった時代では考えられないような人間関係に、ムラムラしてしまった(笑)
もちろん、モネの作品に対しても、ね。睡蓮なんて、日本人との相性、良すぎだよね。仏教に縁のある我々にとっては、蓮はね。いつか、オランジェリー美術館、訪ねてみたいよ。
投稿元:
レビューを見る
原田マハ「モネのあしあと」読了。モネの歩んだ背景を知りたくて読んでみたが大変面白かった。例えば、フランス革命や産業革命により市民が主導する社会が到来した事で、封建的な宗教画のような写実的な絵画への反動として印象派が生まれた事や、モネが浮世絵の構図や当時最新の鉄道を風景画に取り入れ先進的な画家であった事が興味深かった。
投稿元:
レビューを見る
ジヴェルニー行ってお庭見てみたい。。
モネは器が大きい人物だったんだろうなあ
現代が印象派の絵が受け入れられやすい感じわかる気がする!
投稿元:
レビューを見る
原田マハさんのクロード・モネへの想いを綴った案内本であると同時に小説「ジヴェルニーの食卓」の解説本にもなっている(2016年11月単行本、2021年4月文庫本)。
3年ほど前に「ジヴェルニーの食卓」を読んだ記憶が甦った。「モネのあしあと」は解説本というよりマハさんの19世紀ヨーロッパの歴史と美術史を辿りながら綴ったモネへとの出会いと敬愛の本だ。
モネ、19歳パリの美術学校に入り、26歳サロンに入選するも次第にサロンと距離を取り始め、34歳1874年第一回印象派展に「印象ー日の出」と名付けた作品を出品、38歳の時オシュデの家族と同居、43歳1883年ジヴェルニーに転居、1926年に86歳でジヴェルニーで生涯を終える。
エドゥマール・マネがモネに与えた影響、オシュデの家族と同居することになった理由、その家族アリスやブランシュとのそれからの運命的な関係、ジヴェルニーでの数々の創作活動、そして日本の浮世絵がモネに与えた影響等が、モネが生きた時代背景や印象派絵画の画家と歴史と共に描かれている。
高校生の時の世界史の授業で習ったヨーロッパの歴史や美術史はそんなに興味はなく受験の為の暗記の勉強だったという記憶だが、一人のアーティストを追った物語としての歴史という観点は全く違ったものになる。「ゴッホのあしあと」もそうだった。
本の中で紹介された数々のモネの作品、また美術館に足を運びたくなった。
投稿元:
レビューを見る
やはり一番好きな画家といとモネになるのだと思います。
やっぱり。
子どもの時にみた大原美術館の睡蓮
なんとなく気になったことを覚えています。
また、ジベルニーの食卓は原田さんの本を読む
きっかけになった大事な本です。
多分、無理だとおもうのですがパリは観光で一度いってみたいと思っています。
オランジュリー美術館の睡蓮は一度見てみたい。
また、モネではないのですが、ヴァンスの
ロザリオ礼拝堂も一度は行きたいと思っています。
投稿元:
レビューを見る
美術館でモネの作品を見た。何を思ったのだろう、何を描きたかったのだろうと気になって読んだ本。一瞬を描きたかった、まだまだ理解できていないので他の本も読んでみたいと思う。
投稿元:
レビューを見る
「私にとって絵を見ることは、アーティストと会話することです」と述べる著者の、モネ解説本。
モネの生きた時代の画壇の説明から、モネの画風や彼の生涯まで、その足跡を辿りながら解説する。
モネの絵が展示されている美術館も紹介し、その辿る順序も明かし、一種の旅のガイドブックともなっている。
日本国内にも数多くのモネ作品があるようで、著者のモネ愛が伝わってきて、それらの美術館を訪ねてみたい思いに駆られる。コロナ禍が一段落したら・・・
投稿元:
レビューを見る
表紙の「舟遊び」に惹かれて手に取った一冊。学生時代、一般教養で印象派の講義を取っていたことを懐かしく思い出す。が、例によって正確な知識はほとんど身についていない体たらくである。
クロード・モネを、時系列にそって紐解いていく。印象派の起こりと、モネの人生。その足跡を知ることで作品の見え方も変化していったのが面白い。原田先生のモネへの思い入れが熱く、それがより一層、モネの横顔を引き立たせている。オランジュリー美術館、いつか行きたい場所リストに速攻で入れた。
後書きまで読み終え、これがコロナ禍だったからこそ世に出てきた一冊のような気がしてきた。恥ずかしながら原田先生の作品はこれが初めて。「ジヴェルニーの食卓」が未読だったことを心から悔やんだので、書店に寄った際には必ず入手しようと心に誓った。
投稿元:
レビューを見る
ちょうど印象派展を見に行く前に、半分くらいまで読んで美術館に足を運んだら、数倍楽しめた。知識って大事。美術史全然分からなくても読みやすい。
投稿元:
レビューを見る
再読
アートは難しいことは分からないし全然詳しくなくても、マハさんの本はスッと読める。アートが好きなんだなって伝わってくるから、文章からも良い印象を受けるのかな。一緒に絵を見ている気分になる。
投稿元:
レビューを見る
コロナ禍のパリ。
突然のロックダウンで自宅に閉じ込められた原田マハさん。
あとがきにあったのは、つい一年前のパリの様子。
そして、今年の2月。
原田マハさんは蓼科からモネの睡蓮に思いを寄せていました。
この本では、モネの生い立ちや作品を中心に、当時のヨーロッパ社会情勢など
様々なことが語られ、とても興味深いです。
モネの生きた19世紀末、パリでは都市文化が大きく花開きました。
産業革命後の交通網の発達で、世界が大きく変化したのです。
写真が登場し、裕福な人々の注文を受けて制作する画家の需要が減少します。
印象派と呼ばれる画家たちが台頭したのは必然だったのだと納得しました。
また、日本でも 江戸から明治へと大きく時代の舵がきられた時期でもあります。
パリ万博では、ヨーロッパに初めて登場した日本の美術品が注目されました。
『たゆたえども沈まず』で大活躍した実在の人物、林忠正。
パリで日本の美術品を売りさばいて、大プロモーションを展開しました。
モネは300点近い浮世絵を所蔵していたそうです。
エピローグの「私たちがモネに惹かれる理由」が秀逸でした。
モネが日本美術に大きな影響受けていることがその理由の一つ。
そして、西洋と日本では、そもそも人と自然との関係についての
考え方が違うのではないかという問いかけ。
西洋では、自然は神がつくったものでありコントロールする対象。
しかし日本では、自然は「神の宿る」崇拝の対象でもある。
さらに、日本人にとって蓮の花には 仏さまが座っているイメージがあります。
モネの睡蓮画に神々しさや命の宿りを感じるという、
固有の感性を持って楽しむことが出来るのが、私たち日本人ではないかと。
とても興味深く、鋭い視点だと思いました。
国内でモネの睡蓮画を見ることが出来る美術館もいくつか紹介されています。
今ではもう、とても手に入らないようなモネの作品たち。
数多くコレクションしてくださった先人たちに感謝しなくては。
投稿元:
レビューを見る
画家が残した作品を、今、私たちが観て感じることができるのは、本書にもあったように、過去から現在への私たちへの手紙なんだということ。マハさんは絵画を友だちに会いに行くというフランクだけど、その間には誰にも介入されない間があるのだろうと、マハさんの言葉から想像できておもしろかった。
投稿元:
レビューを見る
今すぐパリに行きたい!!!!!!!
マハさんの文章、本当読みやすくてわかりやすくて
鮮明にイメージできるから現地にいる気分になれる!
投稿元:
レビューを見る
薄いので一瞬だった…
原田マハの書くモネの本であり、著者自身の書くジヴェルニーの食卓の裏話や、著者オススメのモネ観賞ルートも記載されており、それだけでも他の本との差があり面白い。いつの日か、著者の書いたルートが巡れる日が来ることを祈って。