投稿元:
レビューを見る
中学生のとき(30数年前!)大好きだったグリーンレクイエム。イメージアルバムのレコードも持ってたし、見た人も少ないだろう実写映画も見に行った。
新装版、しかも昔と同じ表紙で、買わなくてはいけない気がして購入。
大人になってから、素子節が読めなくなってしまったのだけど、これは併録作よりは控えめ。
今読むと、おまえ・あなた・平手打ちとかタバコとか昭和的なとこは引っかかるし、明日香は最後戦えよとは思う。
ただ、「いちめんのなのはな」とか「連れていって、お願い。」とかまるっきり覚えていて、記憶のふたが開いて涙がでそうになる。
当時カプチーノに憧れてたのはこの影響だったと思い出したり、昔と同じあとがきの締めの言葉に思わず頬がゆるんだり、まるでタイムカプセルのような本だった。
投稿元:
レビューを見る
新井素子「グリーン・レクイエム」読了。著者独特の心理描写が心地よく、また、見事なSF的ドンデン返しに魅了された3話だった。1話目は植物を題材にした恋愛もので植物と女性の組合せが絶妙で大いに引き込まれた。3話目は最後の主人公を通じた著者の吐露が瑞々しく圧巻だった。あとがきも最高でした!
投稿元:
レビューを見る
SF作品集。いろいろな色合いの物語が入っており、SF設定で増幅させる少女の物語が強烈でした。
少しずつ明らかになっていく表題作。ロマンチックさと切なさはもちろん、背景のSFは見えてくるアプローチも最高。
感情の質感。すごく良い。
投稿元:
レビューを見る
ネットで、彼女の自宅本棚やぬいぐるみの保管に関する記事を読み、チャーミングな人だなあ…と思い今更ながら、初期の有名作を選んで初めて新井作品を読んでみた。
3つの作品が入っていたが、どれも素晴らしいし面白い。18から20歳くらいの間に書いたものというのがよくわかる、いちいち大きな「全世界」を引き合いに出す世界観、一人称。
本人の後書き以外に編集の後書きがあったが、それによれば、新井素子のお友達もみな新井素子のような人なのだそうだ。素晴らしい。
年代、だいたい同じくらい、少し私より上。
これは今の若い子が読んだらどう思うのか。
とはいえ、
『なんだか死んだらとてつもなく淋しくなりそうで』死ぬのはいやだこわい、いう文など、今のこの年で読んでもうなずける感覚。うなずく私が青すぎなのかもだが。
投稿元:
レビューを見る
語り手が早乙女浪漫みたいな一人称小説なのに、ストーリーがちゃんと成り立っているのが凄い。
自分達で蒔いた種の筈の地球消滅の危機そっちのけで女子大生達が青春の憂鬱を捏ね続ける「宇宙魚顛末記」が特に面白かった