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「阿房列車」の内田百閒の後継者に相応しい幻の作品、中公文庫より復活。
江國繁、再評価のキッカケになるか?
内田百閒「阿房列車」からの流れ。阿川弘之の「南蛮阿房列車」、宮脇俊三から原武史というのが定説(個人の見解です)。本作を知りこれぞ正統の後継者の感。
筆者江國繁は、あの江國香織の父。落語に関し造詣が深く、また有名なアマチュアマジシャン。
この紀行、カメラマンの亀羅氏中央線沿線の近現代史イジワル爺さん的なところと落語から得たのだろう軽妙なテンポが絶妙のバランス。
こんな幻の作品を復刻した中公文庫にただただ感謝。掘出し物です。
育つ環境なのかそれとも文才も遺伝するのだろうか。
溢れる博識、流れるような文体、物凄くナナメな視点が楽しめる一作です。
江國滋、再評価のキッカケになるか?
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「百?文学の熱狂的信者」を自認する著者が、伊勢から長崎、岡山など全国二十四ヵ所をめぐった昭和の旅行記。胸に迫る百?追悼文を増補。〈解説〉宮脇俊三
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以下、引用
●天王寺西門前の交差点を逢坂のほうに二、三分くだった左側に一心寺という、これまた古いお寺がある。諸国二十五霊場第七番。ここに霊験あらたかなお墓があって、一年中参詣の人がたえない、(中略)本田出雲守忠朝 元和元年没(中略)あツとおどろくほどたくさんの、何百何千という杓文字が土塀の内側にぶらさがっている。すべての杓文字に、禁酒、断酒の文字が見える。酒で身を滅ぼした本田出雲守が、死に臨んで「戒むべきは酒、今後わが墓所に詣でる者は必ず酒ぎらいに」と誓願したという言い伝えが、この信仰を生んだ。
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ヒャッケン先生の阿房列車にならって
雑誌の企画で旅をしてみた記録。
うーん、思っていたより「鉄」分は少ない。
旅先の印象に関する文章が主だわ。
熊本で先生の訃報に接して
狼狽する著者の姿がほろりとさせる。