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次元や光速など、私には理解が難しいところがとても多かったけれど、細かいところは気にせず、映画を見ている気持ちで想像しながら読んだ。これまでよりも更に広い宇宙の話になり、時間軸も壮大で、圧倒された。この「三体Ⅲ 死神永生」は作者が一般向けではなくSFファンに向けて書いたのに結局一番の人気となった、とあとがきにあったが、私にとってもこのシーズンⅢが最も面白かった。
この世界・宇宙は途方もなく広くて、でも他の星や他の生物に生まれずに今この地球に私としていることがなんだかものすごいことに思える。それに、気の遠くなるような長い時間をかけて、今この瞬間を迎えられているのだなと思った。
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宇宙は、意思ある者たちの作為によって、次元を下げ、光を遅らせ、時を止められて、熱死する。壮大な年代記。
人新世は地球環境の話だが、これは大宇宙の話。
次元攻撃のカタストロフ感はただならぬものがあった。
今日もなお、これだけに壮大な物語を構想できるという劉のSF的想像力は信頼すべきものだ。
スピンオフ作品にも期待したいし、Netflixが進めていると言う映像化も楽しみだ。
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まさか次元攻撃されるとは。。。
ただ、個人的には黒暗森林のほうが好みかな。敵がよくわからなくなった
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上巻とはがらりと趣が変わり(※雲天明のお伽噺以降)、緻密な描写で壮大な時空を描くハードSFな展開に。
キャッチーさはないが難解で力強いストーリーは、前作とはまた違った面白さを味あわせてくれた。
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上巻に続き、下巻。
■下巻は後半に進むに連れ、時間がどんどん未来に流れていく。
はっきりいって自分の頭では想像のつかない時間軸にストーリーが展開していき、途中少し疲れてしまった。
終盤、ほぼエンディングに近いシーンなどでは主人公やその周辺人物、三体星人の描写がかなり端折られている感は否めない。作者の考える宇宙の終焉って「こんなんだぜ」っていうアイディアが箇条書きされている感じ。
■宇宙の終焉、人類・生命の終焉の危機にあたり、彼らがどのように考えどのように行動し、生命の責任を果たしていくのかについてはより詳細に深く描いてほしかったとも思う。
■作中いくつか描写されていて気になったのが、「敵は〇〇と考えるに違いない」など、敵に対する人間の楽観的・主観的なものの見方。
結局、敵は地球文明と同じ土台に立っている文明ではないので、まさに字のごとく虫けら同然に駆逐されてしまった。
敵の立場に立って考えるとはよく言われるが、あまりに実力差のある相手が敵となると、想像力が途方もなく豊かな人物でないと、敵の身になって考えるなんてできないんだろうなあと。。
■SF要素が各所に散りばめられていて非常に楽しめた。
個人的に好きなポイントとしては、3次元空間の2次元への次元削減と、ビッグクランチをやり過ごす方法論。
■太陽弾きに手紙を飛ばす(だったっけ?)次元削減攻撃は、公園で遊ぶ子どもたちが無邪気に蟻の巣に水を注ぎ込む様が頭に浮かんだ。
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とにかく情報量が圧倒的。驚きと共に新たな見解が得られる。人類に対する神話を残すかのような内容となっていて、絶体絶命のピンチでも、かなり都合良く話が展開していくと言えなくもないけど、神話なんだから、おぉそうかそうかそうきたかと、受け入れて素直に楽しんでおけばいいのだ。読めば自分を取り巻く「宇宙」を意識し、その認識が変わる作品なので、人類としては一度読んで、来るべき未来に備えたい(備えようないけど)。
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この超大作を中国圏に遅れること11年。英語圏からは4年遅れで遂に日本語版を読み終えることができた。感謝しかない。
雲天明からもたらされた情報により人類が行うべきことがだいぶ明確になってきた。とは言え暗黒森林攻撃を回避するためには、まだまだ高いハードルが残されているが、攻撃が想定される数十年後にむけ、着実に多方面の準備は進めてきた。しかし、そうこうしているうちにも常に暗黒森林に怯え、なにか未知の危機が起これば、またもや人類は持って生まれたエゴをむき出しにしてしまう。
そして遂に人類が想像してもいなかった方法(雲天明のお伽話には示唆されていたのだが)で、暗黒森林攻撃は実行される。彼らにとっては人類ごときが考える対策など何の障害にもなりはしなかった。
程心らはこの最大の危機に際し、人工冬眠を解除される。果たしてAAと共にこの危機に対処できるのか。
もう次から次へと予想をはるかに超える事態に見舞われ、消化するのが大変だが、実にワクワクさせられる。著者の想像力にすっかりやられてしまった。
次元は攻撃用、光速は防御用なんて誰が思いつくのか。しかも現在宇宙の次元とか光速とかの有り様も実は違うとなれば…。そんな宇宙規模の想像を絶する事象についても描写が素晴らしく、読んでいて情景が目に見えるようである。こんな世界を体験できたことが本当に嬉しい。星間雲が少なく天の川銀河の光だけで夜でも影ができる、そんなオリオン腕にあるという星に行ってみたい。
ラストまで怒涛の展開で美しく完結した。そして自身は所謂三体ロス状態だ。これを超える地球外知的生命体SF小説は今後出るのだろうか。ネットフリックスで映像化される。今からはそれを楽しみとしよう。
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三体はⅡまでが読み応えあり。Ⅲは無駄に長く時間の調整に冬眠を使いすぎて、何でもありの状況。一番長いが、一番内容が薄い残念な結末だった。
期待しただけ損した気分。
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世代を越えに越え、広がりに広がった風呂敷が畳まれた印象。
下もポンポンと時代を越えていくけど、主人公が読者と一緒にその時代に戸惑ってくれるのでかろうじてついていけた感じ。
物語にカモフラージュした暗号を伝える話、何かの作品でも使われていた気がするけど思い出せない。ここはミステリ要素も入っていて楽しめた。
「愛」的なテーマが作品通じて見えた気もするが、最終的に「愛」なんていう脳が生み出すいくつかの物質ごときでは科学、宇宙の無慈悲さには勝てないんだよ!と殴られた感じで良かった。
個人的にはⅡの暗黒森林理論とは何か?が判明した瞬間の衝撃の方が大きかった。おそらく、現実にあり得るかもしれないのはそっちだし、Ⅲで明かされたのはその攻撃方法の一つに過ぎないからだろうか。
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三体III読み終わった。今まで読んだ物語の中で1番スケールがデカかった。このストーリーのすごさを文章にする技術が自分にはない。ラスト20%でもう2冊くらい書けるくらいの怒涛の展開だった。まさか三体で泣くとは思わなかった。すごい、ほんとにすごい。久々に読む手が止まらず夜更かししてしまった。
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とてつもなく長い物語が終わった。人工冬眠を使って現代人がここまでの道のりを進む構想は、読者に寄り添ったわかりやすい取り組みで読みやすい。
死神永世では1人の優秀な人間の冷酷な決断よりも、多数の一般的な人間の安易な決断が採用され、結果、絶望的な状況に陥る展開が多い。今回の主人公は後者に属して、自分の決断を後悔してしまうが、最後の最後で報われる一言があったため、個人的には嬉しかった。
技術面では暗黒森林まではわかりやすかったが、次元攻撃と光速抑制になると、勉強してもう一度読み直す必要があると感じた。10次元の楽園は行ってみたい。
智子は、日本人からしたら複雑なキャラクターだったが最後まで悪役ではないことはホッとした。日本刀って…
暗黒森林の後書きには、暗黒森林が1番人気があるとあったが、私もそう思う。一番はわかりやすさ。死神永世では次元攻撃が頭の中で画像変換できなかった。映像化に期待!
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今回も面白かった。黒暗森林のラストの方が、スッキリ感はあったけど、こちらのラストは長編のラストらしい、重みがありよかった。
いろんなお話があったけど、自分が正しいと思うことを、責任を持ってやり続けることが、エンジニアとして、人として、知的生命体として大切だというメッセージを感じました。
特に、地球温暖化という地球の危機な照らしながら読んでました。
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太陽系人類は結局、黒暗森林から逃れられず滅亡する。光速飛行を実現した二人は、時空を超えて数億年後の宇宙へ。
物理法則が武器として使用される。次元空間や光速がいちばんよく使われる。「物理法則だけじゃなくて、何を武器にするっていうの?」「・・・・数学基礎論」「それって・・・・狂ってる!」
最高のエンターテイメント。
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読んだ!満足!!
思えば時空を超えて、はるか遠くまで来たもんだ。
1も2も、その読了後は「これだけの衝撃で終わったのに、続編はどうするの?」って思ったけど、確かにはるか超えてきた。
あんなに戦慄した1が、今思えば子どもの砂遊びみたいに感じる…。
とにかく下巻後半の5部からが圧巻。1のナノコードギロチン、2の水滴、そして3の二次元崩潰。
それまでの多少の疑問や謎も、「細かいことはいいんだよ!」で力技で押し切るような圧倒的な地獄。そしてその地獄が、宇宙視点からすると些細なことでしかない。
たまらない。スマホの壁紙はゴッホの星月夜にした。
ただ今作の主人公の程心が、母性豊かな優しい若い美人で、あまりにステレオタイプで入り込めず、ちょこちょこ冬眠に入って起きると新世界を「観光」するのが冗長に感じて、ここらへん削って半分にしてもいいんじゃないかなーとは思った。
要所要所で流れを決定づけるキーパーソンの雲天明は、チラッと出ては退場の繰り返しで、三体世界と彼の関わりあいとか目的が謎のまま終わってしまい、話の進行に都合よく使われすぎでは、と感じなくもなかったけど、そのあたりは宝樹の番外編に期待。
とにかく3の最後まで楽しめた!日常から遠く離れた次元・次の宇宙の誕生まで到達できる、読書って楽しい。
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黒暗森林ラストで羅輯が見事に三体世界の首に縄をつけたところでこの先どう展開するの?と思っていたが予想を裏切るハイスケールでの完結(ま、水滴を作り出した三体人が黙っているわけないよね)。
第一部冒頭の魔法使いの話、なんのメタファーかと思えば地球上にも四次元空間バブルが出現していたという話だということが後になってわかる。
そして雲天明の「童話」を読み解くヒントがありとあらゆるところに散りばめられ、それが一気に解決されていく爽快さ。
新しい主人公程心とともにまさに時空を飛び越えながら壮大なスケールで話は進み、最後は大宇宙の熱死までいきつくが、リーダビリティが高すぎてどんどん読み進めてしまう。久しぶりにとにかく面白いものを読んだという幸福感を味わった。
追記:
雲天明の童話、ほぼ解読できたけど、針孔絵師のメタファーだけは気づけなかった。無念。四次元空間が三次元空間に崩落するシーンを思い出せばわかったはずなのに。