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理瀬シリーズ。
イギリスが舞台。
謎の惨殺バラバラ死体からはじまり、
一族の謎、館の謎、聖杯、脅迫状?
ブラックローズハウスでの事件は、
海外小説みたいな感じだが、読みやすくて一気読み。
安楽椅子探偵ヨハンがあざやかに解決。
続編もありそうな雰囲気はある。
大人になった理瀬はかっこいい。
新しい登場人物も魅力的だった。
装丁が素敵。北見隆さんのイラストもたくさん。
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水野理瀬シリーズ。これをいきなり読んでも大丈夫かもしれませんが、やはり前作から追って読むのがお勧め。理瀬がどんどん美しく妖しく魅力的になってくるなあ。とはいえ、前作もかなり昔に読んだのでけっこう記憶があいまいで、また読み返したい気になりました。
イギリスのレミントン家が所有するブラックローズハウスで開かれる、当主の誕生日を祝うパーティ。そのさなかに近隣で起こった「祭壇殺人事件」、そして次々に起こる不審な事件。レミントン家に伝わる「聖杯」、レミントン家と理瀬との繋がり、そしてブラックローズハウスに隠された秘密。魅力的な謎をたっぷりと孕みながら進む物語には酩酊する心地です。もう細かな部分の道具立てなんかも全部好き。
でもこれは、まだ続きそうな気も……楽しみです。次回には理瀬とアーサーがいったいどのような関係性になるのかも要注目かも。
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やはりすごく読み応えがあった。先が読めない展開にページをめくる手が止まらない。ただ、今までの理瀬シリーズをある程度頭に入れておかないと面白さはかなり減ると思う。私も少し記憶に怪しいところがあるので、また1から読み直したい。
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理瀬シリーズ好きなので楽しみにしていた。表紙がすごく好き。このシリーズはやっぱりこの絵柄ですね。
タイトルや館の名前がなんだか昔の自分(厨二病末期)が好きそうな感じでザワザワしたが、洋館が出てくるのはこれに始まったことじゃないし…と言い聞かせた。
成長した理瀬は「黄昏の百合の骨」で見せた少女の片鱗はもうどこにもない。大人になったんだなぁ。
前シリーズからちょくちょく感じていたことだけど、理瀬が美人であることの主張がちょっとくどいかな。彼女が美人なのは既に知ってるので、もうちょっと違う視点で「あ、この子美しいな」と思えるような文章が良かったかな…
アリスの目は確かだとは思うけど、その上をいったアーサーはすごいな。この場にヨハンがいたらどうなっていただろう。というか理瀬とヨハンはこの時点で結婚してるのか?
ミステリー部分については正直がっかりだった。
この手のオチが今までなかったわけではないけど、祭壇に供物として切断死体を置くとか、いかにも宗教とか悪魔信仰を連想するじゃないですか。そういうのを期待しちゃうじゃないですか。
意外なあの人がそんなことを?っていう点では良かったけど、最後はがっかり。まぁ合間合間にヨハンと会話してる時点でコイツが犯人なんだろうなと思ってけどさ…
「黄昏の百合の骨」の時のような意外性はなかった気がする。
割と意外だなと思ったのがヨハンも生きて成長していたこと。後継者争いの中で死んで理瀬はフリーにっていうのを割と夢見ていたので…(ごめんなさい)
ヨハンは理瀬に愛がありそうだけど理瀬はどうなんだろうな。「麦の海に沈む果実」の時から理瀬は合理的な理由でしかヨハンを選んでないような気がする。人として嫌いではないんだろうけど。
あと!!雅雪出てきてないじゃん!!!楽しみにしてたのに!!!!大学入ったらイギリスに遊びに行くって言ってたじゃん!!!!
もうさ…嶺二は諦めてるからさ…せめて雅雪出して欲しかった…
噂でこれで理瀬シリーズ終わりって聞いたんですが嘘ですよね???
アーサーと敵対するフラグを立てておいて、雅雪が遊びに来るフラグを立てておいて、朋子弟(名前忘れた)とも再会するようなフラグを立てておいてこれで終わりなんてさすがにひどいと思うんですよ…頼む…
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『麦の海に沈む果実』が2000年で、『黄昏の百合の骨』は2004年の作品。
17年も間隔があいた理瀬シリーズ。
このシリーズはどれも、恐ろしいものを秘めていて、美しく、妖しい。
事件の残忍さや、思わせぶりな謎解きの結末。
読後、霧の中に包まれてしまうような感覚。
この物語には、まだ続きがあるように思う。
いつの間にか、浮遊感の伴う別世界へといざなわれる。
理瀬シリーズのこの独特な感じ、なぜか病みつきなる。
今回、ヨハンは事件の聞き役として登場した。
理瀬とは深いかかわりのある、昔からの知り合いだ。
ヨハンに関しては、読み始めに感じた違和感が《第十章》で解消される。
そして今回、アーサーというレミントン家の 美貌の長兄が現れた。
素性は謎のままだ。
次回作はそんなに遠くない将来にでるのでは、という気がする。
最後に。作中にふんだんに盛り込まれた挿絵が素晴らしい。
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イギリスの富豪の洋館でおきる失踪・猟奇殺人事件。
過去の2作品は理瀬目線で話しが進んでいたけど今回は新たな登場人物アーサーの目線で物語が語られていく。
恩田先生が書く、密室でかつ終始不穏な空気が漂う中で展開される物語はやっぱり大好物!
「理瀬」、「ヨハン」の名前が出てきた瞬間テンション上がったよね。
物語の結末としては、あっさりでこんな感じかぁというのが否めないけど恩田ワールドにどっぷり漬かりながら楽しい読書時間を過ごせた。
続編を匂わす感じの終わり方だったので、次回は5年以内ぐらいで理瀬目線の続編を出して頂きたいです恩田先生!(切実w)
今回は理瀬目線では無かった分、理瀬不足なので麦と黄昏を再読しよう。
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恩田陸のHONKAKU推理小説、それも綾辻行人の館シリーズに対抗するような「薔薇館の殺人」である。登場人物にスターも現れた水野理瀬の登場、まるでルパン三世の峰不二子だ、本作では彼女は謎のまま終わってしまった、怪盗であればわずか1千万程度の伽羅では満足しないはずだ、明らかにスパイ戦の様相を示して物語は終焉、これでは満足できないこれはシリーズ化して欲しい。この著者にはシリーズ化したスターがいなかったはずなので是非続編を期待したい。しかし殺人事件自体は大した謎ではなかったのでちょっとがっかり。
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場面転換をしつつ、その距離をどう捉えて良いかを読者が計っている間に物語は進みます。一族の至宝をお披露目する的なテンプレートなイベントを軸としておりますが、そこには知略を廻らす様々な思惑があり。壮大な映画の序章と言うような、そしてきっとどこかに繋がるこの世界の物語に浸っている間にこの本は最後を迎えます。その先、その前、その周り、気になることはたくさんです。
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ゴシックミステリと期待して、雰囲気は十分だったが。意外に即物的な真相でちょっと興ざめ。確かに、このシリーズはゴシック系とは別の意味で、現実的に不穏なんだった、と思い出す。
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理瀬シリーズ17年ぶりの新作との触れ込みでしたが…17年!!?と一瞬びびりましたが、長編としてはね。なるほど。
「水晶の夜、翡翠の朝」も「麦の海に浮かぶ檻」も短編だもんな。
恩田先生フリークは短編で尻尾振ってしまうから、17年待つのも全然平気な訳ですよ。
その年月ゆえか、ゴシックホラーな雰囲気は鳴りを潜めて、普通にサスペンス・ミステリー小説だったな。
まあ理瀬も大人の女性になったからな。
あと今回は舞台が国外だったし、どす黒い血縁関係が皆無だった。
やっぱりこのシリーズは、性悪で陰険な親戚がもっと出て陰謀巡らせないと物足りない。
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久々の理瀬シリーズ。17年ぶりだそうだが、理瀬はイギリスに留学中の大学生となっている。
薔薇をかたどった館、一族に伝わる秘宝の”聖杯”、遺跡で発見された切断死体、とゴシック満載な雰囲気の中で、館のパーティーに招かれた理瀬は事件に遭遇して‥
今回は館の長兄アーサー視点で物語が進むので、理瀬は美しくミステリアスな人物として描かれ、読者にも彼女の意図がわからない。それはそれで面白いが、やはりちょっと寂しい気はする。
ヨハンも少し登場するし、シリーズを最初から読み返したくなった。
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後に続く構想のエピローグポジション的な作品ぽい。
謎の人物は謎のまま正体をにおわすだけで終わっています。
このシリーズの本編はどんなお話が続くのかはわかりませんが、楽しみです。スパイ物?、cat's-eyeのような回答物?
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たぶんこのシリーズの趣向としてはさ、80年代くらいの週刊漫画誌に連載されているマンガを小説でやりたい、ってものなのだろう。俺は著者より、少し若い世代にはなるのだけど、なんとなくこういうマンガってあるよなぁ、と思うのだ。それも、ガラスの仮面とか、あのあたりが毎週現役バリバリで連載していた当時のマンガでね。だから、オカルトライクな道具立ても、盛り上げるだけ盛り上げて置いて、突然、微妙に尻切れトンポっぽくなる結末も、そしてそっから、なにか新たな冒険が始まる?テキナ終わり方も、そういう趣向なのだと思う。そう思うと、ものすごくしっくりくるんだよなぁ。
この物語だけでみると、恩田陸の文章が、わりと好きな感じなので楽しめたんだけど、そこまでのドラマ展開はないから。
久しぶりに、若いころに読んでいた小説の続編が読めたわけだし、特に不満はないけどね。
久しぶりのシリーズ。10年以上か。単独としてみるなら、なんか妙に尻切れトンボの気がしてね。それほど感銘を受けたとはいえない。ただ、恩田陸の文章は好きだから、そこは楽しんで読めた。思い出したのは、俺が恩田陸の本を読み始めたとき、よく「さわりの小説」なんて言われていたことを思い出した。これから、この背景になにかすごい物語があることを察しさせつつ、その前で終わるっていうね。そういう、ちょっともどかしさも含めて、楽しむ物語なんだろうな。このシリーズ、いつか完結するんだろうか。
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久々のリセシリーズで、当時のドキドキ感を思い出しながら読んでました。
また続きが出そうだなぁ、楽しみだなぁ、と思わせてくれる終わり方だったな。
ストーリーの不気味さは前作より薄まってるけど、舞台がイギリスってことで無駄にゴシック感が脳内で勝手になされた気がする。
2021.8.16
105
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17年ぶりのシリーズ物だそうだが、前作などを読んでいなくても違和感なく楽しめる。
装丁・挿画が不穏な空気感だが、意外に軽く読めてしまうライトノベルといったところ。
いささか長編ものに疲れていたところなので、リフレッシュ本としてもお勧めだ。
本に疲れたとき、17年前の前作を読んでみるのも悪くないかな。