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ドナルド・トランプと金正恩の奇跡的な対談という歴史的イベントを前に突如登場したトランプの隠し子を名乗る1人の男。その男が持つアルフレッド・ヒッチコックの評論に、北朝鮮の政権の正当性を揺るがす暗号が隠されているー、というリアルと虚構の入り混じった世界で、北朝鮮から極秘で日本に潜入してきた女性と、落ちぶれた元映画監督の男性の2人のラブストーリー。
とはいっても怒涛の情報量とストーリー展開によって、並のラブストーリーには全くならず、手に汗を握るようなスリルはやはり阿部和重作品特有の面白さ。相変わらずアクの強い登場人物ばかりで、フィナーレに向かって加速する物語のドライブ感が素晴らしい。
一般的なラブストーリーにあるようなエッセンスは全く出てこない作品ではあるが、ラストの描写で初めて本作が男女のラブストーリーであるということを実感させる、そうした手法も含めて面白い。あっという間に読了してしまった。
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阿部和重「ブラックチェンバーミュージック」読んだ mainichibooks.com/books/novel-cr…
今年度エンタメ部門NO1(自己ランキング) 表紙も会話もポップ、トランプの隠し子、北朝鮮のスパイ、ヒチコック映画論に隠された暗号に注文の多い古本屋。重いテーマも二段組も圧倒的なリーダビリティであっという間よ(おわり
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実際に行われた米朝会談の裏側でこんなふうに政治に巻き込まれた人たちがいたのかもしれない、と思うとリアリティーがある。
日本のヤクザの闘争も絡んだ物語をハラハラしながら読み進めた。
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一気に読んでしまった。この著者のものは初めて。複雑に入り組んだハードボイルド調のストーリーをベースにしているが、そこにリズム感ある小気味良い会話が展開されることによって読む者を否応でも惹きつける。終盤謎解きが強引な部分が一部あるが、それを差し引いてもとても面白い作品と思う。この著者の他の作品も読んでみたい。
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国家を揺るがす極秘任務に押し寄せる怒涛の展開。
張りつめる緊迫に動悸が止まらぬまま駆け巡りましたー!
くすりと笑えるユーモラスな部分と、手に汗握る息をつく間もないような胸はやる展開が交差していく面白スリリングがたまらない!
二段組もなんのそのでクライマックスまで駆け抜ける!
もう、なによこのラスト、
目と鼻の奥んとこ、きゅぅ〜〜ってなったじゃない。
最高ズルイっ!
こんなラブストーリー、読んだことないわ♡
壮大なスケールの映画観た気分。
あ〜面白かった!
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伊坂幸太郎とのコラボ作品「キャプテン・サンダーボルト」は読んだことはあるけれど、阿部和重作品はこれが初読み。なんだか長くて難しそうな作品を書くという勝手な思い込みで近づけずにいた。
500ページ弱、2段組というボリュームやや怯むも、「北朝鮮からの密使である名前のない女と、落ちぶれた映画監督の純愛」という設定に惹かれ読んでみた。
なかなかハードボイルドな設定なんだけど、独特の世界観で深刻になりすぎず、グイグイというわけでもないけどついついやめられなくて読み続けてしまう感じ。
ユーモアのセンス、押し付けがましくないメッセージ性、主人公のキャラクター、とどれをとっても「過ぎない」感じが実にい。
今まで食わず嫌いだったのを後悔する。
怖くて、痛くて、苦しくて、でも笑えて、ラストは胸が暖かくなる。面白かった!
阿部作品、また読んでみたい。
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わけがわからなかったけど、面白かった。ついつい最後まで、読んでしまった。主人公のキャラがいいんだろう。それと周りの脇役たちも。これぞ小説。
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デビューから阿部和重さん好きでしたが、久しぶりに読んだ分厚いこの本はよくわかりませんでした。エンタメなのか純文学なのか曖昧な感じで、主人公の名前が溝口健二のパロディであったり、物語のキーになっているヒッチコックの論文というのが単なるマクガフィンなのかどうなのか。読む側もどう考えていいか分からなかった…。もとは新聞小説なんですかね?ちょっと単調なものに感じました。ところどころ、昔読んだときのワクワク感もあったんだけど…。タイトルの謎さも気にすべきなにか、そうでないのか…。?だらけの小説です。
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「この人の本を「面白い」て言えるのなんかかっこいい」と思う作家さん。
朝鮮半島とアメリカの動きを背景に、映画の評論をめぐってたくさんの人が巻き込まれていく。
「おおばんぶるまい」って「大盤」だと思ってたけど、「椀飯(おうばん)振る舞い」だったことを初めて知った。
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長編エンタテイメント作品として躍動感があり、一気に読ませてくれる作品。好みの問題は勿論あるものの現実的でない部分も含めてストーリー展開は巧み。顛末に今一つの工夫があると尚良かった。
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面白かった。すごく少ない手がかりをたどっていくと予想外の展開があり、どんどん読みすすめられた。主人公の行きあたりばったりで計算してない行動がいい。
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阿部和重さん初読み。
(伊坂幸太郎さんとの共著「キャプテン・サンダーボルト」を除く。「オーガ(ニ)ズム」は残念ながら挫折中)
いやぁ、ばかばかしい笑(もちろん、褒め言葉です)
タイトルといい、どピンクの装丁といい、とても意味ありげだし、重厚かつドライな語り口の「分断された世界に抗う男女の怒濤のラブストーリー」だしで、ワクワクドキドキ一気読みさせられた(最初の方はオーディブルで一気聴き、途中からは図書館で借りてきて読みつつ聴きつつ)わけですが…
ばかばかしいけど、めちゃくちゃおもしろい!
笑いあり、スリルあり、恋愛あり、ほろりとする場面あり。そして、超絶なスピード感。ちなみにオーディブルで聴くなら2倍速再生くらいでちょうどいいかもしれません。
ちなみに、ブラック・チェンバーとは、暗号解読を目的とする秘密機関の通称。広く諜報(ちょうほう)機関をいうのだそうです。
なお、劇中にも登場しますが、この小説を読む時のBGMとしては、シカゴ「素直になれなくて」やTOTO「ホールド・ユー・バック」がとても合います笑
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可もなく不可もなくといった感じ。
主人公のもたもたした感じが、まだ切羽詰まってない前半には、ややいらいらと退屈が募る。
後半はいいスパイスとカスタードになってた。
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話の流れがとても疾走感があった。
主人公は優柔不断でいきあたりばったりであるがゆえに
うまく行ったりうまく行かなかったり。。
この作者の分は読んだことがなかったので、引き続き読みたいと思う
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最高。とにかく読ませるテーマと展開と文章(というか語り口)で次から次へと届きそうな距離のニンジンが。読みやめるのが難しくて結局、3日で読んでしまった。この人の作品は全部読もうと思ってるけど、ハマり過ぎてしまいそうなので一作ずつ徐々に読もう。感想はとにかく時代に対する明確なスタンスと時事ネタの風刺とか皮肉が効いていて、読み進める上で必要なガソリンたる謎がいっつも深いんですよねえ。一生、映画化しないで欲しいと勝手に思います。というか、際どすぎて無理か笑