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20世紀初頭の米国、ミシシッピ川河口の町に住む4人の少年と少女。沼で釣り上げた3ドルで通販カタログのピストルを買う。が、とどいたのは壊れた懐中時計だった。でも、この時計はとんでもない価値があったのだ。
拾った3ドルで、大金持ちになった4人の冒険物語。
米国とはいえ、この時代なので様々な偏見、差別が横行しているし、道徳的価値観も様々。面白いしかけなんだけど、最後まで納得できないのは、子どもたちが冒険に出たあとの家族たちはどうなんだ!と思う。もともと失格の親もいるみたいだけど、突然冒険の旅に出たら親は心配するよ。そのへんのフォローが、最後までなかった。
そして、作家はイタリア人。ダメではないけど、なんでイタリア人がアメリカの少年少女のミシシッピ川の大冒険を題材にしたのか。いろいろ???だった。
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面白かった。マカロニミッドウエスタンわらしべ長者。
原題は”有名なウォーカー&ドーン社カタログ”という感じ。イタリアのベストセラー小説。舞台はルイジアナ、ニューオリンズ郊外のフランス移民を中心とする田舎町、テ・トワ、エディ、ジュリー、ティトという4人の子供が主人公で、4章をこの4人がそれぞれ視点人物となりリレー式で語られるという後日譚。1904年ごろ、ジムクロウ真っ只中の時代、秘密基地で遊ぶ4人が3ドルを発見し、タイトルのウォーカー&ドーン社カタログで通信販売でピストルを購入したが、送られてきたのは壊れた懐中時計だった。先日読んだ”ザリガニ”の舞台と似たような環境の半世紀昔の話という感じ。本文でも言及されるがトウェインを思わせるミシシッピ川を旅する様子がとても素晴らしい。旅に出た後は家族とも縁が切れているのも当時らしくて良い。特にテトワやティトは南部ではどうにもならなかっただろうし。ニューオリンズからセントルイスまでは船、セントルイスからシカゴへは列車。シカゴでは少しそりゃ無茶な、という箇所もあるが、とても面白い結末だった。
挿絵とか、カタログ(もちろん物語に出てくるフェイク)がものすごく精巧というか、当時の古本をそのまま使ってる感じがいい味わい。
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1900年代初頭のアメリカを舞台にした冒険小説。上質な紙を用いたハードカバーで、装幀も挿絵も原書の精緻なイラストを用い、児童書というよりはむしろ大人向けの少し古風な冒険小説のよう。著者がイタリア人というのが不思議で、どうしても「マカロニウェスタン」を思い出してしまうけど、苦みに満ちた……というようなこともなく、ハラハラしながらも安心して身を委ねられる物語になっている。
ハックルベリー・フィンばりにミシシッピをさかのぼる描写もあれば、貨物列車の外側につかまって前の車両に移動するというよくあるアクションもあり、列車から飛びおりる描写あり、つかまって鑑別所のような施設に監禁される場面もあり、およそ冒険小説といったら思いつくような場面がてんこ盛りで、つぎからつぎへとテンポよくたたみかけてくる。
主人公たちも、冒険家気質でワイルドなテ・トワ、物静かで研究家タイプのエディ、苦難に耐え忍ぶ泣かない少女ジュリー、ジュリーの腹違いの弟で黒人の(そしてたぶんアスペルガー的傾向のある)ティトと、それぞれ特徴があって、心を寄せやすく、エンタメとしてとてもすぐれている。一気読みでした。
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少年少女向けのものがたり。図書館にいったとき、なぜか気になって借りてみたものです。
ほんとに子ども向けものがたりだと思うんですけど、人種差別や女性問題のエッセンスを含んだエピソードが入っていたりして、けっこうおもしろかったです。【2022年8月11日読了】