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2023年4月3日 読了
第1章「限りなく優しくあれ」は、男女や家庭のことなどが中心で書かれている。コーヒーはコクと香り、紅茶は透明感に特徴がある、でも二つを混ぜたら飲めないだろう、という例えは何度か聞いた覚えがあるが、当時から存在した、行き過ぎた男女同権の主張に対応したものであろう。神仏がいかに思われて男女を創られたか、今一度そこに立ち返って考えてみたい。
第2章は、本書の題名にもなっている「人生の再建」。被爆した広島でのご講演だが、「恨み心で恨みは解けない」というフレーズは頭に残っていた。自己憐憫はどこにも通じないことや、相手を祝福する気持ちが大事であることなどが述べられている。人生においては様々な事件や事故に巻き込まれ、それが自分の責任ではないように見えるときもある。しかし、心にとげが刺さって抜けない。そのようなときに、この章を紐解いてみるのが良い。
第3章の「人生の王道を語る」は、初心者向けの講義で、①執着を絶つ、②寛容の心を持つ、③大自然と調和するという三つのことが述べられている。「これぞ信仰」という内容で、これならだれでも心掛けることができるだろう。
第4章も同じ「人生の王道を語る」の講義だが、こちらは少し仏法真理になじんだ人向け。「礼・智・信・義・勇」という5つの徳目、またそれをマスターした人が得る「徳」の境地、その境地に達することこそ「王道」であるという、悟りの本質が述べられる。この講義は音声で何度も聞いたことがあるが、何度味わってもよい。付随的に、これら徳目の逆を実践した場合、つまり「覇道」のことについても述べられており、覇道に陥らないという観点からも勉強になる。最後のほうに述べられているが、おそらくこれは6次元から7次元菩薩界へ至る悟りの話であろうと思う。
第5章「信念の力」は、信仰への眼ざめのことも書かれてはいるが、どちらかというと「伝導」に重きが置かれた内容。まだ幸福の科学が小さかった時に、隆法先生が自身で日本語と英語で書かれたパンフレットを見て、イスラム圏の人が「英語の本はまだ出ないのか」とはるばる訪ねてきたエピソードが印象的であった。信仰を花にたとえ、その花を一人でも多くの人に渡して、その香りを堪能してほしい、という趣旨のたとえが書かれているのはこの講演会である。