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松本大洋というマンガを知らなかった。映画になった「ピンポン」とか「犬王」とかの原作者だということも、もちろん知らなかった。家の本棚に昔からあった「かないくん」という絵本で気付いて、「ルーブルの猫」とか読み始めて、この作品がマンガでは二作目。
読み始めて、まあ、しっかりハマりました。絵がないと、この味はありえないし、映画じゃないから絵は止まっているのですが、1ページごとに何かが動いている感触は映画のようでもあり(まあ、少し大げさですが)、登場人物たちの、絵に描かれているむこう側が気になるのは、小説というか詩というか、にもかかわらずマンガなのですね。
ブログにもあれこれ、覗いてみてください。
https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202302040000/
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仕事の責任をとり出版社を早期退職した元漫画編集者と、それをとりまく他の編集者や漫画家達のおはなし。
TSUTAYAのレンタルにて読んだのだけど、これは絶対手元に置いておくべき漫画だと確信した。
ストーリー自体は単純明快なのに、登場人物達の個性や人間性が匂い立ちそうなほど表現されていて、緻密な書き込みや手書きにこだわった線画と相まって読みごたえがある。純漫画とでもいうべきストイックな完成度なのに、ちゃんと娯楽として面白い。
「ねえ、知ってる?
塩澤君。
人は誰でもいつか死んでしまうみたいよ。」
「長作さん、」「ん~~?」
「私はもう一度漫画を作ってみようと思うのです。」「うん。」
「描いていただけますか?」
「…ああ。
描くよ。」
「しかしね、塩澤さん!!
しかし、私は本当に嬉しかったのです。」
「私の描いたもの達をあなたが覚えていてくれたことに、涙が出るほど嬉しかったのです!!」
この三人の漫画家とのエピソードと、漫画と決別するために手持ちの本すべて売ろうとしたものの、散らばった本を見下ろして、漫画への想いが捨てきれずキャンセルするシーンが素晴らしかった。
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人に勧められる松本大洋
松本大洋作品の大ファンでありながら気軽に人に勧められる作品は少なく、「ピンポン」くらいしか挙げられなかった今日この頃
東京ヒゴロは松本大洋の本領発揮といえる「冷たいアツさ」に溢れた前向きな作品で
悪人も残酷な描写もなく読んだ後じんわり幸せになれる
登場人物がほぼみな往年の作家(と編集者)なので、若い読者にとっては盛り上がりにかけると感じるかもしれない
しかし、一度夢に取り憑かれた者の、寝ても覚めても止まらない感じ、わかるよー!と強く共感しながら読めた
彼らの冒険を最後まで見守りたい
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漫画家と編集担当の関係性を松本大洋タッチで描いてる味わい深い作品。会話のやりとり、シーンの描き方、ストーリー、映画のシーンや漫画のそれでもなく、松本大洋ならではの切り口で面白い。
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才能を持つ者と、才能を見出す者。
喋る鳥と迷い猫。
捨てられない漫画と背広に包まれた原稿。
泣けました。2,3巻もいっぺんに買えば良かったです。
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松本大洋先生、絵もストーリーも本当に素晴らしい。
サニーも大好き。サニーは心の奥底をギュッと掴まれる辛さもあったけど、今回は人生の苦さも描かれながらもワクワクも感じる。
まとめ買いしたらよかった。続きがすぐ読みたい。
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話ごと毎回挟まれる最後の引きの風景めっちゃいいなと思うし、雰囲気めちゃくちゃ好きなんだけど、それを言葉にするには陳腐な語彙しか持ち合わせてなくて辛い
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主人公の中年男性が出版社を半ば失意のうちに辞めて自分の漫画雑誌を立ち上げようと、かつて自分の心を動かした漫画家たちを訪れていく。人を訪ねるなかで各々の生活が滲むように描かれていく感じに
吉田健一『東京の昔』を思い起こしたりもする。
登場人物とその暮らしにページを読み進めるたびに興味が徐々に湧き上がってきて、ポツリポツリと話は進むのにグイグイと読み進めたくなる。
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とても面白い!!!!後ろ向きな話かと思えば全てがパワフルで前向きで愛おしかった!どの話も楽しみながら読んだ。特に最後のお話が好きかも。