紙の本
電車に見る歴史物語
2023/05/20 14:55
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投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史好きにもいろいろあるでしょうが、時刻表を元にした内容はなかなか無いように思います。
有名な方々の小説や日記をもとに、その日の行動を時刻表で追うのは、まるで推理小説のようです。当時の時代背景も描かれていて想像力が掻き立てられます。
電車好きの方は(歴史はあまり好きではない方でも)興味が湧く内容だと思いました。
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<目次>
第1章 移動する天皇
第2章 郊外の発見
第3章 文学者の時刻表
第4章 事件は沿線で起こる
第5章 記憶の車窓から
<内容>
朝日新聞土曜版「BE」に連載(中)のものをまとめ、加筆訂正したもの。第1,2章はかなり歴史的、第5章は私的なもの。もともと原氏は「鉄オタ」なので、鉄道の話は筆が進む。歴史的な話(新聞記事や個人の日記、場合によっては小説)から話が始まり、当時のダイヤグラムを紐解きながら、話をまとめていくパターンが分かりやすい。
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いつもの原武史先生節を楽しめた。
「天皇×政治×文学×鉄道」の世界はとても味わい深く、人間や社会のあり方を再考する格好の場だと感じる。
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鉄道マニアから歴史学者。自信の専攻と鉄道を結びつけた縦横無尽な思索の時間旅行。
朝日新聞土曜別すり「be」に連載中のエッセイ。身近な鉄道を題材に筆者の歴史知識を基に過去に思いを馳せる旅。
小説のワンフレーズだったり作家の日誌だったり。言及される列車の時刻表を調べる、通勤に使う路線の沿線の隠された歴史、列車内での会話から見える世相。幅広いテーマ、コンパクトな文章で楽しめる。
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原さんと同じような政治学者は、他にもいよう。また、歴史を論じる人も。
しかし、「鉄」であることを活かせる人はいまい。
鉄道×政治の文章は、これまでも原さんは残してきたが、今回は「政治」「鉄道」の両方の成分が高い。
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お父さんに鉄道に乗りに連れて行ってもらう話があちこち出て来るのが印象強い。オイラも連れて行ってもらったし、連れて行ったし。ドンピシャとは言わんけど宮脇俊三亡き後、一番近いところにいる気がする。