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面白かったー。
ユリ子すごすぎ!
彼女がいたら、どんな問題も解決できる気がする。
華族の見栄とか欲望とかいろんな物が複雑に絡み合った結果の物語。
暎広がとんでもない人物かと思いきや、切なかった。
私は筆者の「方舟」よりもこちらの作品の方が好みだったな。
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密室から忽然と消えた財宝の謎、そして暗号解読。
子爵令嬢と野生児的少女のジュブナイルとして読めるし和製スパイものっぽい場面もあるしでトキメキと共に読み進めたけど
解決編で謎の奥の嘘にピントが合った瞬間、ガラッと本格ミステリに姿を変えた。圧巻の書きっぷり。
言われてしまえばいやはやまったく仰る通りですとなるあれやこれや。
上手に有耶無耶なまま話を進めていくのでたった一言に目を見張ることになる。このシンプルさがやっぱりすごい。
探偵役の社会的しがらみに囚われない人生観が前作もそうだったけど良い性格してる。好きやわ。
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本の裏表紙などにあらすじがなかったので、どんな話かよくわからないまま題名に惹かれて読んだ。
執達吏という言葉もこの本で初めて知る。
もっとおどろおどろしい不気味な話かと思ったら、意外にも少女たちの冒険活劇のようで予想よりは遥かに爽やかであった。
とはいえ明治大正を舞台としたミステリなので、灯りの向こうに暗闇が広がるような仄暗さもある。
いつものように全く解けなかったが、トリックや暗号もよく考えられていて良かった。
最後に読み終わってから表紙を見返すと、ちゃんとよく読んで書かれたイラストだとよくわかる。
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明治時代に誘い込まれそうになる濃密な空気感とユリ子の存在感。意味不明なタイトルに二転三転の謎解き。引き込まれて一気に読了。暗号部分は読み飛ばしてしまったけど。
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大正時代。没落貴族の令嬢鞠子は家の借金のカタに執達吏のユリ子にあずけられることになり、借金返済のため二人で財宝探しをするという冒険活劇。
荒唐無稽ではあるが、二人のキャラや掛け合いもいいし実に楽しい話である。活劇だけではなく暗号解読やら本格ミステリ的な仕掛けもあり、読みごたえがあった。これはぜひシリーズ化してほしい。
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大正時代。子爵家の三女・鞠子とその父親の借金を取り立てに来たサーカス出身の少女・ユリ子の「財宝探し」を巡る冒険活劇。
財宝の隠し場所を示す暗号を解くのは放棄。よく考えたなと思う。
ユリ子の万能キャラは都合がよいようにも見えるけれど、気持ちよい安心した読み心地につながっている。
旧来の価値観に縛られていた鞠子の自我の成長も好もしい。
ひとときのワクワク感が心地よい。
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「方舟」のどんでん返しに心打たれて、同じ夕木さんの作品を読みたいと思い読みました。
サーカス団から来た女の子とお嬢様の掛け合いの中から事件を軽快に解決する話はなかなか面白かったです。
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久々の小説。 ブクログでおすすめの作家の小説でしたが、面白かった。小説は新しい世界を知れる良い体験ですね^_^
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一行目:絹川という子爵家が名家であることは誰しも承知していたが、実際のところ先祖に何の偉勲があったのかと問われれば、それを知るひとは世間にはいなかったし、絹川家のものすら、そんなことはほとんど気にかけてもいなかった。
方舟から著者読みしたけど、全然違ってまた面白かったー
特に囚われていた(と思われていた)人の正体と宝の隠し場所。やられた!と久しぶりに気持ちよく騙された。
本作は、とにかくユリ子のキャラクターで輝いている。深く頷いてしまったのは、最後のシーン。
「ユリ子が帰ると言ったとき、ふいにわたしは、サーカスが町を去っていくときの物寂しさを理解したと思った。」
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関東大震災の爪痕から立ち直りつつある東京。ある日莫大な借金の取立人としてサーカス出身の奇妙な少女・ユリ子が樺谷子爵家の元に訪れた。彼女は今すぐ借金を返せないなら明治末期に隠されたと噂される絹川子爵の財宝を返済に充てると提案。末娘の鞠子は担保として連れ出され、ユリ子と共に財宝探しを始める事になる。箱入り娘の鞠子がユリ子に振り回されながらどんどん逞しい方向へ成長していくのがいい。財宝探しが活劇あり暗号あり目の前で消えた財宝の謎あり殺人事件の謎ありと盛り沢山でお腹が一杯。それぞれがあるべき所にきちんと収まって心地良い。ユリ子を遣わしたのが晴海社長だったり、蓮見と井口らしい人物の話がちょこっと出てきたりで「絞首商會」先に読んでおくとにやり。また二人と一頭に会いたいぞ。
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『方舟作者による財宝捜索ミステリー』
2022年を賑わせた「方舟」著者による、名家の隠し財宝を追う本格ミステリー。執達吏(しったつり)とは執行官のことで、裁判の執行を行う役人のことのようです。
時代背景は関東大震災直後の大正時代で、言葉づかいや出てくる単語が最初は読みにくく感じましたが、慣れると最後までスラスラ読めました。
父の借金を返すために人質となった鞠子(まりこ)が、震災で血筋が途絶えた絹川家の財宝を探すストーリー。宝物庫となっていた別荘から一瞬にして財宝が消えた謎を解いていく少女たちの冒険ミステリーです。
どんでん返しと呼ばれる構成ですが、「方舟」ほどの衝撃は無し。たしかに読み込むとヒントとなる描写は散りばめてあるものの、伏線の点と点をつなぐ種明かしのシーンは想像を多く含み、あのヒントでよく真実にたどり着いたなという印象を受けました。
後半の怒涛の推理劇はさすが。暗号の複雑さもさすが。ただ主人公・鞠子よりも、つかみどころのないサーカスの少女・ユリ子の凄さが際立った作品でした。
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方舟とは全く雰囲気の違う本。好きなテイスト。殺人はあるんだけど、暗号を使った宝探しや少女二人の冒険劇のようなストーリー。小学校の図書館にある推理小説のよう。ほっこりするんだけど、わくわくする。夕木さん幅が広い。
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いろいろな要素が詰め込まれていて、純粋に楽しいミステリー小説でした。
作品の時代は明治から大正にかけて。名家の家で起こった財宝消失事件から始まり、宝探しの暗号あり、不審死をめぐっての謎解きもあり、さらに過去と現在、各人物の思惑が入り乱れての練りに練られた構成も光り、著者の意欲が随所に感じられて楽しく読んでいけました。
それに加えての探偵とワトソン役の個性も楽しい。ワトソン役となるのは、借金を抱えてしまった華族の三女の鞠子。探偵役となるのが元サーカス団の曲芸師の少女で、現在は執達吏として借金の取り立てにやってきたユリ子。
当時の時代背景もあって、遠慮深くどこか頼りないお嬢様、といった雰囲気だった鞠子が、自由奔放で常識にとらわれないユリ子に引っ張り回されていくうちに、徐々に強く自由になっていく様子もよかった。
二人の関係性も話が進むにつれて不思議な信頼感や、相性のよさみたいなものが少しずつ芽生えてきて、バディものとしても面白かったと思います。
個性的かつ魅力的な探偵と助手のコンビに、様々な要素を貪欲に取り入れた構成と、ミステリーの幕の内弁当と読んでも差し支えのない作品だったと個人的に思います。
このコンビの再登場も少し匂わされていたので、ぜひシリーズ化されたものの読んでみたく思います。
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今年の本屋大賞に「方舟」でノミネートされた夕木春央さんの大正浪漫ミステリー
少し幻想的でどんどん引き込まれてあっという間に読んでしまいました
小説家を夢見る箱入りお嬢様が、名家の陰謀渦巻く宝探し合戦に巻き込まれていくミステリーアドベンチャーです
ストーリーも伏線あり、謎解きありの王道ミステリーで楽しかったのですが、キャラクターが魅力的で引き込まれました
小説読んでる時って声優さんの声でセリフが脳内再生されませんか?私はするのですが
今回はまさにそれで、主人公のおてんばお嬢様がcv日高のりこさん、奇想天外なサーカス少女がcv水田わさびさんでずっと再生されてました
割と勧善懲悪系なので読了爽やかで、血みどろホラーの合間の癒しでサクサク読んでおりました
明治〜昭和初期のミステリーが大好きなので、台詞回しとかトリックも含めて好きでしたね
現代的なギミックを駆使するミステリーより、新聞とか図書館とかで情報を探す話の方がワクワクします
夕木さん他にも大正ミステリーを書いてらっしゃるそうなので、それも読んでみたいです
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密室から忽然と消失した財宝の謎。
14年前の真実が明かされる
怒涛の30ページに目が離せない。
メフィスト賞作家、圧巻の純粋本格ミステリー!
「あたし、まえはサーカスにいたの」
大正14年。莫大な借金をつくった樺谷子爵家に、晴海商事からの使いとしてサーカス出身の少女・ユリ子が取り立てにやって来た。
返済のできない樺谷家は三女の鞠子を担保に差し出す。ユリ子と鞠子は、莫大な借金返済のため「財宝探し」をすることにした。
調べていくうちに近づく、明治44年、ある名家で起こった未解決事件の真相とはーー。
子爵の三女の鞠子ちゃんとサーカスから逃げ出して借金とりをしているユリ子ちゃんの冒険譚みたいで面白かった。何も考えていないようで、何か考えているユリ子ちゃん。結構、自由な感じでいい。お上品な性格の鞠子ちゃんが、振り回されてるかんじがいい。
財宝探しに二つの子爵家が参加し、そこに借金を返すために参戦する2人。最初の頃に、鞠子ちゃんが今更参戦しても大丈夫なのか心配していたけど、私も心配だった。正直、得体の知れないユリ子とお嬢様育ちの鞠子ちゃんの2人で本当に探し出すことができるの?って。
しかし、2人は冒険していろんな危険を乗り越えてお宝探しを続行。鞠子ちゃんとユリ子ちゃんには、だいぶハラハラさせられたし、お宝のありかが気になってしまった。
お宝のありかは本当に意外だったし、彼の正体も意外だった。私は、鞠子ちゃんと同じように驚いてしまった。しかし、ユリ子ちゃん。どの時点でどこまで見抜いていたの?ってなった。
最後は、本当にサーカスが去るみたいにもの悲しかった。鞠子ちゃんの冒険は終わってしまい、日常に戻ったんだな。またユリ子ちゃんと鞠子ちゃんのコンビが見たいな。
2023.8.25 読了