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メルカトル鮎シリーズ。読後は今回もやってくれたなメルカトル鮎!という感じ。「メルカトルかく語りき」や「メルカトルと美袋のための殺人」と同じような短編集だが内容はメルのメタ化に更に磨きがかっている。特に「囁くもの」「メルカトル式捜査法」ではもうメルは色々と超越しちゃった存在になっている…。一番気に入ったのは珍しいメルの姿が拝めた「メルカトル式捜査法」かな。その珍しい姿のメルを逆転の発想に使うというところが流石メルだぜ!
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たまたま発売にに買って2回も読んでしまった。読めば読むほど味わい深い。
「翼ある闇」を読み返したくなったが、新装版売ってなかったw 是非本棚に揃えたいw 何故ならふと再読するから。
悪徳だろうが銘探偵だろうがメルカトル鮎が好きなんだなぁ・・ 再新装版出たら買うよ~
表紙のメルカトル鮎はそれっぽい。
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2021.11.2読了。
「メルカトル式捜査法」は、まさに麻耶雄嵩の真骨頂。
この論理展開は麻耶さんでしか見られないでしょうね…笑
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これがメルカトル鮎だなと。
やっぱり好き。
ずっと読みたくてもなかなか読むことが難しかった『愛護精神』や『名探偵の自筆調書』がやっと読めたのが嬉しかった。
『名探偵の自筆調書』は雑誌に載ってたときは日付や美袋君のサインがあったらしいけど、こちらではそれらは書かれていない。
『囁くもの』や『メルカトル式捜査法』はまさにメルカトル鮎じゃなければ成り立たないであろう展開でたまらなかった。
『メルカトル式捜査法』では、弱ってミスを連発するメルがみれるのがまずすごい。
絶対になにかこれには理由があるだろうとは思ったけど…そうきたか…。
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短篇6つ+超短編2つ。今回も悪徳銘探偵の名に恥じないメルの活躍と美袋の不憫さよ。この本に限らずだけれど、推理が展開されれば霧が晴れていく爽快さがあるはずなのに、どうしようもない不穏に襲われていくのがメルカトル鮎(+美袋)
互いを表す語彙の酷いことひどいこと笑
ボキャブラリー豊富。
スマホとコロナが出てきたので、長編とはまた軸が違うのか、それともサザエさん時空なのか。
でも、メルカトル鮎の最後は決まっているのを思うと、どれだけ鬼畜生なことをしていてもしんみりしてしまう。
メルカトル式捜査法では、珍しくもしおらしいメルカトルが……と思ったら、やっぱりメルカトル鮎はメルカトル鮎だった。
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メルカトルは相変わらずメルカトルだし、美袋も美袋で、また彼らに会えたのがとても嬉しい。
何がすごい(好き)かというと、いろんな意味での潔さがいい。謎を謎のままにするところとかなんかとてもよい。あとオチ。事件のオチのときもあれば、ただのオチのときもある。好き。水曜日と金曜日が〜のオチ好き。
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安定のメルカトルシリーズ。長らく読むのが困難となっていた短編も収録されており大満足。「囁くもの」「天女五衰」ときて、「メルカトル式捜査法」はすばらしい。「メルカトルかく語りき」や神様シリーズが好きな人なら必ずたのしめる。
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誰か一緒にメルカトルを殴りに行こうぜ(挨拶)
前作の「かく語りき」が十年前。十年ぶりですよ、って思ったけど、あれだね、「7人の名探偵」に入ってた話があったな。それもこの本に入ってて、冒頭見てそういえば読んだなって思い出した。
いやそれでも、本としては十年ぶりなわけで。メルカトルは相変わらずメルカトルで、メルカトルだからメルカトルでした。満足。
もうね、タイトルがブーメランだと思うんだよ。お前が狩られろよっていう。いや、狩られてんだけどすでに。
入ってる話数多いなって思ったら、超短編が二つ挟まってました。
「愛護精神」
美袋くん、引っ越しなよ。
「水曜日と金曜日が嫌い」
名探偵本に入ってた短編。今思ったけどこれタイトル、どういう意味? 結局犯人の動機は分からないままだったんだっけね。
あと美袋くん、強制的に引っ越しする羽目になったね。
「不要不急」
一番新しい話。超短編。コロナ関係を盛り込んでる。
「名探偵の自筆調書」
超短編。いやでもこれ、すっごい好き。そりゃまあメルだもん。殺意を抱いている人間が美袋くんひとりのはずないわ。
「囁くもの」
お前は一体どこの電波を受信してんだ。
最初からそうだったけど、メルはミステリというか、探偵小説に対して喧嘩売ってる探偵だよね。
社長さんがほんと気の毒。
「メルカトル・ナイト」
これも好き。いいオチ。その足場板、まさかお前が持ち込んだとか言わないよな?
「天女五衰」
公庄くんが好きですね。
美袋くんさ、メルがそばにいるからなんか、普通のいいひとっぽい感じになってるけど、思考回路は結構失礼だよね。わざとだろうけど、めっちゃ俗物。
「メルカトル式捜査法」
メルにしかできねぇよ、そんな推理。
最後に、犯人お前かーい、って声に出してツッコミを入れる系。
久しぶりにメルカトルと美袋くんの話を読めて満足です。面白かった。
抜粋。「愛護精神」より。
レアチーズケーキをおかずに天津丼を食べたような、ますます気が進まない胸中で私は促した。
そりゃ気は進まないわ。
麻耶くんのたとえって独特だよなぁ。
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麻耶雄嵩『メルカトル悪人狩り』読了。
「形なし」ではなく「型破り」であるのが麻耶雄嵩作品であると思う。
本格ミステリを知るからこそ、その型を破壊することができる。そういった目で見ていくと、シリーズ前作の『メルカトルかく語りき』はかなり異質な作品であり、おそらく究極に本格の型を破壊し、ミステリの構造への問題提起と解答を行なったシリーズであると思う。
前作がメルカトルが銘探偵であり銘探偵は「無謬」であるということを示したシリーズであったとすれば、今回はその「銘探偵の無謬性」は「どこから」来るのか? というより根源に近いところまで掘り進めたシリーズと言えるかもしれない。
したがって、テーマは前作で観念的になったし、今回はさらに観念的だ。一見して地味にも見えるし、前作ほどの衝撃はないかもしれない。しかし、より根本的なメルカトル鮎の在り方が語られ、銘探偵の意味が語られ、そして随所に過去30年の歴史を垣間見る表現やエピソードが差し込まれているのを見れば本作の見方は変わるだろう。
本作が麻耶雄嵩初心者向け(ミステリ初心者向けとは流石に言えないが)とも言えるほどにライトで解りやすいものになっているのも、どこか総まとめの感がある。もちろん、本格の構造や問題提起が大好きで麻耶雄嵩作品を追っている人ならもっと根源的なミステリのコアの部分に思いを馳せて楽しむこともできるだろう。
このシリーズが前作と今作でかなり究極的な位置まで到達してしまっていることを考えると、コンセプトシリーズとしてのメルカトルシリーズも終わりが近いのかなと思わないでもないのだが、是非是非さらにミステリの型と戦ってほしいところである
各話毎の感想、ネタバレはブログに投下。
https://x0raki.hatenablog.com/entry/mercatorakuningari
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またぞろ将棋の早指しの如くほぼノータイムで事件を解決していく銘探偵。
特に後半の「囁くもの」以降はただ無謬というだけじゃない銘探偵の装置的レゾンデートルがこれまで以上の影響力で描かれてて恐ろしげですらある。
悪人を狩るために理外から遣わされた存在...。
恒例の紆余曲折カット放送の短編達なので淡々とした印象を受けるけども、ロジックが歪だったりでやっぱり他では味わえないこのクセっぷり。
久しぶりのメル短編集だったけどこれはすごい。後半ほんと好き。推理のピースすらも自給自足。
最後の「メルカトル式捜査法」がミステリ的にも白眉という感じがあって一番だなあ、素晴らしいなあと思うけど、「囁くもの」もテイストはっきり打ち出してて好き。
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約3年半ぶりの摩耶雄嵩さんの新刊であり、メルカトル鮎シリーズ(というのか?)としては実に10年ぶりの続編となる。摩耶作品の大ファンとは言えない自分も、とりあえず手に取る。講談社ノベルスを買ったのはいつ以来だろう。
各編の初出時期は、1997年から2021年までバラバラだが、インパクトに欠けるという点はどれも同じ。シリーズ前作に当たる『メルカトルかく語りき』が、良くも悪くも「らしさ」爆発だっただけに。いや、「らしい」は「らしい」のだが。
初出が1997年と古い最初の「愛護精神」が、シナリオとしては最も良くできているが、それを淡々と短編で消費してしまうのが、メルカトル流なのか。「水曜日と金曜日が嫌い」。内容はともかく、最後のメルカトルの一言が全部持っていってしまった。踏んだり蹴ったりではないか…。
掌編が2編。「不要不急」。このシリーズが時事の話題を扱うとはねえ。「名探偵の自筆調書」。メルカトル流の犯罪論か、ミステリー論か?
「囁くもの」。ミステリーとはご都合主義な読み物だ。短編なら短編の分量できっちり終わらせる。それがメルカトル流なのか? 「メルカトル・ナイト」。うーむ、こういうシチュエーションは例がないかもしれない。それだけ。
「天女五衰」。ミステリーとはご都合主義な読み物だ。その言葉を額面通りに受け取る読者はいまい。「メルカトル式捜査法」で、誰一人救われないとだけ書いておきましょう。絶不調だろうとメルカトルはメルカトルだった?
現代的なキーワードやガジェットが出てきたところが、本作の最大の意外性だろうか。驚愕できなかった自分は、修行が足りないようである。
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久々、メルカトル!!
のっけから犬を殺した理由がブラックすぎて、いかにもこのシリーズという感じ。
美袋くんは散々メルに馬鹿にされつつ、今までと比べて、そこまで酷い目にあってないかなという印象。
またそのうちメルカトルに作品で会えると嬉しい。
あぶない叔父さんシリーズも好きだから、続編出ないかなあ。
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今までメルカトルシリーズを読んでいても、「銘探偵」というものがどういうものかよくわからなかったのだが、今作を読んでようやく輪郭が掴めてきたような気がする。
探偵になることが宿命付けられているというか、彼が起こした行動が謎解きに導いていく。
シェイクスピアの詩に因んだ見立て殺人の意外な犯人を鮮やかに解決する「水曜日と金曜日が嫌い」が個人的に好き。
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囁くもの以降の、神の加護を得たメルの行動にニヤニヤしっぱなしです。
ラストの『メルカトル式捜査法』はその極みで、
"銘探偵である自分の存在"というものを大前提として推理を進めるという
トンデモ思考の論理展開は、ここまでの積み重ねもあって謎の感動すら覚えます。
なんて言うんだろうこの立ち位置。第四の壁ともメタとも思えないんだよなぁ。
その辺とは絶妙な線引きがされてるように思うのだけど、どうだろうか……
『水曜日と金曜日が嫌い』
これ、絶対に何かモチーフがあったうえで作品にしてると思うんだけど、
それが何かわからなくてとても気になってます。
見たまま素直に感じればファウストかなとなるのだけど、読んだことないのと
軽く検索してみてもそれっぽいワードに出くわさないので (意味ありげなキャラ名とか) 全ては謎のままです。
なんだよ『水曜日と金曜日が嫌い』ってタイトルも!!気になるよ!!
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【収録作品】愛護精神/水曜日と金曜日が嫌い/不要不急/名探偵の自筆調書/囁くもの/メルカトル・ナイト/天女五衰/メルカトル式捜査法
メルにしてはおとなしめな印象。「メルカトル・ナイト」は皮肉が効いていて好み。「囁くもの」と「メルカトル式捜査法」は、論理の構築法がいかにもメルというか、メル以外でこれをやったら本を投げられそう。
「不要不急」は、コロナ禍を取り上げた『Day to Day』の一篇だが… 時系列が…