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世界的ベストセラー『三体』の劉慈欣の今のところ唯一の童話作品。
iPadを使って、電車の中で一気に書き上げたのだそう。
どうして、ひとは病気になったり、死んだりするんだろう?
月って、触るとどんな感じなんだろう?
太陽が、東から西へ移動するのはどうして?
誰もが子供のころの疑問に思った事柄が、人気作家・劉慈欣のイマジネーションの力を借りて、想像の先を垣間見させてもらったたようなそんな気になってしまう。
芯を貫くストーリーが清々しい。
愛するヒオリが日に日に弱って行くのを看過できず、青年サシャは東の孤島に住む「火守」と呼ばれる老人に会いに行く。
この世界では皆、空に自分の星を持っていて、その星が弱ってくると病気になったり死んだりするのだ。
「火守」は、この世界でただひとり、星の位置が書かれた本を持っている。
サシャは「火守」に頼んでヒオリの星のところまで連れていってもらおうというのだ―――。
西村ツチカさんのイラストが静謐な世界にマッチしている。
訳は池澤春菜さん。
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『三体』の劉慈欣が書いた童話で、表紙がとてもお洒落な絵本。短い話だが、サシャの生き方を考えさせられる。大事にすべきことは何なのか、守るべきことは何なのか。しばらくして読み返したら、どう感じるだろうか。手元に置いておきたい素敵な本だ。
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鯨、海、月、星、太陽。
散りばめられたモチーフの中、決められた役目を全うしようとする姿勢の美しさ。
素敵な大人の絵本だ。
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あの「三体」の著者がこんなに叙情的なファンタジーも書くのねぇ…と新鮮に感じたけれど、内容的には何処かで見たことがあるような感じだった。装丁はきれいで、イラストも素敵だったけど、もっと中国っぽい感じにしても面白かったのではないかと思った。
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大人の童話。
著者は大ベストセラー『三体』の劉慈欣、役者は池澤夏樹の娘であるらしい池澤春菜。
凝った絵付きの造本が特徴で、買うと高い。(1500円)
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劉慈欣本人が、過去のエッセイ(ありとあらゆる可能性の中で最悪の宇宙と最良の地球:三体と中国SF)で述べている次の内容に照らし合わせれば、今作もしっかりSFだなと思う。
『SFは可能性の文学である。われわれの住む宇宙もまた無数の可能性の一つだ』
『聞くまでもなく、これこそ太陽だった。』のとことか素敵。
この童話は、自分達と違う理の世界が存在していいんだ、ということを優しく説いてくれていると思う。
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あとがきに「童話」とあるが特に子供向けの文章ではないし、フリガナも少なく、実際には子供には難しいと思う。
『三体』を書いた作家だが、これはファンタジー的な寓話という感じ。
三日月は本当に三日月型、太陽は海の中では真っ黒で、火守が毎日火をつけることで燃え上がり空に浮かぶ、など小学生でも科学的事実と違うことはわかるが、この世界観がなかなかいい。
「月にミルクを取りに行く」とか「月はチーズでできている」といった言い伝えや「レ・コスミコミケ」なども思い出す。
言い伝えはまだ科学が未発達だった頃、自然現象を見て人間が想像したことだが、「レ・コスミコミケ」は、科学的事実は知った上で虚構の世界を作り出していたわけで、この作品はこちらに近いと思う。内容もテイストも全く違うが。
しかし、せっかくならサシャが恋人の元に帰らず火守の仕事をする決意をしたのか、もう少し書いてあってもいいのかなと思った。
私の読みが不足しているせいかもしれないけど。
西村ツチカの絵も美しく、作者のファンなら手元に置いておきたい作品だと思う。
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大人向け絵本という感じ。
美しい絵と、独自の世界観。海と陸、宇宙に繋がる空のシンプルな舞台。
個人に対応する星があって、星に埃がかぶると病気になってしまう。火守は毎朝太陽に火を焚べる。
ストーリーは少し物足りない。
だが、現実と異なる仕組みで成り立つ世界への入口を提供してくれる本だと思う。
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「三体」の著者が手掛けた大人向けの童話?絵本?です。
ひとは死んだら星になるのではなく、ひとが元気でいるから星が輝いているってステキだなと。
世界に太陽が昇り、星が瞬き、人々が平和に暮らしていくための大切な役割を担う火守。
日々の営みは辛く孤独な仕事だけど、愛する人への思いの詰まった、ノスタルジックで美しい物語でした。
三日月に乗ってオールを漕ぎ、音もなく進む時々星がぶつかって、風鈴のような音が鳴り響く・・・このシーンがお気に入りです♪
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妻が劉慈欣が書いた『三体』を「人類史上最高の作品。読まない奴は人生の半分の楽しみをドブに捨てたようなものだ!」と七転八倒して何度も何度も言い切る。
でも、話を聞くと非常に難解な作品らしい。私は小説を読む際は、最初の10ページが大事。いくら最後にびっくり仰天のクライマックスがあると分かっていても、スタートからぐいぐい引き込まれないと眠くなって「ポイっ」としてしまう。なのでまずは同作家の絵本を読むことにした。
1時間もかけずに読了。つまらなくはないが、「あぁ読んで良かった!」とも思わない。独特の世界観。三日月の上の乗る場面があるなどのおとぎ話。読み始めてすぐ『星の王子様』を思い出した。たぶん本作と『三体』はまったく別ものだろう。
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SF作家による童話。愛する女の子の病を治してもらうために火守を訪ねたサシャと、毎日海から上がってくる太陽に火を灯すという重要な責務を負う火守の物語。
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胸がむず痒いような温まるような感じがする。自分の小さい頃のアルバムを見たときのような気持ちになった。ノスタルジックっていうのかな?
この本の舞台には行ったことも、見たことも無いはずなのに、何故か故郷を懐かしむような気持ちになれる。不思議です。
絵がとてもきれい。毎回頭の中で思い浮かんだ絵より綺麗!あっぱれ
三体も挿し絵付きで見てみたいと思ったけどけど、最後は抽象画みたいになって無理だろうなー。却下!!
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日本でも大ヒットした中国発のSF小説「三体」の著者である劉慈欣さんによる物語絵本(大人の童話といった感じ)。病気の少女のため、地の果てに棲む火守(火を司る老人)の許を訪れたサシャが、火守と共に少女の星を探す過酷な旅に出る物語。あとがきに電車の中でiPadを使って執筆したとある、翻訳が声優の池澤春菜さんだったというのが驚き(日本SF作家クラブ会長らしい)。劉慈欣さんの作品が好きな人にオススメ。
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劉慈欣(Liu Cisin)という方が書かれた大人の童話?
短い話なのだが、とにかく発想がユニークで面白い。
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劉慈欣「火守」読了。池澤春菜さんに直接勧めてもらった。挿絵の雰囲気がとても良かった。そのおかげで読んでいて不思議な世界観に没入する事ができた。読み終わって数日後、たまたま朝早く目覚め、ふと窓の外に立ち昇る朝焼けに思いを馳せ、只々この世界の素晴らしさに感嘆の情念が湧き上がってきた。