紙の本
愛って何?
2022/07/31 14:11
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投稿者:シエル - この投稿者のレビュー一覧を見る
愛って難しいな……。一番最初に出てくる感想はそれだった。特に「愛について語るときに我々の騙ること」の男女三人組の友情が揺らいでいくのとか。「きみの長靴でいいです」が一番好き。
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狂気と物語中毒とウロボロスと嘘。みんな苦しくて切なくて明るい未来なんてない愛なのに。
それでも相手を想い、その気持ちを叫びたくなる。だってこれが愛じゃなければ何だって言うの。
多分、近くで見てる人は「やめとけ」って言うだろう。そんな報われない関係の中でぐずぐずしているよりさっさと次に行っちゃえ、と言いたくなる。
でも、でも、これが、愛なんだからしょうがない。
真っ暗な、出口の見えない愛なのに、なんだろう、この気持ちよさは。
斜線堂有紀マジックか。これがそうなのか。
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好きな人に
素直に好きだと言えない
少し屈折した恋のはなし。
でも、結局のところ
女でも男でも
地下アイドルでも
売れっ子デザイナーでも
ストーカーでも
自分だけをずっと見ていてー
ってそればかりなんだな…
恋は盲目なんて言うけれど
誰も彼もが
周りが見えなくなっていて
読み終えてどっと疲れが出た。
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斜線堂有紀『愛じゃないならこれは何』読了。救いようのない拗れに拗れた恋愛というか関係性にまつわる感情を描く短編集。そこには破滅しかないとわかっていてもただただ引き込まれていく泥沼、そしてそこに読者を釘付けにする引力。作者はこれまでミステリ系の著作が多い印象だけど、この感情の蟻地獄というか、関係性の伏魔殿というか、そこに全振りしたこういう斜線堂作品群を読みたかった!
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ファンをストーカーする地下アイドル
舞踏会中毒の女
男に合わせて山で死にかける女
三人の男女が友達→恋人へ
今までは、程よいバランスであった関係が、いつしか意識しすぎると・・・。
一線を越えた先に見える女達の恋愛事情が見えてくる。
斜線堂さんというと、ミステリー小説をイメージするのですが、今回は恋愛小説。それもイキすぎた恋愛小説でした。
恋愛「地獄」小説として紹介されていますが、想像する地獄とは違い、恋愛の沼にハマるとこうなりますよといったメッセージが込められているように感じました。
現実にありそうな短編集でしたが、まさに恋は盲目でした。
5つの物語ですが、内2つは同じ世界観で、本編と続編といった位置付けになっています。
最初の地下アイドルの話から、不気味でした。ファンを意識するがあまりにファンの家に忍び込むというイキすぎた内容に恐さ倍増でした。
といっても、ホラーっぽい雰囲気で描いている訳ではなく、
真っ直ぐに奔走するが故の行動といった解釈なので、なんとなく受け止めてしまう自分が恐かったです。
その他の話も、一線を超えてしまったが故に女性達の恋の苦悩が描かれていて、恐怖でもあり、真っ直ぐな人としても解釈できるので、色んな感情が渦巻いていました。
本人にとっては真剣な愛であるので、一線を超えた先に見える景色は、本当の愛に気づいたかもしれません。
人によっては「世にも奇妙な物語」と捉えるかもしれませんし、リアルな恋愛小説としても捉えるかもしれません。
色んな解釈ができますが、共通していえるのは、読んだ後ゾワッとしたけれども清涼感が残る作品ばかりでした。
第三者として、冷静な目で見ると、「地獄」かもしれませんが、ぜひ自分の目で、女性達の恋愛事情を探ってみてください。
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どこまでも、どこまでも地獄が極まってて、好き。
破滅的な恋の行く末が、愛じゃないはずがない。
きれいなリボンとか美しい薔薇とかかわいいハートマークでラッピングされた暴走機関車に積んでいるのはグロテスクな感情なのに、行き着く先が地獄でも、彼女たちは可愛い。
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唯一 きみの長靴でいいです だけ最後がすっきりして良かった。
愛について語るとき我々の騙ること が1番面白かった。
スピンオフ 『彼女と握手する』なら無料 も読んだけど、これも面白かったから、本作を読んだ人は是非読んでほしい。
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短編集
結末こそ明かされないが、タイトル通りハッピーエンドにはならないのだろうな と、推察される。
しかし、不思議と主人公達を応援したくなりました
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恋人としての男女という関係からはみ出した、いろいろなケースを短編で。読み終わると、おぉタイトルはこれしかないな、と思える。
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複雑な愛の形。の短編集。
?
愛まで行かない「好き」の形が複雑。
1話目の。
自分のことを好きと言っている人のことを好きになってしまう心理。
わかる。
けど逆ストーカーは自分が怖い。
新太と園生と鳴花の話が好き。
キレイな三角関係。
園生は思う。新太が何を差し置いても自分を優先するようになってほしい。
これが愛じゃないなら、なんなのだろうと思うような溺れ方。
園生は新太が好き。
新太は鳴花が好き。
鳴花は園生が好き。
もう一生3人で暮らせばいいと思う。
面白かった。
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タイトルの通りこれは何?って感じのクセだらけの恋愛?を集めた短編集!
自分を推してるファンを好きなアイドル、めちゃくちゃいい感じで99%両思いやんって状況で結婚報告をされたカリスマデザイナーなどクセスゴメンバーでお送りするクセスゴ恋愛メドレー
さすが斜線堂さん!って感じの作品で読みやすくて途中の言い回しも面白い!恋愛小説集やのに斜線堂ワールド全開で共感はできへんけど魅力的なキャラクターたちに夢中になってる私がいてる
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著者はじめての恋愛小説集なんだけど、どの話も「なんだこれ」ってくらい気持ち抉られる。共感できたというか、ああまさにこれは私だと思ったのが、舞踏会中毒の女と、男に合わせて山で死にかける女の話。
前者の話は「物語の搾取」「エモい関係」に気づかず勝手に相手も自分と同じ気持ちだろうと思ってた哀れな女性デザイナーの話。自分が彼にとって「物語」や「エモ」の中の存在でしかなく、生身の世界は別な相手で構築されてたって考えると、ただひたすら絶望。
後者の話は、恋心が暴走してだんだん自分が自分でなくなってしまう女性の話。好きな人に振り向いてもらうために、その人の趣味嗜好に合わせてしまうのは別に悪いことではないと思うんだけど、自分の好きなものまで忘れて、自分がわからなくなっちゃう。「恋は盲目」とはよくいったもの。
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歯車が噛み合っていないはずなのに正常に動いているような色んな愛の形に対する主人公の言動のさじ加減が絶妙で面白かった。
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その感情は、愛のような愛じゃないような何か、あるいは、愛でありまた愛ではない何か。たぶん名前のつけられない感情ってあるのだと思う。そのままだと不安定で落ち着かないので、たいていは「愛」というレッテルを貼って収まりを良くして納得したいという欲求に負けてしまうのだと思う。絶妙な角度で見いだされたその感情は、いびつであるとも、また、極めてありふれたものであると言えるのかもしれない。以前読んだ『楽園とは探偵の不在なり』とはどこかゆがんでいる感情という点で繋がってるように思う。
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STORY MARKET恋愛小説集(集英社)に掲載された『愛について語るとき我々の騙ること』含む5つの短編集。どれもやや行き過ぎた(病がちの)恋愛感情の描写で、暗黒面捻りが効いていて、楽しく読みました。普通の恋愛小説を求めてる人は手に取らない方がよいです。中高生あたりはハマる子いるかと思います。ほとんどがjump jbooks 公式note掲載だし。だから、週刊ジャンプに広告載ってたんだぁと納得。
セックスなどの単語あるので、小学校には向かず。