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言わずと知れた人間の不条理を扱った名作。あくまで解釈の仕方は人それぞれかつ自由なので、個人個人によってこの物語に対する想いは、天と地ほども違うでしょうが…。
改めて読み返してみると、どちらかというと悲劇というよりも喜劇を見たような読後感でした。読み手のそのときの気持ち等も反映されるのでしょうねきっと。カフカの寂しげな報告調の文章表現、僕は好きです。
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変身は現代の家族問題に通じると思った。
もう一つの方の作品はドストエフスキーの地下室の手記と同じタイプの主人公。自虐妄想タイプ。
【2008年6月12日読了】
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フランツ・カフカの『変身』は中学生のときに挫折したきりほっぽってあったのですが、今日読んでみたらスイスイ読めました。
オトナになった自分に乾杯♪
『指輪物語』『ドグラ・マグラ』『カラマーゾフの兄弟』を読破した私には、怖いものなど何もない!
さあどんとこい、超常現象!なぜベストを尽くさないのか!!
突然巨大な毒虫に変身してしまうという不条理に遭遇したグレゴール・ザムザが、どう現実と折り合いをつけていくか、というような話だと思っていたら、意外にも家族の反応の方が重要なのであった。
グレゴールの妹のグレーテは、毒虫になった兄に食事を運んだり、兄の部屋の掃除をしたり、兄が部屋を這いずり回るのに邪魔な家具をうんしょうんしょとどけてあげたり、かいがいしく兄の世話をする。母親が掃除をすると怒る。毒虫お兄様のお世話ひとり占め。
しかし一家の稼ぎ手であった兄を失って自分も働くようになると、疲れて世話も手抜きになっていく。最後にはとうとう「あたしたちは努力して、あれから開放されなくちゃいけませんわよ」と両親に訴えるまでになる。成長したな妹よ。
そしてついに「あれ」から開放された朝、両親と妹はそろって仕事を休んで散歩に行く。体をしなやかに伸ばした娘を見て、両親は新しい夢と善い意図が保証されたように思うのだった。
( ̄∇ ̄;
哲学的な。あまりに哲学的な。
10年後にまた読もう。
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僕はこれを最高のコントと解釈したい。カフカがこの作品に何を込めたのか、作品の正しい解釈は何なのか、そんなことはどうでもいい。壮大なコントが繰り広げられているのだと、そういう見方をしたい。2008-10-4
※この本を買う際に、新潮文庫とこの角川どっちを買おうか迷った。結局文字の大きさがこちらのほうが大きくて見やすかったので選んだ。新潮のあの文字の小ささはなんとかならないのだろうか?
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リアルっていうから、主人公である芋虫の描写がリアルなのかと思って、ドキドキしながら読んだけれども。
このリアルは人間関係の描写がリアルってお話だったのです。
ぁんまりにも人間らしすぎて目をそむけて鼻で笑ってしまいそうになりました。
だけど、現代でも学者がカフカを長年にわたり議論し合う理由がここにありました。
カフカ思想、父親へのぎゃくしゅう説の根本か、引き寄せられるようにどんどんと読んでしまいました。
一度は読むことをお勧めする、カフカ作品です。
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家族愛でしかない。人は言葉を失うと、姿を変えると、誤解されてしまうものだなと思った。スーパー非現実的なのに、とても現実的にその姿を描写していて、その点とても優れていると思った。観点が面白い。それに、愛情ってこんな風に多く粗末にされてしまうものなのかもしれないと思った。
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不思議な読後感を味わった作品でした。
初めに感じたのはかわいそう…。
次に感じたのは人間は所詮時間が経てば変わるものだ…。
最後には、どうして毒虫だったのだろう?
でも、嫌な感じがしない。不思議で仕方ありませんでした。
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すっごい面白かった!!
いや、気持ち悪い描写だし(特に虫嫌いだし)、哀しい物語ではあるんですけど。
とにかく、描写が綿密で想像しやすい。細かな動きまで、想像できます。
これね〜、読むまで知らなかったんですが、仰向けで寝てたんですね(笑)。ほんとに、寝たままの格好で布団を被って虫になってます。人の大きさのままで。
足が上にあるっていう描写で、「え、仰向け?!」って驚きましたもん。ちょっと可愛い・・とかいう問題ではないんだろうけど(笑)。
寝返りを打つ努力を行うところから、彼の試練は始まります。ゴロゴロするばっかりで、中々起き上がれないのです。想像して笑ってしまった私はダメ(笑)?ちょっと可愛くない?
しかし、人の大きさのままで虫、となると、私が想像していた以上の苦難です。
恐れながら、それでも世話だけはしてくれる家族。自分のせいで不幸になる家族を見つめつづける主人公。
ちょっとした事件とかでの、家族のとっさの対応とかがさ・・・
なんとも哀しい物語でした。
こういう設定だと、あれ以外のラストはないですよね。
いや〜、コアなファンがいそうな作家ですね。個性的でほんと、天才!
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ザムザという名前はきっと一生忘れられない。
虫が苦手な人は読むと危険。私もその一人。本当に救いがない話です。大学の授業で読破。
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ある日目を覚まして虫になってたらどうしよう…!
せめてカエルとかカブトムシとかクワガタとか人気のある虫でお願いします。
ゴキブリとかは嫌すぎる…!
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疑問点が2つ。
?主人公が褐色の毒虫になってしまうという設定をいかにしてカフカは考え付いたのか
カフカがユダヤ人であることとなんか関係があるのだろうか。作中で主人公グレゴールは毒虫となり家族からの嫌悪の対象になる。これが長年の間迫害されてきたユダヤ人と重なると考えられないか。
?主人公グレゴールはなぜあんなに冷静なのか。
自分が朝起きたら毒虫になってしまっているというのに物語序盤からその描写は冷静そのものである。
その冷静さが、リアルさが、逆に作品の不気味さを引き立てている。
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カフカという人を知らなかった。
チェコではフランツカフカ賞という文学賞があるくらいで、評価されているらしい。
「変身」は面白かった。目覚めたら毒虫になっていたグレゴール・ザムザの物語。その化け物がグレゴールだと知っても、かつてのグレゴールは死んだとして逃避する家族。人は心でなど繋がっていない、そんな希薄な関係性を読者に訴えているような気がした。それでいて最後の場面では、愛慕心を再確認するような感情が湧き出てくるようで…なにやら深い感じがした。奇想天外な物語ゆえに考え方は無数にある。
問題なのは、同時収録されていた「ある戦いの描写」。
読み進めていくと、さっきまでの物語が切り捨てられたようになり、脈絡なく別の物語に投げ入れられてしまう。
もうわけがわからん!と思って訳者あとがきからヒントを得ようとするものの、どうやら訳者でさえもわけわからん状態になっている感じ。この話を論理的に説明してみてほしい。
天才と称する人もいるが、"変態"的な才能なんだな、と思ってしまった。ゆえに他の著書になかなか手を出せない…。
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この話はどこで知ったんだろう…。中学の時にはもう知ってたんだけど。
ちゃんと読むと、虫の描写とか人の描写とか結構気持ち悪い。でも読んじゃう。
最後の終わり方は一見晴れているようだけど、遠くに目を凝らすと雨雲が見えるような、そんな変な気分になる終わり方で、考えさせられる。まあ家族が虫になったら、ああいう風に割り切るしかないんだろうね…。
でもこの「虫」と、家族の中で厄介者扱いされる、例えば要介護者のおじいちゃんおばあちゃんとかと重なる気も。考えすぎ?
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松山ケンイチさんカヴァーの、カフカの『変身』。
『カフカの変身』という存在を、PS2ゲーム『かまいたちの夜2』で知っていたため、ここぞとばかりに購入。
朝起きたら虫になっていた。そう、【虫】である。家族たちにそのことが知れ渡り、少しずついだかれていく不信感、嫌悪感。お互いに嫌悪と悲哀を浮かべるのである。そして最後には…。
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松ケン(笑)
ただ圧倒。後味がなんとも…。
カフカは他に断食芸人しか読んだことないから、色々読みたいなあ