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p30 非常時には、家族関係が改善と悪化にむけてハサミ状に両極化する
p34 女性 利害関係の絡まない繋がりが、豊富にある 「援助希求の回路」
p39 自殺率の低い地区 徳島県海部町 「病、市に出せ」 援助希求行動に対する抵抗感が非常に低い
p43 依存症は孤立の病
p50 精神病理学 木村敏 アンテフェストム ポストフェストム イントラフェストム
p63 「おちたらおわり」「東京タラレバ娘2」
p123 数学者でシンギュラリティがやってくると主張する人に、すくなくとも私はあったことがありません
p126 AIにも弱点、人間の能力に取って代われない部分がある 新井さんはそれは読解力だと指摘しています
p141 「麻薬と人間の100年」
p142 薬物を使用して依存症になるのは全体の10%
依存症になった10%を調べてみると、幼少期に虐待にあっていたり、ベトナム戦争の従軍経験があったり、過度な孤独に苛まれていたり、要するにみんな心に重大な問題を抱えていた。その痛みを和らげるために、麻薬の自己処方が習慣化してしまった
p146 ゼロトレランス政策をまるごと輸入した後に、そのままガラパゴス化してしまんった
p150 右脳左脳 ロジャースペリーの分離脳実験を誤読なしは拡大解釈してうまれた仮説 サイエンスで明確に否定された
p174 人間の体験にはピークエンドの法則というものがあって、一番しんどいときと、最後が記憶として強く刻まれる
p190 実は日本の同調圧力の本質は、「俺は得をしたい」ではなく、「自分だけ損をするのはいやだ」「人と違う状況になりたくない」なんですね
p207 現実には、子どもたちを複数のところに所属させるということには、社会的な抵抗が非常に強い。日本人がぬきがたく持つ「場所の論理」が、改善を妨げているようだ
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新型コロナウィルスにより、政府が、全国民に「ひきこもり」を推奨していた時にオンラインでなされた。
「ひきこもり」研究の第一人者の精神科医・斎藤環さんと、自ら望むべくもなく拘置所にひきこもった経験を持つ、元外務省主任分析官で作家の佐藤優さんとの対話。
面白かったです。
脳科学で、男性脳、女性脳に分ける言説も多いけれど、科学的には立証されていない、と書いてあって、ちょっとほっとした。あまりそういう分け方は好きでないので。
「差別も優生思想も意識的な啓発によって禁止しないと「野生化」するのです」斎藤p152
自分の中で知らず知らずのうちに差別を行なっていたり、優生思想に呑まれて自分や他人をジャッジしていたりすると、呆然とする。こんな自分に誰がした!と、吠えたいくらい。
気がついたら修正していくしかない。
多分、一生やっていく仕事ですねー。
第一章『鬼滅の刃』ブームにみる現代日本人の心の闇
第二章人はなぜ、人と会うのか
第三章危険な優生思想に蝕まれないために
第四章「同調圧力」と日本人
第五章息苦しい「組織」「学校」から解放されるために…
各章の終わりに「生きるヒント」としてその章のまとめが簡潔に載っている。
それにしても、表紙の似顔絵、似てますねー。
おふたりとも、好対照な、マンガのような顔をしてらっしゃいますよね。
猫好きのおふたり、いつか猫放談を期待しています。
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興味深い2人の対談。あまり批判的な読書はしないタイプの私だが、今回のテーマは仕事に関わる部分でもあり、えっ?そうかな?と思うところもしばしばあった。もちろん、納得するところも多々あった。考えて読むという体験ができたことが嬉しい。引きこもりはお金を使わないという箇所があったが、ん?と懐疑的にもなり納得するところもあった。私は訪問看護師なので、医師の介入があって初めて介入する。だから、その時点で医師の使う引きこもりとは違うのかもしれない。症度が違う、ということなのかなと思う。刑務所で土曜にものすごく甘いものが出されるという話には、くすっとしながらも納得。とにかく、私にしては珍しくよく考えながら、懐疑的になって読んだ本。良い読書体験ができて良かった。
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コロナ禍が明らかにした驚きの人間関係から、しんどい毎日を楽にする38のヒントをメンタルの達人二人が導き出す。
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作家佐藤優と精神科医斎藤環の対談。 コロナ後の日本の社会心理について。コロナの影響で働き方にリモートという選択肢ができて、人間の心理や社会も変わりつつある。リモートに慣れるとリアルで人に会うのが辛くなる。その状況を2人の識者が議論したのがこの本。全体的に話があちこちに飛んで、あまり印象に残る議論は無かった。例えば、コロナの状況を説明した鬼滅の刃の話も、このアニメを見ていなかったのでよく理解できなかった。二人の雑談という感じがした。
こういう理屈っぽい識者に会うのも、別の意味で辛いだろうなあ。
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コロナ関連で、専門でない二人の意見に同意できない部分もあったものの、佐藤氏の専門である宗教学や斎藤氏の専門である精神医学に関する部分はとても読みごたえがあった。
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現在のコロナ化において人に与えた影響を明らかにしようとする試み全般に及んだ対談本である。「人と直接会うことによるメリット・デメリット」のみならず、普段考えが及ばないことについての学びも色々あり面白い。
対面には人を巻き込む力がある、というのは誠にその通りかと思う。メール(テキスト)、Zoom、対面では、それぞれ利便性のみならず他人に与える影響度合いも異なるので、目的と関係性に応じて意識的に使い分けたい。
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対談本。鬼滅の刃ブーム、宗教における「会うこと」の意味、優性思想、同調圧力など、話題が多く咀嚼しきれないので、各章の箇条書きヒントに頼る。対面はストレスを伴いつつも、人と会うことで高まる不確実性が、新しい発見や展開を生み出しやすいという点は、感覚的に頷ける。一方で、会うたびにエネルギーを吸い取られるように感じる相手とは、リモート限定という選択肢が選べれば、必要な情報交換もしやすくなりそう。
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私にとって多くを学べる本でした。
対談形式ということもあってか、色んな話を知ることが出来て、勉強になりました。
「(外交などは)交渉の途中で物理的に遮断できてしまうリモートでは成立しない」(P81)と書いてあり、今の世界情勢を見ても考えることが多くありました。
また、リモートと対面の違いについて斉藤先生は「オーラ」を挙げてらっしゃいましたが、私は「空気(読む方ではなく、存在する方)」の有無もあるのではないかと思いました。例えば怒りながら「この書類は全然ダメじゃないか」と言われ、書類を机にバーンと打ち付けるように置かれたとき、そこから流れ出る、発生する空気の流れはその場にいないと感じない、というようなものです。肌で感じる空気の存在も暴力的だなと思いました。
あとは、引きこもりの年間使用額やオキシトシン、脳には男性脳も女性脳もないなどの話は興味深かったです。
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「題名」が良い。キャッチ―に引き付ける。コロナ禍は、それが起こる前からあった問題を可視化した。良い意味でも悪い意味でも。この二人の対談というのは異色ではあるが、それぞれの個性が、対話によって、良い意味で咀嚼され、外側に開いている。著者の一人である斎藤氏の著作は以前から多少は読んでいるが、オープンダイアログ前と後でかなり異なる。多様な人たちに満遍なく目が届き、それを外の世界と結び付ける。「ひきこもり」についてはもとより、脳科学と優生思想の親和性は興味深い論考であったし、ミーハー的に面白かったのは「鬼滅の刃」の解釈であった。最後に著者たちも述べているが、今の状況を忘れずにハイブリッドにしていくことが、コロナ禍後に生きていくのであろう。
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確かに会って話すと話が早い。誤解が解けやすい、互いの真意が伝わりやすい、正確な情報を共有しやすい、だから話が早い、効率的だと思っていた。
実は会うことは暴力だったんだ、という面は思い起こせば確かにある。上記の件も暴力的に誤解を解かし、暴力的に真意を伝えた、という面は無かったか?と言われれば、正直自信はない。少なくとも当方が折れた例では、あった、と言わざるを得ない。
人に合わないコロナ禍で得た新たな気づきと言える。
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帯だけ見ると「人に会わなくちゃいけないのか」と、人に会うことに疲れた人にはしんどく感じるかもしれないけれど、実際の内容は、人に会うと余計に暴力的なものを感じてしまう人もいて、そういった多様性を認めたほうが良いという内容だったので、人と会うのがしんどい人にこそ読んでほしいと思った。章末のまとめは若干雑だと感じたのと、ワクチンに関する意見に関しては賛同しかねたけれど、様々な経験を積んだお二人の対談がとても面白くて、あっという間に読んでしまった。
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なんとなくやる気が出ない原因は、人と会わないことによってもたらされているかもしれないという点に共感した。人に会わなくなって、「暴力」にさらされる機会は減ったけど、人に会わないと欲望が生じない。
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はるさんおすすめ
一言で言えば、
多様性を認めると言うことかな。
会いたい人もいれば、
会いたくない人もいる。
人に会った方が話は早い
でも、
人に会うことが暴力になる人もいる。
予想外の展開があって
自分の思い通りにならないからだ。
それでも、
人は人に会わないと始まらない。
自分ひとりで欲望が維持できず
生きる力がわかないからだ。
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なぜ人に会うのはつらいのか。人に会うこと自体が暴力性を備えているから。でもこの話はちょっとしか出てこない。対談なので、いろいろ出てきて、全体としてとても面白い。選択の自由を増やそうよ、なのかなあ。