紙の本
流行を翻弄する、鮮やかな手腕
2022/03/31 21:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
一言で表現すると、
著者ほどの人気作家にしか書き得ない、
反断捨離本です。
捨てることが日本世間の潮流となったと
みるや、アルマーニの言葉を援用しつつ、
それとは逆の視点を提供して本を売る。
実に商売上手だなあ、と思います。
投稿元:
レビューを見る
親鸞、浄土真宗の話しは、JR上野駅公園口を思い出した。浄土真宗は子供が多く、食べる為に外に出る。
捨てないでエントロピーが増加して死ぬのかな〜
投稿元:
レビューを見る
断捨離だけがすべてじゃない。捨てない生き方もあっていい。そんなメッセージだった。断捨離できなくて苦しんでいる方に読んでほしい。
投稿元:
レビューを見る
断捨離もいいけれども,それでホントにあなたの生活は充実したものになるの? という「捨てる」ことに疑問を投げかける本が出た! 著者は五木寛之氏,買わなければなるまい。しかも,この新書はマガジンハウスというところが出版した初めての新書らしい。
五木さんは,決して「捨てるな」と言っているわけではなく。そのゴミのようなものさえも,あなたに何かを語っているのではないかと言っているのだ。
あとがきに「もし,この瞬間に,身のまわりにあるモノをすべて捨てて,スッキリした空間に身をおいたとします。はたして,幸福でしょうか。」(本書p.194)と呼びかけている。さて,あなたはなんと答えるのか。
本当に大切なものだけを残せばいいのだという考えもあるだろう。でも,その本当に大切なものってなんなのだろう。どれもこれも,わたしの人生の中で必要だから手に入れて一緒に暮らしてきたモノだ。そのモノを失うことで,それに関する記憶も失ってしまうかも知れない。たまたま手に取った万年筆が,大学に行ったときに姉に買ってもらったものだと思い出し,そういえば…とその万年筆と共に想い出が蘇る。それが,老後の人生で「ムダな部分」だとは全く思えない。
本書では,宗教上のお話から戦争の記憶まで,幅広い分野について「モノを捨てる」という考察が繰り広げられる。著者の豊富な知識が縦横無尽に動き出す。読んでいてとても気持ちの良くなる,まだまだ生きていきたくなる内容である。
投稿元:
レビューを見る
「捨てない生きかた」も悪くない⁉️手に入れるのに苦労したとしても、たやすく手に入ったとしても、いまそこにあるモノには、手に入れたときの感情と風景、そして数年、数十年とともに時を過ごしてきた〈記憶〉が宿っています。 捨てるな、とはけっして言いません。しかしモノをどうしても捨てられない気持ち、そして、モノを捨てない生きかたということには、素敵な道理がちゃんとあるということを知っておいていただきたいのです。(「まえがき」より) 著者自身の「捨てない生活」から、仏教の「捨てる思想/捨てない思想」「この国が捨ててきたもの」まで、アフターコロナを豊かに生きるヒント
投稿元:
レビューを見る
人生百年時代、60歳からもまだ30年もあり、登山に例えると、下山はまさに成熟の時代であり、下山をどう生きるかが大切。
下山では景色を眺める余裕も生まれます。大切なのは回想と想像。孤独は決して後ろ向きなものではありません。成熟と言われる段階として、豊かな回想を生き抜く覚悟が必要。
なるほどです。
投稿元:
レビューを見る
「捨てない生きかた」も悪くない。
今、そこにあるモノには、手に入れたときの感情と風景、記憶が宿っています。
モノをどうしても捨てられない気持ち、モノを捨てない生きかたには、素敵な道理がちゃんとあると言います。
著者自身の「捨てない生活」から、仏教の「捨てる思想/捨てない思想」まで、豊かに生きるためのヒントがここにあります。
人との縁も捨てない。いったん始めた仕事も捨てない。書く力があるあいだは書き続ける。命ある限りは生き続ける。そんな感じです。 ー 21ページ
日本という国にも、こうした考え方はあてはまると思います。若い人たちや中年層、壮年層に支えられていた高度成長期は終わりました。世のなか全体が、林住期=白秋へ入り、遊行期=玄冬の時代へと向かっているのです。
しかし、これはけっして否定的に考えるようなことではありません。さらに豊かなものが待つ成熟期へと入った、と言うことができる。
人においても国においても、後半生を考えるということは、「成熟とは何か」を考えるということなんだろうと思います。 ー 61ページ
投稿元:
レビューを見る
五木寛之さんの作品、ブクログ登録は12冊目になります。
五木寛之さん、どのような方かを、ウィキペディアで再確認しておきます。
五木 寛之(いつき ひろゆき、1932年9月30日 - )は、日本の小説家・随筆家。福岡県出身。旧姓は松延(まつのぶ)。早稲田大学露文科中退。
現在、89歳になられています。
で、本作の内容は、次のとおり。(コピペです)
モノが捨てられない― それもまたいいではないか。
著者自身の「捨てない生活」から、仏教の「捨てる思想/捨てない思想」、「この国が捨ててきたもの」までを語り、モノを捨てることがブームとなっている現代社会に一石を投じます。
人生の後半生は、モノに宿った【記憶】とともに生きる黄金の時代なのです!
●ふえゆくモノたちと、どう暮らしていくか
●シンプルライフにひそむ「空虚さ」
●モノは「記憶」を呼び覚ます装置である
●「ガラクタ」は孤独な私たちの友
●生き生きと老いていく
●人づき合いは浅く、そして長く
●法然と親鸞が捨てようとしたもの
●過去を振り返ってこそ、文明は成熟する etc.
最近の、断捨離ブームに一石を投じるような内容になっています。
捨てなくてもいいじゃない、という考え方は、ホッとするものがあります。
投稿元:
レビューを見る
モノを見たときにマイナスの感情がでるものや、何も感じないものは、捨てて良い。
覚えていたくない、消したい記憶をモノと一緒になくしてしまう。
捨てる捨てないはすべて個人の自由なのだ。
投稿元:
レビューを見る
断捨離が流行る昨今、このような考え方もよいな、とは思う。
しかし、わが家はもう片付けなければいけない限界にきているのである!
投稿元:
レビューを見る
私も「捨てられない人」の一人です。昨今の断捨離ブームにうんざりしていたところに、この本のタイトルが目に入ってきました。「そうそう、それそれ!」とガッテンを連打したくなるくらいに、普段思っていたことを代弁してくれている一冊でした。
投稿元:
レビューを見る
捨てない生きかた
記憶と記録、歴史は要約、時代を抽象するもの
改めて歴史というものの 一面性を感じました。
勝者、生き残った側から見た正当性、それが歴史
年表なんだと再認識。
モノ、場所に記憶が付随している事を考えながら
これからの後半生を過ごしたいと思わせて頂き
ました。
投稿元:
レビューを見る
昭和7年生まれ、軍人勅諭も教育勅語も全文覚えていると言われる五木寛之さん、愛着ある「ガラクタ」は人生の宝物と。モノは記憶を呼び覚ます装置、モノによって蘇る自分自身の物語。「捨てない生きかた」、2022.1発行。捨てることの是非。断捨離全盛の時代に、敢えて捨てない生きかたを提唱される著者の生き様に共鳴します。確かに、ガラクタに溢れた部屋こそ自分の城です(^-^) なお、著者は捨てないという概念を人の生きかたから、国家のあり方にまで敷衍し言及されています。町に残された歴史の依代(よりしろ)、奥行きにまで!
捨てなくていい。服、靴、鞄、本、小物・・・。愛着ある「ガラクタ」は人生の宝物である。五木寛之「捨てない生きかた」、2022.1発行。モノは記憶を呼び覚ます装置。モノに囲まれる生活とは、記憶とともに生きているということ。「ガラクタ」に溢れた部屋は自分の城(^-^) 人は裸で生まれてきて、ゴミに囲まれて死んでいくw。
投稿元:
レビューを見る
五木寛之さん、捨てない生き方も悪くない、と。人生100年と言われる時代ですから、60歳から90歳の時代をいかに大切に生きるが問われています。そのためにも、様々な思いがこもっているモノは、欠かせないパートナーなのでは、と気づかれたようです。モノは、古い物語への依り代、ではないか、とも。モノに囲まれて暮らすことで、記憶を呼び戻すことができる、という所には、納得です。御年90歳の五木さんの呟きに、★四つであります。
投稿元:
レビューを見る
感想
モノに宿る記憶と情。誰から貰ったのか、なぜ壊れているのか。モノを眺めながら人生を振り返る。そんな機会を持つためにモノに囲まれても良いかも。