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副題についている三つの力とは「認知機能」「共感する力」「自分の頭で考える人になる」とういうこと。それぞれ、僕もとても大切だと感じている。もちろんそれは、小泉さんをはじめいろいろと読んできた中で感じていることだから、当たり前のことではある。本書は4人との対談で、どれも養老先生がそれぞれの専門家から話を聞くというかたちになっている。だからいつもの養老節はやや弱め。それでも、対談相手がみな養老先生を立てているので気持ちよく話はすすむ。だれか、養老先生に「それは違いますよ」とか言える人が出てこないだろうか。落合陽一郎くらいならあり得るか。いま、識者と呼ばれるような人の中では、やはり養老先生がトップだろうか。みな頭が上がらないだろうなあ。と、僕が勝手に思っているだけで、先日も、若い世代と話をしていたら、7人中5人も養老先生を知らなかった。僕もまた、あの「唯脳論」のと紹介してしまったのがいけない。なぜ「バカの壁」と言わなかったのか。僕が養老先生のギャラリートークをほんの1mも離れていなところで聞いたんだと興奮気味に話しても、誰にもその思いは伝わらない。(いや小6の男子が一人「すごい」と言ってくれていた。君が「すごい」。)いま、まえがきを読み返すと、「わずかな栄養を必死で摂ろうとするからこそ、根が広く伸びる」とあった。この話は自由学園の先生との対談の中で出てきたのだったろうか。僕がいつも思っている、戦前・戦中生まれの人たちが長生きしている理由にもなるのではないか。というような研究が出てきたと、最近どこかで読んだ記憶があるが、本書だったか、新聞だったか、ネットだったか、いまとなっては思い出せない。
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大人も心配!そんな残像を残す内容。巷で語られているネットの弊害について、個人の取り組みが必要だなとあらためて考えさせられる(本書でネットについて触れていたわけではないが・・)。
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「ケーキの切れない非行少年たち」の著者、宮口さんとの対談で話題にのぼった非行少年の5つの特徴のうち、「融通の利かなさ」「不適切な自己評価」の2項目が既に大人になっている自分にも当てはまるなあと感じました。
あと四章で紹介された「自由学園」のような学校が自分自身の学齢期にもしあったら学びたかったなあと思いました。
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2022.3.25
既視感があったのと、対談という形式上話題が散漫な印象だったが自由学園の話は興味深い。
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対談の内容は興味深く、ところどころに良い発言があって面白い。
が、それぞれが短く物足りなく感じる。
個人的には第二章が良かった。
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認知能力、共感する力、自分の頭で考える力が大切。それをしっかり身につけるために、実際の経験から学ぶ機会を増やすことは賛成だが、正直な感想として、自由学園まで突き抜けなくてもいい。校庭に花壇を増やすとか、教室で金魚を育てるとか、ちょっとしたことの積み重ねで違ってくるように思うが、どうなんだろう。対話相手:宮口幸治(児童精神科医)、高橋孝雄(小児科医)、小泉英明(脳研究者)、高橋和也(自由学園園長)。
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対談相手のセレクトが、今、話を聞きたい人として面白いと思った。
するする読めて、ふむふむと思うのだけど、読後、強く印象に残った話題が思い浮かばない。初めて聞く話ではないことが多かったからか。
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著者が4人の識者と子育てや教育について語り合う
いろいろな面から子育てや教育について考えることができた
対談相手や、話の中で出てきた人たちの著書も読んでみたくなった
子育てや教育は「こうやってあげれば、こうなる」という風に最初から答えがわかるものでもないし、簡単に答えが出るものでもない。
子どもを授かってすぐから「正しい子育て」を探し始めた。自分のやり方や考え方は正しいのか気になって仕方がなかった。
ある日、外遊びから帰って、嫌がる子どもに手を洗わせようと必死の私
「別にええんちゃう?そんなに嫌なら洗わんでも」
母の言葉に、私はふっと我に返った
それから、意識して「まあ、ええか」って思うようにしている
正しい子育てじゃなくて、まあまあで良い子育てを目標にしている
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養老先生と4人の方との対談だが、どれも興味深く素晴らしいフレーズがたくさん!
56
学力を伸ばす決め手となるのは、やはりモチベーションですね。
やる気を引き出すためには三つの要素が必要だと思ってまして、それは「見通し」「目的」「使命感」です。
74
「先生のあとにきちんとついていくか」「後ろの方でおしゃべりしながら、列を乱して歩くか」のどちらの行動パターンをとるかについては、遺伝的素因の影響をかなり受けるそうです。
89
「成熟した大人とは、共感する力のある人」だと私は思ってます。
104
義務教育とは、「子どもがイヤがっても、義務として学校に行かせる」ことではない。子どもがに学校に行きたい」と望めば、それを権利として認め、教育機会を与える義務が親にある、ということなんですよね。
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話題に上がる問題としては「少子化」「情報化社会」「ネット依存」「褒める教育の是非」「早期教育」などなど、目新しいことはあまりないですが、それぞれへの見解が非常に説得力があったり、切り込む視点が独特だったりして、大変面白かったです。
養老孟司先生は『バカの壁』の中でも「絶対的なもの」や「不変のもの」があると信じるような人をバカと言っていたが、それは現代人の多くが(僕含め)当てはまる病かもしれない。
「ネットに頼ると「負け続ける育児になる」」というのはすごい印象的だった。確かにネットに頼ることでつい「正解」を探すようになり、何でも「正解」があると思い込むようになってしまうのかも。
でも正解なんてないから、常に自分より正しそうなものがネットを見ると存在して、「負け続ける」。
他のテーマも面白かったので、気になる人は読んでみてほしい。
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一番心に残ったのは、子ども時代は大人になるための準備期間と捉えていると、いつまでもいまが楽しめないと言う話。その感覚すごくわかる。受験時や社会に出てから、日本における学歴の重要さを身をもって感じているので子育てにおいても社会人をゴールとした子育て競争という意識が抜けなかった。それだといつも比べて急いでしまうね。心から笑ったりいまを子どもと一緒に楽しみたいと思った。
なお三つの力とは、認知能力、共感力、自分の頭で考える力。自然の中で育てられるというのが養老先生の考え方。
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成熟した大人とは共感すること
やるきを引き出すための三つの要素
→見通し目的使命感
ネット社会の弊害
→無言化、孤立化、実体験の減少
死を悟ると子供は天使のようになる
幼少期は外に出て体を動かすこと
転ばぬ先の杖はしない
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第1章 「ケーキが切れない子ども」を変える教育とは
本当に困っている子どもは病院に来ない
ケーキを三等分できない子どもたち
勉強についていけなくなることが分岐点になる
梢神科では「知的隙害」はほとんど扱わない
IQを測る意義とは
認知機能に問題があることに気づく方法
保育園で気になった四枚のカレンダー
33 「褒める教育」への疑問
好かれる先生になるためには
「でも、あなたにも問題があるんじゃないの?」というセリフの危険性
感梢をコントロールするには
本当はみんな、自分自身からは目を背けたい
人との関係のなかで自分を知る
自分に注意を向けると、行動変容が起こる
絵が下手な子どもが増えている
人が幸せを感じるのは、人の役に立つとき
決め手になるのはやはりモチベーション
親は「安心安全の土台」と「伴走者」になることが求められる
第2章 日常の幸せを子どもに与えよ
述和感にいち早く気づくことが仕事
親には、本能的に「子どもの心を読み取る力」が備わっている
少子化で問題なのは、人口が減ることではない
ネットの過剰利用がもたらす「実体験の減少」
本気度の高い実体験が生む効果
適度なストレスのある状態に置いてあげる
子どもを変える辿伝子以外のシステム「エピジェネティクス」
エピジェネティクスによって「単眼症」が生まれることも
なぜ「利己的な辿伝子」説が広く受け入れられたのか
デジタル化以前に「梢報とは何か」を考えるべき
ネットに頼ると「負け続ける育児」になる
成熟した大人とは、共感する力がある人
自立とは何か?夏目漱石に学べ
後悔したくない症候群92
「いま」の喜びを体感できず、幸福が先送りされてしまう
「早期教育」に意味はない?
教師は、一人ひとりの「個性」に向き合おうとしなくてもいい
唯一残っている父親の記悩
義務教脊の「義務」とは何か
社会全体で子どもを育てる責任
第3章 子どもの脳についてわかったこと
まことしやかな「神経神話」
子どものころから「測る」ことが好き
fMRIと光トポグラフィの研究と開発
最近の脳科学に見られる傾向
「言語は器官である」は本当か
同じ人間をずっと追跡する「コホート研究」の始まり
一、二歳くらいまでは「吸めて育てる」のがいい
幼少期は特に、自然のなかに身を骰くことが大事
ネットゲーム依存者の脳で起きていること
「ポケモンショック」で脳のデータを取ると
しばらく前頭業の働きが止まった能楽師
何かに「押ダ中」になることと「依存」は違う
勉強とは、自分の頭を整理するために行うこと
認知症の予防・改普が期待できる「学習療法」
教育の最終目標
第4章 自分の頭で考える人を育てるー自由学園の教育
自由学園での講演で話したこと
外面的な成功ではなく、人間としての成長を頻う学園
このままの教育では子どもたちがおかしくなる
中学受験の難点とは?
「一年間に何を学んだか」を自己評��させる
学校のルールは自分たちでつくる
子どもは木に登りながら落ち方も学ぶ
子どもは外で遊ぶことが基本
少数派の立場に立ったリーダーの対応
自分たちでコロナウイルス対策の実証実験を行う
「個」でありながら、「集団の一員」であることも意識する
机と椅子も生徒自身がつくる
一人でいることを好む生徒もいる
体を持て余す日本人
植林を始めて七十年、生徒が植えた木で校舎を建てた
子どもは「人材」ではない
いつ、誰の役に立つのかわか
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最近新書を読んでいないな、と思い、書店に並んでいるものの中から気になるものを買ってみた。
対談集なので、テーマが分散しているものの、幅広いジャンルでの気づきが持ててよかった。
死期の迫った子供のエピソードは、悲しくなった。
成熟は共感力。本来なら成長しながら少しずつ身に付けるのに、急速に「聞き分けのいい子」になってしまうというもの。
子どもの自殺が多い理由を「幸せな瞬間が未来に回されるばかり」としているのは、そうかもしれないと思った。
そればかりではないだろうけど、「幸せ」を実感できないと、将来に待ち受けるものに対していいイメージは持てないと思う。
「子どもは人材ではない、人間である」の言葉は、『エッセンシャル思考』の「遊びそれ自体が本質的」を思い出した。
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子どもを電気自動車にたとえると、親は充電器。
充電器がこわらていたり、機能しないと上手く充電出来ず動けなくなる。
その通りですよねり