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アイドルを夢見るには少し歳がいっている友美。メイド喫茶でみくるという呼び名でアルバイトする日々。最低な彼氏、最低な同僚たち、芽生えたかに見えた友情も何もかも信じられない中でのたった1人の信頼が眩しかった。
エピローグでホッとしました。
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読み始めると続きが気になってどんどん読める作品。そして、作者のモモコグミカンパニーという人物が気になってどんどん惹かれていく作品。まだまだ、彼女の紡ぐ言葉に、物語に、その想いに出会いたい。
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※
アイドルに憧れた主人公。
夢が叶わずメイドとして働く中で、
人との関係や自分の存在価値に悩んで
どんどん自暴自棄になっていく。
いろんな事が投げやりになり、堂々巡りの
迷路を迷い続けた先に何が見つかるのか。
今日より明日、明日より明後日が
ほんの少しでも良いように変わっていて
ほしい、そんな気持ちになります。
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おもしろかったし、どんどん読み進めることができた。
構成も良かった。
モモコさんの本だって忘れるくらい集中して読んでた。
190ページの「来世は、もっと細くて可愛い女の子に生まれて、"選ばれる"人間になれますようにーー」ってとこがすごく切なかった。
麻由子は途中ほんとは良い子なんだなって思ったけどやっぱ裏切った
圭めちゃくちゃ怖かった。けどハルトが圭のことを子どもっぽいって言ってたのはすごく共感した。
個人的には友美とひろやんと結ばれて欲しかったな〜
最後はどうなるかハラハラしたけど、友美が元気そうでよかった。
友美には幸せになってほしいな。
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BiSHのモモコグミカンパニーの書いた小説
登場人物たちは誰ひとり、キラキラしていなく、恋愛関係(人間関係)もうまくいかない。
皆、何か満ち足りなく、”本当のこと”を求めているが、いつまでも手に入らない。現実の自分はちっぽけで醜い。
登場人物たち夢中になっている恋愛対象は、皆相手から重要な存在として扱われていない。
報われない恋だからこそ、恋の純度が上がるというような耽美的な意味でもない。
メイド(アイドル)とファンの関係と二重写しになる。
虚構であるからこそあこがれられ、虚構であるからこそ手に入らない。
虚構と現実とのギャップ=生きることの辛さが突き詰めて書かれている。
また、登場人物のキャラがしっかり立っている。
しっかり関係性を整理して、物語の流れやテーマを計算してキャラ設定されているなと思うのと、
もう一点は、モモコさん自身の実感がキャラクターに投影しているから、キャラクターが生きているのだと思う。
最後の方の「ひろやん」と「友美」のやりとりは、モモコさんの中に存在する違う立場の2人が思いをぶつけあっているようが感じがする。
なので、とてもリズムが良く、迫力がある。
「ひろやん」が「みくるん(友美)」に切実な想いを語る。
生きる意味を感じられなかった、消えてしまいそうだった「ひろやん」のことをメイドであった「みくるん(友美)」救ってくれたという感動的な想いなのだが、その想いは友美にとって重荷でしかない。
モモコさんが、アイドルになったきっかけは、「自分が変わりたかったから」と言っている。
それは、自分が生きていることを感じられないもどかしさ生きることへの違和感だったのではないか。
「ひろやん」の以下のセリフが重なる。
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「ねえ、みくるん。僕は生きるのが怖くて怖くてたまらなかったんだよ。人から拒否されるのが怖くて。傷つけられたくなくて。生きることは僕にとって、紙やすりで身体を削られていくみたいなものなんだよ。」
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また、自分の想いを投影する側と、投影されること(自分を規定されて、押し付けられること)の気持ち悪さ、違和感。が鮮やかに描かれているシーンが続く。
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「僕は、真っ暗なトンネルの中に独りきりでいるみたいだった。そんな僕にとって、みくるんは光だよ。僕の生きる意味だよ。みくるんだけだったんだ。僕を受け入れてくれたのは。僕の味方になってくれたのは。みくるんに救われたんだ。みくるんが僕の一部になってから、僕は前よりずっと強くなれたよ(中略)だから、ありがとうみくるん。本当に、ありがとう」
そう言って微笑みかけてくる彼の顔はあまりにも歪で、友美は思わず目を背けた。
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また、
女性作家だからこその、女性キャラの性格は複雑で立体的、男性キャラはある程度類型化されていて平坦という傾向はあるかなと思った。ここはそのままで良いと思う��(作家の持つ作風に近いことなので)
文章自体が、エッセイの時のように、少し論理的、解説的になっているように感じる表現もあった。
最後の方のクライマックスのように迫力があり、小説的な表現も多々繰り出しているので、だんだんと小説を書くなかでも小説力が増していっているのだなと思いました。
BiSHファンとしては、アイドル活動も忙しい中、ここまでの長編をしっかり書生き切ったモモコさんに感服です。
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コンプレックスを抱えながらも自分の夢と好きに忠実である主人公が、周りからの蔑みや心無い言葉に耐え、迷いながら奔走する物語。これをBiSHのモモコグミカンパニーが描いたというから驚きである。
肩書を思い出さなければ、まったく気付かないほど小説に没頭してしまう没入感があるし、本人と重なって思える部分もない。ココロがぐちゃぐちゃになるさまもうまく描かれていて、面白かった。
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人間関係のドロドロとした感じが読み手の手をどんどん加速させていく作品でした。
たとえしんどくても、自分のことを待っていてくれる人を見捨ててはいけない。きっといつか自分は報われると信じてこれから頑張っていこうと思います。
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人物像や情景を描くことが上手くて、とても読みやすかった。
失望、嫉妬、嫌悪、裏切り。これらの感情は一見して汚らわしい感情だと認識されがちだけれども、人間として生きていく上で当たり前にある感情のひとつに過ぎない。
他人のため?自分のため?誰のために生きるのが正しいのか。
生きるということは難しく、夢を持って生きるのはなお難しい中で、本当の自分として過ごせる居場所を見つけようとする人間たち。
失望した時に、次へ向かうためにはどう切り替えていくのか。どう前を向けるのか。
「生き方」「夢」についてより考えさせられた一冊。
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他のアイドルには絶対に書けない内容だと感じた。そして、それをモモコさんが書いたのが驚き。さすがBiSH。この女性のドロドロは男には書けない。ぐちゃぐちゃな恋と気が狂った嵐のような出来事は理解するのに必死だった。ひろやんの言葉が刺さる。友美は結局、華やかなアイドルにはなれなかったが、おそらくひろやんと出会えて自分の価値と居場所を見つけることができたのかもしれない。
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友美みたいに誰にも言えなくなっちゃうのはすごく共感できた。ただ、最後まで友美は何も成長しなかったなと思った。
麻由子はだいぶ酷いけど友美も友達よりもクズ彼氏を選んでるから結局自業自得なのかなと思った。
麻由子はどう考えて翔也と付き合ったのかすごい気になった
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今っぽいスピード感のある会話描写で、すごく勢いよく読んでしまった。めっちゃ面白かったし、題材も全然身近にあるもので、想像つきやすい内容だったんだけど、もっと友美や麻由子のことを知りたかった。
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BiSHのメンバーが書いたということで気になって読んでみました。
アイドルを夢見てメイドカフェで働いている、みくる。同じメイドカフェにいる可愛くて人気もあるリリア。みくるの彼氏、リリアの彼氏、みくるの唯一のお客さん…みくるを中心にした人間模様がリアル。メイドカフェには行ったこともないけど、さりげないマウントとか羨ましいと思われる生活がしたいとか、なんか…わかる。
いいねが欲しくて本当に自分が望んでいることがぼやけてきているんじゃないかと思う。みくるが本当にアイドルになりたかったのか、読了後に改めて考えた。エピローグも気持ちの良い終わり方で良かった。
BiSHもアイドルだと思うけど、現役アイドルがこの作品を書いたのかと思うと、すごいなぁ。
なんだかんだで『可愛いが正義』という場所はどこにでもあるよね。
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アイドルが書く、アイドルになれなかった女の子の話。片親・姉妹間の人間性の差など家庭的・精神的に不安定な女の子が、如何に極端な思考を有しているのかがよくわかる。麻由子の言う「世間的な幸せ」を手に入れられないような異性に縋るあたり、身につまされる思いになった。
そして、確実な「かわいい」を持つ麻由子が、たとえどんなに大変な思いをして生きていても、如何に生きやすそうかもよくわかった。二人への翔也の態度の差、友美が翔也と麻由子の画像を晒した後のSNSの反応…。友美が「二人が(麻由子が)苦しめばいいのに」という思いから動いたこと全て、麻由子が庇われて自分が加害者のように扱われるところも共感できた。(もちろん友美の考えなしに発言するところや、極端すぎる思考、行動が悪いときもあるけれど)
女子ならではの思考やルッキズム、さまざまなところに思考を巡らされる一冊だった。
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元BiSHのモモコグミカンパニーさんの小説デビュー作。
展開が面白いし、どうなるの!?というドキドキ感であっという間に読み終えた。
面白かったけど、ラストが小さくまとまりすぎて、少し拍子抜けしてしまった。最後まで突き抜けて欲しかった気持ちがある。
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わたしは今までもこれからも、きっとアイドルになりたいと微塵も思わない人生だろうから、そういう部分ではあまり共感できるところはなかったし、登場人物も好きになれる人が一人もいなかった…でも暗くて、ドロドロしてて、ある意味人間的で、面白かった。(2023.5.)