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前半は失踪した珠緒の周辺人物の証言が続く。ここが とても読みにくかった。
第一部が 事実、第二部が 真実。事実は実際に起きた事柄、真実はその事柄に対する解釈が入るということらしい。なるほど。
結末知りたさに ぐいぐい読み進めたが、『罪の声』ほどの感動はなかった が正直な感想。
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人気ゲームのクリエーター辻珠緒が行方不明。ライターの大路は彼女の過去を追う。京大卒で都市銀行で総合職として働いていたのに金持ちと結婚、離婚の後ゲームの世界に身をおいたと思っていたら、過去を探ると色々と出てきた。悲惨な子供時代はどのようなものだったのか。
途中まですごく読みにくい。何人もの人にインタビューするので、誰が誰だか分からなくなる。途中でやめようかとも思ったのだけど、たどり着いた真実は良かった。最後まで読んでよかった。(ただストーリーと関係ないディテールが多いなと個人的には思った)
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ノンフィクション形式に寄せて女性三代の人生を描いた力作。1部2部の関係者の証言で次第に事実真実に近づき…序章と終章が繋がるという形式は面白かったが最初の方は登場人物が多くて関係が整理できなかった。『罪の声』ほどではありませんでしたが読み進めていくとはまってきます。
重要な場所となる雄島は何だか記憶にあるなと思ってましたが、読後にずいぶん前に訪れたことがあるのがわかりました。
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物語の始まり、つかみは芦原温泉での火事の話で引き込まれたが、だんだん登場人物が増えてきてややこしくなってきた。罪の声と何処となく似ている。
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たぶん、新書だったかな…ここ2~3年で読んだ本で、親の学歴と子供の学歴の比較の時代変遷のグラフを見たことがあります。簡単に言うと昭和は子供の学歴が親の学歴を上回るのが大多数であるのに比して、平成に入ってからは親の学歴に至らないことが急増している、というものでした。格差の増大と社会流動性の喪失が可視化されたものとしてショックを受けました。(出典、忘れてしまっているのもショックです…)小説の世界では「社会的階層を這い上がっていくモノ」みたいなジャンルがあると思っています。映画「陽のあたる場所」の原作の「アメリカの悲劇」とか。今年没後30年を迎えまた時代に召喚されつつある松本清張がその日本代表かな。「砂の器」とか「ゼロの焦点」とかとか。しかし教育による社会階層の流動性が見えずらくなっている今において「這い上がりモノ」の説得力と共感は難しくなっていると思います。そこを敢えて挑戦したのが、この小説だと思います。主人公を女性にしたこと、1986年の男女雇用機会均等法の導入を物語の軸にしたこと、90年代のITバブル、とりわけゲームという新しいフィールドを舞台にしたこと、そして2000年代に入って大きく顕在化した依存症の問題も取り込んでいること、同時に昭和にはなかったキーワード、DVによって物語の原点を照射していること、なかなか盛沢山な社会的トピックを繋ぐことによって令和版「砂の器」を成立させています。いや冒頭の災害がすべての鍵だなっているところは令和版の水上勉「飢餓海峡」か。社会年表の外のテーマでありますが女系三代のクロニクルであることは実は大きな現代性なのかも、とも感じました。「毒親」や「親ガチャ」のように親との関係性を客観視する時代において、この母から娘への血の濃さはファンタジーであるようにも思いますが、もしかしてリアルなのでは、と。1987年のパルコのコピー「母と別の道」を思い出しました。そして2022年「別の道」の先にあったのは、結局、ぐるっと回って家族の問題であった、というのがこの小説の主題であると、受け取りました。
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初塩田武士
登場人物の相関が難しくてごちゃごちゃになってしまった。
もうすこし集中して読めばよかった…
壮絶すぎてリアリティはあんま感じなかったかも。
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証言によって外堀から対象者とある意味事件をあぶり出す手法。
最後に事実が明かされる。
しかし途中まで証言が中心でなかなか核心に迫らず、飽きてしまって飛ばして最後を読むことになってしまった。
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第一部は大路のインタビューに応える各人の証言をそのまま文章化。状況や背景、事件の肯綮等が掴み難く、登場人物の繋がりも逐一紹介表で確認しながらの読了。残念ながら物語に集中できず。
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22/06/04読了
前半が証言、後半がその合間を埋めていく構成。面白かったけど、なんかよくわかんないな、てとこも多かった。
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久しぶりの塩田武士作品。
インタビューによって少しずつ真実が見えて来るのが、気持ちよかった。
芦原温泉は何度か行ったことがあるので、そこが舞台になっているのが、読みやすかった。
火事の怖さを感じた。
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インタビューを通じて、ぼやぼやだった「珠緒」という人物の輪郭がくっきりしてくる。知らず知らずのうちに彼女のイメージが塗り替えられる。人間の人に対する印象はこうも簡単に変わってしまう。
バラバラだった情報を体系化するのは記者のすごいところだなあと
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2022.6.20読了。
令和に蘇った、松本清張ばりの社会派小説(作中で言及があるのは本田靖春の名だが)。
無数の証言により不在の人物のキャラクターを浮き彫りにする手法、祖母-母-娘と繋がる三代の女性を描くことで時代性を剔抉する手腕、ともに見事で読み応えがあった。
だが、クライマックスの2時間ドラマばりの舞台立てはご愛嬌と許せたが、核心となる失踪の動機にはやや物足りなさを覚えた。厳密には自分の罪とは言えない犯罪にどこまで負い目を持つのか。愛する家族を庇いたかったということかもしれないが…。
また、主人公の祖母が興信所を使ってまで求めていたものや、犯罪に対する贖罪のない(落とし前をつけない)結末は、説得力に欠けると感じた。
作劇の要請上仕方のないことなのか、ディテールの圧倒的なリアリティに比して、物語の中核に詰めの甘さが残ってしまっているように思う。
それにしても、新井見枝香氏の書評に誘われて手に取ったが、彼女にとっての本書は唯一無二性といったらないと思った。
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とても緻密に描かれた取材記録みたいな小説。罪の声ほど揺り動かされなかった。あまりに記録的で盛り上がりにも欠けたし、何より登場人物に共鳴出来なかった。
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ライターの大路が父親の頼みで祖母が興信所に依頼していた人物の調査を始める。現在行方不明となっている辻珠緒を知る人々へのインタビューで浮かび上がってくる祖母、母、娘三代の壮絶な人生。芦原温泉を舞台に始まり東京、京都と場所もあちこちする。インタビューの内容の語り手の事実と真実の違いなどどんどん変わっていく珠緒の印象。女性であることの呪いのようなものが胸にせまってきた。
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『弟切草』や『かまいたちの夜』は自分の世代だとちょっと時期がずれる、が話題ゲームだったのは知ってるし、ちょっとやってみたけど自分には合わなかった。そのころにはファミコンは卒業していたので作者のプロフィールを見ると、ああ、納得といったところだ。文中に説明はあるも、まったく世代じゃなかった人にはなにこれ?と置いてけぼりを喰らう。この小説は当時のサウンドノベルゲームを意識したような構成でいわゆるアドベンチャーゲームだ。いろんな人に話を聞いてヒントをもらいフラグをたてて進めていく。だから無駄に登場人物が出てくるし、ずーっと会話調が続くので読んでいて疲れる。~の証言と~の取材も同じじゃないのか?無駄に多い節も面倒だった。話全体像がまとまるまでにページを使い過ぎているから後半までの間延びがずーっと筆者のターンが続いているような感覚で読者を楽しませてくれない一方通行な印象だった。当然作者も風呂敷をどーんと広げていったのでで、結局どうだったのよってオチが小さく小さくまとめられて、いるいろと抜け落ちたまま終わった。前作の『罪の声』と同様の感想で自分には合わない作風・作者だなぁと納得した。