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終始、不穏な空気が漂う。
主人公・三上咏子は毒親の両親とは絶縁状態。
地方都市の一戸建てで夫と息子、娘と生活を送るパート主婦。
反抗的な言動をする高校生の息子に鬱屈とした思いを抱えながら日々過ごしている。
そんな中、連続爆発事件が起き咏子は不安に駆られ…。
家族をテーマにしたサスペンスかと思いきや、そこに関わって来るのは外国人労働者問題。
何気なく毎日を過ごしていると決して知り得ない隣人たちの苦悩。
不確かな情報を鵜呑みにし、彼らを攻撃する名もない輩に怒りを覚える。
だが彼女が知らなかったのは隣人だけではなかったようだ。
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どんよりとした空気が最後まで払拭できないままに、ずーっと嫌な気持ちを引きずった状態で読了。難しい年頃の我が子との関係に悩む母親が自分の生き方を反芻しつつ、逃げずに立ち向かう姿と対照的な父親に愕然。結論が出ないままにうやむやになってしまった。誹謗中傷と外国人労働者、難民盛り込みすぎの感。すがすがしいあさのあつこさんの本を期待していただけにがっかり感が半端ない。。
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児童文学を超えて、大人も読むべき作品。外国人労働者と外国人差別、気付かずうちに自分も差別する側にいるのではないかと考えさせられる。道で倒れたおじいちゃんをコロナを理由に助けなかった話から暴行を受ける外国人を助けない話を重ねて、自分の立ち位置を考える。
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考えずにいる、知ろうとせずにいると、波風は立たず楽ではあるが、それはほんの表層のことなのだと思い知らされる。
目を逸らさずに向かい合わなければならないことは、人生には山ほどあるのだ。
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人事部の部長代理で人員整理の矢面に立たされている三上丈史、妻でパート勤務の咏子、高1翔琉、小3紗希の家族を描きながら、外国人の雇用、外国人の犯罪、日本人の犠牲、外国人へのネット上のヘイト、外国人への暴力、難民支援組織などを問題提議した作品。一気に読了しました。あさのあつこさん、久しぶりです。さすがと思いました。「彼女が知らない隣人たち」、2022.3発行。
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咏子は夫、高校生の息子、小学生の娘と4人で
幸せな家庭を築いていた。
思春期でなにも話さない息子の対応に悩みながら
娘が肥満気味なことに心を痛める日々。
ある日、静かな街に爆発音が響く。
そこから彼女の日常は大きく変わっていく。
P77
〈人の暮らしには差がある。
住む世界がどんなに違っても人は人だ〉
咏子と彼女の友人を通じ
日本で暮らす難民、技術実習生の現状を丁寧に伝えてくれる。
いつも見ているSNSでも、いろいろな意見が飛び交っている。
ただ、なにも知らず一方的に避難するのはどうだろう。
なぜ日本で暮らすことになったのか。
知ることから始めたい。
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初出 2020年7月〜21年8月「しんぶん赤旗日曜版」
コロナ禍での在留外国人を取り巻く問題を、ふつうのパート労働の主婦の視点で捉え、周りにいる差別され攻撃される人、支援する人、差別・攻撃する人、それを肯定的に傍観する人も登場し、自身が抱える生い立ち、家族間のわだかまりなどもあって、けっこうハラハラ、ドキドキで展開し、けっしてハッピーエンドではないけれど、希望が見える。
それにしても、自分が正しいと思い込んでいる無責任なネットのヘイトには、とっても腹が立つなあ。
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面白かった。
我が子を疑うきもち、わかるなぁ。
そんな危ないことしないで、と思いつつ、そうかもしれない、と不安になる。
いちばん最悪のパターンを想像してひとりオロオロする。
思春期の男の子とどう向き合えばいいのか、分からないのも共感。
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辛い子供時代をすごしたぽい主人公だけど、どこか世間知らずな感じがあってチグハグ。
優しくて全うな考え方できて、人の気持を思いやれるけど、自分とは違う考えの悪い人もいるって事がまったく理解できてない。
こういう人もいるよね…くらいの事、考えられないかな??
驚いたときに「ま…」っていう?
そこがすごく違和感しかなかった。