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学園青春ミステリーですね。
主人公の百瀬花音は女子バレーのエースだったが怪我のために部活が出来なくなる。折しも通う高校、野亜高校の体育祭が週末に行われる。クラスの図書委員から頼まれて体育祭が終わる一週間だけ代打を引き受ける。
図書室に出向いて、図書委員の俵朔太郎と図書当番をすることに成るところから物語は始まる。
十年前に貸し出された本がカウンターに返本されてきた謎、その本「飛ぶ教室」に隠された野亜校の体育祭、通称『土ダン』(土曜日に開催されるダンス)に関わる謎が膨らむ。
名取さんの物語は登場人物がしっかりと書き込まれていて、物語の進み方も丁寧で、主人公と一緒に謎解きと高校生活を体現している気分を味わえました。
名取さんの作品は人情味が豊かで心に温かさをもたらしてくださいます。
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netgalleyにて読了
「図書館」や「図書室」とタイトルにある本は、仕事がらどうしても気になる。
名取佐和子さんの作品では「江の島ねこもり食堂」が有名だと思うが、未だ未読の作家さんだった。
藤沢市の辻堂でお育ちになったからか、湘南が舞台の作品が多いようだ。
この「図書室のはこぶね」は、軍艦が浮かぶ海を見下ろす高台にある県立野亜高校が舞台となっているが、軍艦と聞いて横須賀かな?と想像した。
しかも横須賀には野比という地名がある。
いやしかし違う違う。
タイトルにかけているのか〜、と思い直した。
タイトルからもう伏線が張られているこの作品、
主人公はバスケに青春の全てを捧げた三年生の百瀬花音。
部活で負ったケガのため、高校最後の体育祭に参加することが出来ず、準備に忙しい友人に代わって本番前の1週間、図書当番を引き受ける。
三年間で一度も足を運ばなかった図書館での委員代行が、花音を思いもよらぬ謎解きへと導く…。
その謎解きとは…
10年前に図書室から借りられたまま、返却されなかったケストナーの「飛ぶ教室」と野亜高校体育祭のメインイベント「土曜のダンス」、通称「土ダン」との関係が浮かび上がる…。
かつての高校生と現役の高校生がタッグを組み、そこにある壁を壊す。
よく言う陽キャと陰キャの対決かと思いきや、もっと深い物語がある。
脇を固める人物達も魅力的。
現役の高校生だけでなく、未来の高校生、かつての高校生、全ての人に読んでほしい。
2022.3.18
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一冊の本と、10年前の謎
というフレーズが気になり、手に取った一冊です。
図書室のはこぶねってタイトルもなにを運ぶのか、もっているのか分からず、わくわくしながら読み始めました。
結果、想像していた内容とは違いましたが、様々な場面に隠された伏線が最後、綺麗に回収されていて、スッキリしました。
この中で紹介されていた本も読んでみたいな。
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はじめはつまらないなと思いながら読んでいたけれど、途中からこの物語に引き込まれた。
10年前のみんなの想いには泣けた。
みんなが楽しめるってすごく大事だ。
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あまりに面白くて、一気読み!
一冊の本と、過去をめぐる謎。
図書室を舞台とした、最高の青春ミステリーです。
謎を呼ぶ一冊の本、がケストナー「飛ぶ教室」なのが、なにより、最高なのです。「飛ぶ教室」とセット展示して、子供たちにおすすめしたい!絶対に、したい!!
お話の楽しさはもちろんのこと、過去の名作を手に取るきっかけまで与えていただいて、本当に嬉しい。ありがとうございます。
そして、学校司書と司書教諭を明確に書き分けてくださったのも、とても嬉しかったです。
学校図書館ならではの蔵書管理や図書委員さんの掛け合いなど、学校司書として、嬉しい内容がてんこもりでした。
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青春ミステリー。
途中まで面白かったけど、私が青春小説にそんなにハマれないせいなのか、最後の方は飽きてきてしまった。伏線回収部分は予想できなくて、なるほどそうだったんだ〜って思ったけど、それ以外の結末はオチが見えてきて、読むスピードが失速してしまった。私が体育祭とか学校行事に興味なかったせいかな…。
でも、この本に出てくる「飛ぶ教室」と「火星の話」は読んでみたいと思った。
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久しぶりに自分にとってクリティカルヒット!と思える本に出会いました
登場人物みんなが魅力的で、青春ありミステリーあり社会問題あり大人も子供もまさしくごった煮な内容なのに、きちんとまとまってて読みやすいし泣けるし夢中になれるしで読んだあとの達成感とかスッキリした感じはなかなか味わえないものです
学校はそもそも「みんなで同じことをするのが目的」の場所であってはならないし、ヒエラルキーを産んでもならないと思う
そして社会も、誰もが平等に、なんて言わないけれど、誰もが各々に楽しめる仕様ならいいなと気付かされました
その為には私ももちろん誰もが思いやりと思慮深さと少しの行動力を持って生きていくことが大事なんだろう、と、読書感想文みたいなシメで終わります笑
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野亜高オリジナルの検索機、面白くてとてもいい!身近な図書館にも欲しい
10年ぶりに見つかった『飛ぶ教室』、花音がその謎を野次馬的に楽しもうとしていた時は入り込めず…
謎に関わる人たちの思いを感じて、真剣に取り組み始めてからは一気読み
「いじめ」という言葉で済ませたくない朔太郎の気持ちが伝わってくるのツライ
“気づける人”が近くにいることの有り難みを強く感じた
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徐々に引き込まれていく、青春ミステリー。
10年前に貸し出されたままの本の謎から始まり、体育祭を控えた沸き立つ校内で起きるドラマ。
バレー三昧で、足の怪我のため体育祭も出れずに友人の代わりに図書当番を引き受けた百瀬花音も図書室の存在すら頭の片隅にも無く高校3年になっていた。
そして、一冊の本に挟まれたメモから謎を解明していく…
多数派にはなれない人間が感じることは、どこへ行っても居場所は無く、除外される。
そうなると…逃げ込むのは、図書室で。
「全員で楽しもうと謳う行事は、全員で楽しめる環境を整える必要がある。」
このことばに尽きると思う。
そして、出しゃばらず、遠すぎず、くだけすぎず、ちょいちょい的確な事を言う司書の伊吹さん。
彼女が、初代の女性生徒会長であり、ベイ・シティ・ローラーズの熱烈なファンで体育祭の1日をお祭り騒ぎで楽しもうと始めたこと。
確かに自分の高校の頃もベイ・シティ・ローラーズが、流行ってたなぁ。
伊吹さんと同年代かも…。
いろんなことを思い出し、そして、時代とともに変わっていくこともあって、一番は、みんなが楽しめることなんだと。
感動できる一冊だった。
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一冊の本と10年前の出来事をめぐるミステリー。ミステリーだけど文章が柔らかくてどんどん読めた。出てくるキャラクターが魅力的で最後まで楽しめた。
「みんなが楽しむためには、みんなが楽しめる環境を整える必要がある」
誰も置いてけぼりにしない仕組みを作るのは大変だけど大事にしたいね。
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突然戻ってきた10年間行方不明だった『飛ぶ教室』。間に挟まった紙に書かれた謎の言葉。
10年間同じ子に告白し続ける朔太郎のその告白の理由。
体育祭の名物、学校全員が仮装して踊る土ダンと、その女装を拒否するミルクティー色の頭の少年奈良君。
体育祭実行委員長、生徒会委委員長、図書館司書、担任教師を巻き込んでの謎解きに、ドキドキしながらついていく。
「みんな一緒にやることに意味があるので」、「ずっと続いていることなので」、「規則なので」、そういう「きまり」の中で本当の意味での「伝統」を作り上げていくイマを生きる彼ら。
彼らに必要なのは過去ではなく未来でもなく、今、ここにいるこの時。
「みんなで楽しむためには、みんなが楽しめる環境を整える必要があるんだ」という言葉を十代で体感できた彼らの幸せを感じる。
そして「そもそも知識も品もない人間のからかいごときじゃ、トラウマにはなりません」という奈良君の言葉の重みが心に滲みた。
とりあえず『玄関の覗き穴から差してくる光の世に生まれたはずだ』を読んでみたい。
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もっと図書室感がある話かと思っていたが。
高校でダンスといわれたら、登校拒否になったかも。土ダンとはいかにもゴロ悪いし。
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軍の基地に隣接する県立野亜高校、艦船が浮かぶ軍港を見晴らす北校舎4階の図書室で10年前の未返却本「飛ぶ教室」が戻るがそこに謎のメッセージが挟まれていた。体育祭を1週間後に控え名物の伝統種目「土ダン」の準備に忙しい校内、怪我で楽しみにしていた高校最後の体育祭に出られない元女バレで図書当番代打の百瀬花音と図書委員の俵朔太郎が10年前の謎に触れ「方舟」が動き出す。
魅力的な登場人物、見事な伏線と回収、謎に包まれた過去と現在がリンクする。
たった1週間の謎解きと青春を描く切なくも爽やかな物語。
★★★✩✩ 3.0
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一冊の本が、10年の時を経てかつての高校生と今の高校生をつないでいく。本の謎を解き明かしていくことが、学校行事の伝統・在り方へ一石を投じる源流となり、誰一人取り残さない新たな方舟計画が現実のものとなる…。
単純な青春もの、と片付けたくない内容に引き込まれ、スルスル読み進められ、素直に面白かった。
登場するオリジナル蔵書検索システム〝本ソムリエ〟なる代物、実際にあったらいいなぁと、真面目に思った。
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司書の伊吹さんと多分同世代の私が読んでいいのかなって最初は思ったんだけど、なかなかじっくりと読み応えはあったと思う。自分にも高校生の頃があった。もっと楽しく満喫できたはずだと思うのは、歳を重ねた証拠です。
若い方も年配の方もその間の方も読んでみてください。