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中村さんらしい、謙虚で、でも芯のある、心に響くベンチャー投資の教科書だった。
ハンズオンという上から目線の認識のVCは成功しない。
VCのハンズオンを必要とするようなスタートアップに投資する価値はない。
VCは自分の価値を営業する仕事!
起業家には本業に集中してもらい、彼等がやって欲しい周辺の仕事を担うのがVCの役割。
起業家の目の輝きやカリスマ性、熱意を見て投資を決めるVCなんて、ない。
ひと目見て革新的だと判断できるサービスなんてほとんど存在しない!目利きなんてない!!
スタートアップを評価するのに大切なのはビジネスの実行力と競争力!
実行力の源泉は強いマネジメントチームの存在。必然的に平均年齢は高くなり、レファレンスチェックは欠かせない。
競争力を定量化する最も重要な指標はユニットエコノミクス。サービスが一単位売れる事でどれだけの利益が出るかを示す。
本当に良いサービスが、その分野のことをよく知る人々から否定的な評価を受けることも珍しくない。なぜなら、業界の常識では考えられないビジネスモデルだから!
米国のVCは、イグジットのときの優先分配権の倍率を1倍、優先分配後の残高分配に参加しない「非参加型」が、一般的。しかし、日本は「1倍以上、参加型」が一般的。投資家の取り分が大きく、二重取りなので、投資家の側から、早期イグジットのインセンティブが働いてしまう。これでは、日本では有能な起業家は頑張らない!海外に逃げてしまう!!!
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序章
カウフマンの教室にて
起業家が持つ真の魅力
オリエンテーション ベンチャー・キャピタルの基本
さまざまな投資家の形態
スタートアップの成長と投資ステージ
第1章 ユニコーンを見つけるレンズ
評価する2つのポイント
実行力の評価
競争力の評価
競争力の要因分析
第2章 ユニコーンの将来予測
なぜ解約率は上がるのか
コホート分析
過去の実績と将来の予測
第3章 ユニコーンを測る物差しとキャピタル・デザイン
IPO価格への厳しい目
上場時のバリュエーション
投資段階でのバリュエーション
キャピタル・デザイン
ダウンラウンド
セカンダリ―取引
第4章 ベンチャー・キャピタル7つの機能
第5章 米国のVCと日本のVCの違い
特別インタビュー カウフマン・フェローズ・プログラムの進化
終章
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・国内VCの散見される小粒投資は、海外トップVCを遠ざけてしまう
・成功確率が高いスタートアップへの集中的なフォローオン投資が高いリターン率とVCの信用確立に重要
・米国ではタームシートは至ってシンプル
・また、VCはスタートアップへの海外展開支援などの付加価値提供求められる(選ぶ側ではなく、優良スタートアップから選ばれる必要)
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序章ではベンチャーキャピタルとしての共通言語を丁寧に解説している一方で、米国と日本を対比しながら本質的に何が大切かを指摘。
日本のCVCの問題点、大企業とスタートアップ協業のメインストリーム化の必要性。VC、事業会社、スタートアップ、それぞれがプロとして何を価値創出するか問い続けるべきという提言。
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アメリカのVCがどういう視点で活動しているのかを簡潔にまとめた本。VCの素人である自分でもざっくりではあるがVCの世界はこういうものであると理解は出来た。ただやはりかなり専門性を問われる領域であり、VCで生き残って行くにはかなり厳しそう。日本の大企業がやっているCVCに至っては、目的や文化など著者からかなり酷評されており、うちの会社も大丈夫かな?と思うようになった。
そう言う新たな疑問が出てくる様になっただけでも、この本を読んだ価値はあったと思う。