投稿元:
レビューを見る
読み終わるとうっとりして本を置いた。華やかな平安京。時代は源氏物語の書かれた十数年後。右大臣の姫、千古。源氏物語の好きな受領の娘との出会いをきっかけに、今まで何も考えずに着ていた着物を“染める”という事に興味をもつ。お付きの女房たちと染めた布で源氏物語に出てくる襲(色合わせ)を再現したり、内緒で染工房を見学しに行ったり、意思を持って行動するお姫様になっていく。最後の華やかなシーンは圧巻で、頭の中いっぱいに光と色とが溢れた。もっと少女の頃にこの物語に出会っていたらどう感じただろう。読んで良かった。(図)
投稿元:
レビューを見る
襲を見る為に館を抜け出す千古の行動力に感心した。
多彩な襲が脳裏に浮かんで、心まで色に染まってしまいそうになる一冊。
投稿元:
レビューを見る
平安時代。染めや色に惹かれた、姫のはなし。
源氏物語にこんなに着衣が詳細に記載されていたことにも驚いた。
染めと色と同じく恋もして。
恋をするとその話にばかりになりがちだが、
衣装や色についてが主体とされてて、良かった。
投稿元:
レビューを見る
様々な色の古からの呼び名。
日本特有の呼び名は美しいが、読むだけでは難しい。
源氏物語を引きながら興味を持たせようとしてる?
文はきれいだが面白くない。
投稿元:
レビューを見る
右大臣家の姫君の千古は13歳。成人の儀式を前にして家に閉じこもらされストレスぎみ。お付きの少女小鈴と、衣の色を源氏物語の登場人物の衣装になぞらえて楽しむのが唯一のなぐさめ。そうして衣の色に興味を持ち、屋敷内の染めの職人に会うことで、染めの技術はもちろん、技術で身を立てる女の人柄にも良い刺激を受けます。
源氏物語というと女性の悲劇物語という印象だったが、当時の乙女たちには最新流行の衣装や行事が載っているキラキラしい物語だったのかもと、認識を新たにしました。
小さな恋や身内の愛情に気づく経験を経て、ラストは源氏物語のあるシーンを右大臣家の女房たちに衣装を着せて再現するという、大がかりなイベントを千古がプロデュースします。姫君としての自覚や確かな成長が見られるラストは希望があふれており、本当に良かったね!と言いたくなります。
適度にルビありですが、古典を習う中学生からの方がイメージしやすいかもと思います。
投稿元:
レビューを見る
日本古来の自然の植物から染めた色から、自分で知り行動してみることの大切さを知った千古。お姫さまの制限された暮らしの中で、その行動力にはハラハラさせられる。
宮中の建物の名称の知識や、源氏物語や更級日記など読んだことがあれば、さらに楽しめる作品。
色の種類やかさね方、また色の名前も趣があって、豊かな気持ちになった。
投稿元:
レビューを見る
与えられたものを受け取るばかりだった主人公が、自分の目で確かめてみたい、どうしてそうなるのか知りたいと思いはじめ、最後には「自分のことは自分で決めたい」と言い、行動するようになる成長の物語。襲(かさね)の色の組み合わせが美しく表現されていて、主人公たちが夢中になった雅でかわいい遊びも含めてとても素敵だった。終盤には、胸が熱くなって思わず涙した場面も。児童書としてはもちろん、大人が読んでも十分に楽しめる作品でした。