投稿元:
レビューを見る
背景と馬の変化で物語が進む、木馬定点絵本。
木馬のブランは、長い年月を経て、楽しいことも、悲しいこともある旅をします。
メリーゴーランドの木馬のブラン。名付けてもらった男の子、リボンをつけてくれた女の子、遊園地が閉園してしまった兄弟と別れても、いつもどんな状況下でも誰かを背に乗せて走ることを楽しみにしているブラン。そのまっすぐなブランにほろっとします。長い年月の中でぼろぼろになったブランは男の子(老人)と再会します。ほんのひととき(10年)同じ時間を過ごします。やがて別れが・・・。
このままブランは思い出を胸に最後を迎えるのかと思いきや、行き着いた先は。。。
ブランがまた新しく生まれ変わって誰かを背中に乗せられるようにしてくれた。その終わりが希望のある絵本です。
最初、海外の作家さんで移動遊園地などをイメージされて描かれた絵本かと思って手に取ったのですが、牡丹 靖佳さんの作品だったのですね。読んでいて子どもの頃、屋上遊園地で遊んだことを思い出しました。駅やデパートの屋上で祖父に連れて行ったもらったなあ。あの時の遊具はどうなったんだろう。と。
少し懐かしくちょっぴり切ない思いをしましたが、こちらの絵本の木馬は希望ありました。物に魂が宿り、再生されてまた生き続ける。(使い続ける)大切にする心が伝わる絵本です。「背景と馬の変化で物語が進む、木馬定点絵本。」帯に描かれた紹介を見て、何度でも絵本を楽しめました。