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新装版ということで、これは再読しなければ!と思い読みました。高校生の頃読んだ時より、今読んだ方が第1章がセンセーショナルに感じました。青春小説という言葉は不似合いな感じがします。
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今回の主人公の一人である高校三年生の隆之は、幼馴染である宏樹に魅入られ続け、気持ちを告白できない心の内の悩み・葛藤が綴られる。
もう一人の主人公となる女性の都は、隆之が通う高校の同級生で、二人の男女を超えた不思議な関係は、物語の大きな核となって話は進む。
他に数人の男女の重い関係も複雑に絡み合い、個々の迷える心理描写が見事に描かれている。
同性同士でも好きになる事は自然な現象だと私は思う。
人は異性同性に関係なく、お互いに大きな影響を分け与え合うことがあり得ると云うことだ。
気持ちの繋がりだけではなく、肉体をも含めてもっと強い絆を求めたとしても、世間が言う処の異常行動だと私は思えない。
さすが村山由佳女史は、社会の常識から弾かれた人々を描写する観察力には感服するばかりだ。
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愛情が恋愛だけでなく様々な立場で様々な形であることがわかる本。
出てくる大人(光輝以外)主人公たちに接しているように感じて、愛情は色んな形があるけどそれを愛情と勘違いをして押し付けるということやタクシーの運転手たちのような大人が多くて、光輝のような大人になっていきたいと思った。
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確かに瑞々しい!ピアノの曲全部調べちゃったし、なんなら聴きながら読んで捗ったな。どうなる北崎。柔らかくて、穏やかな愛情みたいなのを感じられる関係性でよかったな。
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Amazonの紹介より
等身大の18歳、永遠の青春小説。
気がついたら好きだった。ただ、それだけ──。20歳も年上の写真家に振り回され苦悩する、高校写真部の部長・都。彼女が新たな被写体に選んだラグビー部の同級生・隆之は、同性のチームメイトに密かな恋心を抱き、葛藤していた。傷ついた心をいたわり合うふたり。やがて、それぞれに決断の時が訪れ……。愛に悩み、性に戸惑いながら生きる18歳を瑞々しく描く、不朽の青春小説。
高校生の話なのに、大人のような艶かしさや官能が漂っていながらも、瑞々しさもあって、「リアル」な青春小説を読んだ印象でした。
魅力的なキャラクターが織りなす様々な「愛」の形を垣間見ましたが、切なすぎましたし、「愛」の難しさを感じずにはいられませんでした。
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平積みにされていたから新刊だと思って買った。
同性に恋をしたから変態なんてことない。とか好きになった相手が男か女かなんて二分の一の確率だ、とかほざく主人公に対し、
正直「LGBTQに対する一般論を偉そうに語る女が出てくるな・・・」とか思いながら読み進めていた。飽きてきて、携帯で本書を調べてみると1994年の小説だと出てきて驚いた。
まだ、今のような認識がなかった頃に、当たり前のこととしてそれを書いていたこと、それを語る主人公が周囲から変人として見られていたことに時代の変化を感じられて面白かった。
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大好き!!
私まじで都と隆之と同い年だから余計に「今」!!読めて良かった。大好き。
この人の本を読むのは初めてだったけど、すごく良かった。
正直本屋であらすじと装丁見て衝動買いしただけだったから、ここまで良いお話だとは思わなかった ありがとう。
胸が痛い。
マジで胸が痛い。
私が彼らと同い年なのもあって、すごい……他人事とは思えないくらい感情移入してしまった。
なんか静かで素敵な文章とか雰囲気なんだけど、だからこそかなしさがひしひしと伝わってくるというか、言葉を尽くして語ったりはしないのにすごく伝わってくるというか。
めちゃくちゃ入り込んじゃう感じがある。
なんか「浸透」してくる作品だった
隆之と都の関係性がいい。
それなりにやることはやってるんだけど、すごくフラットで、お互いを思いやっている感じ。
性愛とは違うけど、お互い大切な存在で、愛なんだなと思う。二人が過ごしてる時間ってそんなにたくさんあるわけじゃないと思うけど、関係性の濃密さみたいなものがちゃんと伝わってくるのすごいな。
最後のほう、隆之が宏樹に嘘つくのマジで泣けた。
ここでも相手のことを思いやるなんて優しすぎるだろ……隆之……隆之が今までどんな気持ちでいたのかわかってんのかよ……。宏樹のこと「おおらか」って評する隆之どんだけ優しいんだよ。
「おおらか」っていうか鈍感だろ。友達って思ってるのお前だけだよ宏樹!!!!おい!!!
いけない、感情的になってしまった。
「俺がいるじゃないか。お前のこと一番よくわかってんのは俺だろ?」
ここつらい。
一番わかってるのに、なんでほかの女のことしか見てないんだろう。おれじゃだめなのか?っていう……。
だめなんだよなぁ。
だめなんだよ……。
北崎とかいう男。ひどい。ずるい。
なんでそんな人をかき回すようなことばかり言うんだろう?
けど結局好きでいるのやめられないのもわかる。
あんな男に振り回される自分がバカみたいなこともわかってるけど、やっぱりどうしても体レベルで勝手に反応しちゃうんだろうな。
北崎も都に惹かれてるってこと、隆之はわかってたけど都はわかるわけないよね?
あんな意地悪な態度とられてさ!
これからどうなるんだろう。
北崎、本当にずるい男だよ。
けどいるんだよなあこういう人。
光輝さんも良かった。やさしい。読んでる最中、彼のピアノが聴こえてくるような気がしました。
けど彼の恋人嫉妬深すぎて笑う。
情熱の国スペイン。
フェルナンド・バンデスだっけ?
サブキャラも面白みがあって可愛いのが魅力やね。
最後の終わり方もめちゃくちゃ良かったな。
ピアノの音で静かにやさしく物語が終わるのが良かった。その空間が目に浮かぶような、まるでそこの空気が流れ込んでくるような、とにかく素敵な場面で、なんだかたまらない気持ちになった。
最後の終わり方だけで100点満点から200点満点に加点してしまう小説だったな。本当に大好きな結末。
この結末、冷静になったら都の子供とかの問題がなにも解決してないんだけどやっぱりすごく好きだ。
傷つくこともあったしこれからのことはわからないけど、今はとりあえず穏やかに眠っててね、みたいなやさしさを感じるラスト。
シビアな悩みを抱えてる子供たちに対しての、実にこの物語らしいアンサーだったように感じた。
読み終わった後、ベートーヴェンの悲愴を聴きながらちょっと泣いた。うまく言えないけど、読めてよかった。本当に好きだ。
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表紙に惹かれて購入。1994に初出した物語とは思えないほど今の世の中にも当てはまる物語。世間ではタブーとされてきた恋愛や性の多様性についても考えるきっかけに。
好きになったのがたまたま異性だった。
二分の一の確率。
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スピンアウト(?)作を先に読んだみたいで、「えっ?」という感じでした。
どちらを先に読むかで印象がガラッと変わってくると思います。
ただ、最後はなんだか書きっぱなしで・・・
その後、どうしてくれるんでしょうか・・・
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よかった〜!隆之が親にドカンと言った時、とてもスカッとした〜!!!
出ていけ!と言ったはなから出ていくなと言われたり、ほんと何がしたい?って思うよね。自分の思う通りにいかないからって無闇矢鱈にあたってない?親に向かってなんて口のききかただ!って怒る人すごく多いけどさ、親がそんなんじゃ示しがつかなくない?
こんなふうに育てた覚えはない!っていう人も多いけど、逆になんでそんなに自分の子育てに自信があるの?って思うよ。私は完璧にやったつもりですがどうしてこんなことになってしまったんでしょう、私はこんなふうにしたつもりはありません。って事が言いたいんでしょう?子育てなんて正解不正解ってあんまないだろうし、完璧に行えるわけないんだから、それで自分の思った通りの育ちにならないからって子供に当たるのは絶対違うと思うんだよね。これは私がまだ親という立場に立ってないからこそ言えるんだろうけど、できればこの考えを忘れずに子育てをしたいと思う。まぁ理想は子育て自体をしない事なんだけどね。
私はこの作品結構好きで、北崎を切れない都の不完全さも好きだし、隆之の心境の変化とかも好き。北崎みたいな男って客観的に見るとクズ!ってわかるのに実際にハマっちゃうと沼みたいでほんと嫌だよね〜。嫌ないい男!!
でもやっぱり親との関係性のとこが1番好きかな。
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登場人物の恋愛や性に対して、弱冠、高校生ながらも戸惑いながらも前と進もうとする描写が繊細に描かれている。
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「海を抱く」に続いて読了した。
この小説が書かれたのが30年近くも前であることが信じられないくらい、今この時代に出会っても瑞々しさと、青春の苦しさと寂しさを感じる。
読み返して一文一文をじっくりと味わい直したい。都の部屋で、都と隆之がお互いの寂しさを埋め合うようにいたわり合い抱き合うシーンは、本当に心を打たれた。
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みっともなくて、バカバカしくて、それでも儚く美しい大人への反抗。
ふたりの関係を友ではなく愛と表現するところにすべてが詰まっている気がする。
鋭いことばとやさしさに息が苦しくなる。
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この本を読み終わった今、学生時代を思い出して胸がチクチク痛んでいる。特別華やかな思い出がある訳じゃないけど、なんだかんだで楽しかったな。
自分の気持ちを抑えてまで、相手の為に動くって言うのは相当な愛と思いやりだよなー。
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ふわふわ浮遊するみたいな不思議な読後感だった。
それは多分結末めいた結末が描かれていないからだと思う。
これから都のお腹の中の子はどうなるのか北崎は帰ってくるのか、隆之と宏樹の関係はどう変わっていくのかわからないけれど、都と隆之の間にある穏やかな空気がたまらなく愛しかった。
当人以外の人々には愛だ恋だと揶揄されてしまう2人の関係は本当に綺麗だと思う。
私も誰かと一つのアメーバになりたい。ただそれだけ。