紙の本
ゼロポイントフィールド教
2023/07/31 22:22
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著者にはMartin HeideggerやHenri Bergsonをしっかり勉強していただきたいと思った
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田坂広志(1951年~)氏は、東大工学部原子力工学科卒、東大大学院工学系研究科博士課程修了、三菱金属勤務、日本総合研究所取締役、多摩大学教授、同大学院教授、内閣官房参与等を経て、多摩大学名誉教授、同大学院経営情報学研究科特任教授、グロービス経営大学院大学特別顧問・経営研究科特任教授、日本総合研究所フェロー、シンクタンク「ソフィアバンク」代表、社会起業家フォーラム代表等。
本書は、「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」に基づいて、①なぜ、我々の人生において、(科学的に説明できないような)「不思議な出来事」が起こるのか、②なぜ、世の中には、「死後の世界」を想起させる現象が存在するのか、③もし、「死後の世界」というものがあるならば、それは、どのようなものか、そして、最終的に、「死後、我々の意識は、どうなっていくのか」について、著者の見解を述べたものである。
私は、従前より生死観について関心を持っており、これまでにも、生物学者、医師、宗教学者、僧侶、社会学者、小説家など幅広い分野の識者が書いた本を読んできたが、副題の「最先端量子科学が示す新たな仮説」という記述に惹かれて、本書を手に取った。
その新たな仮説とは、現代科学の最先端分野である量子力学の世界で論じられている「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」と言われるもので、「この宇宙に普遍的に存在する「量子真空」の中に「ゼロ・ポイント・フィールド」と呼ばれる場があり、この場に、この宇宙のすべての出来事のすべての情報が、「波動情報」として「ホログラム原理」で「記録」されている」というものである。私は文系キャリアで、物質の最小単位はひも状であるとする「超弦理論」について聞いたことはあるが、特段の専門知識は持たず、この仮説には大いに興味を惹かれるものの、専門家の間でどれくらい支持されているものかは知らない。(因みに、Wikipediaほかネット上の情報はあまりない)
そして、著者は、我々が祈りや瞑想によって「自我」を静めた状態になれば、ゼロ・ポイント・フィールドに繋がることが可能となり、その結果、直観、以心伝心、予感、予知、占い的中、シンクロニシティ、コンステレーションのような「不思議な出来事」や、臨死体験、幽体離脱、故人との再会、霊媒、死者との交信、背後霊、転生、生まれ変わり、前世の記憶のような「死後の世界」を想起させる現象が起こるのだという。
また、同仮説に基づく「死後の世界」については、我々の肉体が滅びた後も、ゼロ・ポイント・フィールドに記録された我々の意識の情報は残る、即ち、現実世界の自己が死んだ後も、ゼロ・ポイント・フィールド(深層世界)の自己は(成長しながら)生き続け、最終的には、自我、人類、地球の意識を超えて「宇宙意識」に拡大・合一していく(戻っていく)とする。
そして、最終的に、「死」について、「私とは肉体である」と考えれば、現実世界で肉体が滅んだときが死であるし、「私とは自我意識である」と考えれば、自我意識がゼロ・ポイント・フィールドに移った後、いずれより大きな意識に変容していく時点で、自我意識は無くなるのだが、もし、「私とは、壮大で深遠��宇宙の背後にある宇宙意識そのものである」と気付いたならば、「死は存在しない」ことになるのだという。
著者はもともと技術者出身で、唯物論的世界観を持っていたといい、それ故に、「死」を考えるにあたっては、科学的にアプローチし、「科学」と「宗教」の間に新たな橋を架けたいと強調しているのだが、前半のゼロ・ポイント・フィールド仮説の部分はともかく、後半についてはスピリチュアルな印象が拭えず、読後感は少々微妙なものであった。(私も著者と同じく、極めて合理主義的な人間である)
この種の本を読むたびに感じることだが、「死後の世界」を経験することは誰にもできない以上、こうした議論は、結局のところ、心穏やかに生きるために信じるのか、信じないのか、に行き着いてしまうのかも知れない。。。
(尚、説明が冗長で、無闇に行間を開けているのは難。コンパクトに書けば、半分の頁数で済むだろう)
(2022年11月了)
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科学と宗教の接近については割と昔から語られていたが、田坂先生が量子科学の「ゼロポイント・フィールド仮説」の視点で「死」について論じる本。
古来、人間が理解できない事象が現れた時、人々は例えば神仏とか霊とか妖怪のような物に仮託してそういうものを合理化してきたのだろう。そして科学の知見がそうした不思議を少しずつ切り崩してきた。
氏は肉体が滅んでも意識はゼロポイント・フィールドに残ると話す。
しかし、このゼロポイント・フィールドは実証はできるのかもしれないが、我々の実感にはまだ至らないのではないか。
例えば引力であれば、リンゴが木から落ちるのを見て我々は「ああ引力だな」と思うだろう。まだゼロポイント・フィールドが我々に馴染むのにはもう少しの時間が必要なのかもしれない。
しかしそこまで待たずとも、人類は既に不条理とかを乗り越える術を身につけている。宗教でも科学でも良い。恐らく行き着く先は同じなのだと思う。
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昔読んだ手塚治虫の「火の鳥」とテーマが同じだと感じた。全宇宙の森羅万象が還っていく場所が必ずあると私も思う。
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田坂広志氏の著書は満遍なく読んできましたが、これは、氏の思索の集大成とも言えます。いや、田坂氏というより、人類の思索の集大成と言ってもよいほどの内容です。これほどの内容を新書一冊にまとめ上げた力量は素晴らしく、個人的には文句なしの「★★★★★」。
量子科学の「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」をもとに、人は死によって「現実自己」から「深層自己」へ変容することを、科学的論拠によって解き明かしていきます。また、宇宙生成から、記憶の場である「ゼロ・ポイント・フィールド」によって現在まで進化した過程(仮説)も検証。前著まで「ゼロ・ポイント・フィールド」はたびたび登場していましたが、まさにこれが集大成。「科学」と「宗教」の融合を図ろう呻吟し、量子論、宇宙論、哲学、心理学、宗教の粋を集めて、ようやく辿りついた境地がこの本と言えると思います(こちらも霧が晴れました)。
詳細は書き切れませんが、これで約1千円というのは破格です。月食も忘れて読みふけってしまいましたが、帯に「人生が変わる一冊」とあるとおり、まさに世の中の見方が一変する一冊です。
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宇宙意識と自分が同一であれば、自分の人生には意味がある。なぜならば、宇宙意識は自分の人生から多くを学び成長しようとしているから!
つまり「俺のバックには宇宙意識が付いてるぞ!」ということになるのでしょうか!
そう考えられると、大いなる物に包まれている安心感がありますね。
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可視と不可視、既知と未知、現実とオカルト、誰も踏み込まなかった紙一重の稜線に真っ向から向かった作品と感じました。表現も平易で無知な私でも飽きさせません。神秘を敬いながら勇気を持って科学の光を当てた大変好奇心のそそられる作品でした。
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かつて、「死後」についてこのように語った本があっただろうか?この宇宙のすべての情報を記憶する
「ゼロ・ポイント・フィールド」そこから この壮大な物語は始まる‐人類数千年の謎 その答えを求め‐「目次」
序 話 この本を手に取られた、あなたへ
第一話 あなたは、「死後の世界」を信じるか
第二話 現代の科学は「三つの限界」に直面している
第三話 誰もが日常的に体験している「不思議な出来事」
第四話 筆者の人生で与えられた「不思議な体験」
第五話 なぜ、人生で「不思議な出来事」が起こるのか
第六話なぜ、我々の意識は「フィールド」と繋がるのか
第七話フィールド仮説が説明する「意識の不思議な現象
第八話 フィールド仮説によれば「死後」に何が起こるのか
第九話 フィールド内で我々の「自我」(エゴ)は消えていく
第一〇話 フィールドに移行した「我々の意識」は、どうなるのか
第一一話 死後、「我々の意識」は、どこまでも拡大していく
第一二話 あなたが「夢」から覚めるとき
終 話 二一世紀、「科学」と「宗教」は一つになる
死後、我々はどうなるのか。「肉親」と再会できるのか。
「前世の記憶」「輪廻転生」は、全くの迷信なのか。
なぜ「最先端の科学の知見」と「最古の宗教の直観」が一致するのか。この本を読み終えたとき、あなたの人生が変わる。
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量子物理学のゼロ・ポイント・フィールド仮説が興味深い。
しかし、それで様々な不思議現象を全て説明するのはちょっと無理な気もする。
例えば心霊現象は、その場のゼロポイントフィールドに接触して、情報を読み取っているのだという。
ならば、そこかしこにそういった現象は現れそうなものであるが、そうでもない。
生まれ変わりも,身体的特徴が現れる場合は説明出来ない。
善人も悪人も等しくそこに回収されるのは,何となく理不尽ではないだろうか。
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科学者の目を持つ筆者が、生命の根源について語ります。
科学と宗教の間に橋を架けると、新しい世界が開くかもしれない、と。
興味深い内容です。
現代の科学は、世界の本質は 物質 であるという「唯物論」の立場。
生命、生物、意識、心、精神などはすべて
物質の化学的な相互作用の結果生まれたものであると考えます。
でも、最先端量子科学では別の見方をするそうです。
世界の本質は 物質 ではなく 波動 であり エネルギー である、と。
次のような仮説がたてられます。
「物質そのものが、原初的な次元で意識を持っているのではないか」
地球も意思を持った生命体かもしれない。
面白いです。
万物に霊魂が宿るというアニミズム的発想に似ていて
こういう考え方、日本人にはあまり抵抗がないかも。
話は138億年前の 宇宙誕生に遡ります。
大爆発(ビッグバン)によって宇宙が誕生することになるその前
そこに存在していた「量子真空」。 (この辺りで迷子になる!)
ここに「ゼロ・ポイント・フィールド」と呼ばれる場があり、
この場に宇宙すべての出来事の情報が記録されているといいます。
仮説ですが、これですべての説明がつくと筆者は語ります。
直観、以心伝心、予感、予知 といった不思議なできごとも、すべて。
神や仏や天とは、ゼロ・ポイント・フィールドのことで
祈祷や祈願、ヨガや座禅、瞑想と呼ばれるものすべてが
ゼロ・ポイント・フィールドに繋がるための心の技法。
良い運気を引き寄せるためにはポジティブな想念をもつこと。
無意識がゼロ・ポイント・フィールドから情報を引き寄せる時、
類似の情報を引き寄せるからなのだそうです。
肉体は無くなっても、自我を超越した意識はそこで存在し続け
存在するだけでなく成長し、進化する。
ここが「死は存在しない」の根拠なのですね。
最後に、現在の人類の姿はいまだ「幼年期」に過ぎないとあります。
次の時代の幕を開けるために「科学」と「宗教」の融合が必要。
科学的知性 と 宗教的叡智 が結びつくと、新たな文明が生まれ
そうなれば、争い、貧困、紛争やテロも無くなるのかもしれません。
本著では 最先端量子科学的視点から…とすべてが語られていますが
実証はどうやってするのでしょう。
結局、信じるかどうかの問題のような気がします。
私は信じたい、です。
追記:新しい世界といえば、W杯で新たな扉が開いた!☆!
ブラボ~!! ♡♪☆彡
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最先端量子科学が示す新たな仮説として「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」を提示し、その仮説が正しいならば、死後も我々の意識のすべての情報はゼロ・ポイント・フィールドに残り、徐々に宇宙意識と合一していく、すなわち「死は存在しない」ということを主張。なお、「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」とは、宇宙に普遍的に存在する「量子真空」の中に「ゼロ・ポイント・フィールド」と呼ばれる場があり、この場に、この宇宙のすべての出来事のすべての情報が「記録」されているという仮説である。
自分は極度のタナトフォビアなので、死と向き合い、死に対する思索を深めようと本書を手に取ったが、端的にいって期待外れだった。
著者が主張する「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」は根拠薄弱なトンデモ説、あるいは似非科学としか思えなかった。科学的な仮説であるならば、既存の理論等からどのような道筋で提起されたものなのか、今は無理としてもどのような条件があれば検証あるいは反証されうるのかといったことが明らかにされてしかるべきであるが、本書では、量子力学における量子真空やゼロ・ポイント・エネルギーの説明は簡単にされるものの、そこからいきなり「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」に飛躍しており、何の説明もない。根拠といえるようなことは、「原子力工学の専門家としての著者の知見から見ても、一つの「科学的仮説」として、十分に検討に値する」という著者の完全な主観である。そこから後は、「もしゼロ・ポイント・フィールド仮説が正しいのであれば」といった仮定を前提にして、不思議な現象や死後の世界についての新たな仮説が積み上げられるので、まさに砂上の楼閣である。
実際、「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」について調べてみても、著者を含むスピリチュアル系の情報以外に、量子物理学の専門家等による情報は見当たらなかった。
確かに著者の主張が本当にあるのなら、非常に興味深いし、死に対する向き合い方も変わってくるとは思うが、自分にとっては説得力がなさすぎた。
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ゼロポイントフィールドとは、まぁ結局どんなところかわからず仕舞いだろう。宇宙意識も壮大すぎてよくわからない。結局死んだあと意識はゼロポイントフィールドに移り、どうなって行くのか今ひとつよくわからなかった。
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死や奇跡を科学で論理的に説明するということですが
私には、そんなに納得性はない感じがしました。
ただし、自我の考え方や、死後の可能性については
信じなくても、そう思っていてもいいかなあと
思う内容でした。
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タイトルだけを見ると引いてしまいそうになりましたが、表紙に合わせて書かれていた「最先端量子科学が示す新たな仮説」という表現に惹かれました。この本を読むと人生観が変わる可能性があるとも帯には書かれています。
期待通りの素晴らしい内容でした、死を迎えたとしても何らかの形で残っているというイメージが私は湧きました。肉体と魂がセットになって私たちは現世を生きていますが、体が朽ちてしまっても魂は何らかの形で残っているのでしょうか。また時間をおいて読み返したくなる本でした。
以下は気になったポイントです。
・現代の科学はまだ様々な限界を持ったものである、その一つの大きな限界は、現代の科学は意識というものの本質を、まだ明確に説明できない「唯物論的科学」だからである。すなわち、現代の科学は、この世界の本質は物質であり、生命や生物も意識や心、精神も全て物質が複雑な物理的・化学的な相互作用を生じた結果、生まれてきたものである立場=唯物論の立場に立っているから。いい換えれば全てを物質の性質で説明する「物質還元主義」の立場であると言える(p53)
・複雑系科学とは、現代の科学が立脚する要素還元主義への根本的批判として生まれてきたもので、物質が複雑になっていくと、新たな性質を獲得するため、複雑な対象を要素還元主義的に分解、分析し、その結果を総合しても、対象の性質を正しく理解することはできない、という科学である(p55)
・物質という存在が消えていく象徴的な例が、光子が示す「粒子と波動の二重性」である。光子は観察の方法によって、粒子の性質を示すこともあれば、波動の性質を示すときもある。つまり、光子というものを極微の粒子だと考えても、実際には波動としての性質を示して、物質としてその位置を測定することさえもできない(p58)
・現代の科学は意識の謎を解明できない、その例としては、視線感応(何かの瞬間に、ふと視線を感じてその方を見ると誰かが自分を見ていたという体験)、以心伝心、予感、予知、占い的中、既視感、シンクロニシティ(共時性)である(p66)
・ゼロポイントフィールド仮説とは、この宇宙に普遍的存在する「量子真空」の中に「ゼロポイントフィールド」と呼ばれる場があり、この場に、この宇宙の全ての出来事の全ての情報が記録されているという仮説である(p116)その情報は、波動情報として「波動干渉を利用したホログラム原理」で記録されている、ホログラム原理とは、波動の干渉を使って波動情報を記録する原理であり、位相を変えた波動同士が互いに干渉するときに生まれる干渉縞を記録することにより高密度の情報記録を可能にし、鮮明な立体映像の記録も可能にする原理である(p121、122、131)
・量子物理学的に見るならば、我々が物質と思っているものの実体は、全てエネルギーであり、波動に他ならず、それを「質量や重量を持った物質」や「固い物体」と感じるのは、実は、我々の日常感覚がもたらす「錯覚」に過ぎない(p123)
・ホログラム原理の特長として、1)極めて高密度な情報記録��可能になる、2)記録した情報が記録する媒体の全ての場所に保存されているため、媒体の一部からも全体情報が取り出せる、一部を切り取ってもそこから全体の像が再現できる、解像度は落ちるが(p132)
・ゼロポイントフィールドにおいては、そこに記録される「過去から現在までの出来事」の情報を知ると、未来の出来事の情報も知ることができる。(p140)
・相対性理論(現代物理学)では、過去・現在・未来は同時に存在している。我々が生きている三次元の空間に、第四の次元として「時間」を加えて、四次元の時空連続体という考え方を提唱している(p147)
・類似の情報を引き寄せるため、ネガティブな想念があると、ネガティブな出来事や出会いを引き寄せ、悪い気を引き寄せてしまう、ポジティブな想念があると、ポジティブな情報を引き寄せ、結果としてポジティブな出来事や出会いを引き寄せる、引き寄せの法則により、不思議な直感、シンクロニシティ、コンステレーションが起きる(p162)
・フラッシュバック現象とは、我々の無意識がゼロポイントフィールドに繋がったときに起きるもので、人間が死に直面して最期を迎えたとき、自分の人生の全ての情景が猛烈な勢いで心の中を過ぎていくという現象である(p176)
・天才と呼ばれる人々が発揮する直感力や創造力、発想力は想像力といったものは、実は彼らの脳が生み出すものではなく、彼らの脳がゼロポイントフィールドとつながることによって与えられるものであると考えられる(p179)これは持って生まれた運の強さではなく、我々の無意識がゼロポイントフィールドにつながる能力の違いであり、これは心の技法(=ポジティブな想念を持つ)を修得することで後天的に身につけられる(p183)
・ゼロポイントフィールドに移った故人の自我意識は、仮に様々な事情から供養・慰霊・鎮魂の儀式ができなくとも、遺族が葬儀をしてあげられなくとも、いずれ救われていく。その理由は、人生の苦しみの根源であった自我(エゴ)が消えていくからである(p227)
・死者は、怨みや呪いという形で、正者に危害を加えることはない。死者の意識はゼロポイントフィールドに移行した後に、自我が消えていくため、怨みや呪いという形で誰かを攻撃するような意識ではなくなるから。死者の亡霊によって生者が攻撃され被害を受けたと伝えられる事例は、実は生者の意識が引き寄せたものに他ならない。(p238)
・遺族の方に、日々の習慣として他界した肉親を心に抱きながら「導きたまえ」「守りたまえ」と祈ることを勧めている。祈りとは、ゼロポイントフィールドに繋がる最良の方法であるから(p260)
・自我意識にとって死は存在し、それも必ずやってくる、しかし、もしあなたが、私とはこの壮大で深遠な宇宙の背後にある、この宇宙意識そのものに他ならない、ことに気づいたら死は存在しない、死というものは存在しない、この現実世界を生き、肉体に拘束され、自我意識に拘束された個的意識としての私は、この宇宙意識が138億年の悠久の旅路の中で見ている「一瞬の夢」に他ならないからである、そしてその一瞬の夢から覚めたときに、私は自分自身が宇宙意識に他ならないことを知る(p312)
2023年1月14日読了
2023年1月28日作成
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最先端の量子力学で「ゼロポイントフィールド」の存在が実証されつつある(つまりまだ実証されていないし、されるとも思えない)というのが本書の大前提となる。
筆者は自分は科学者だから、科学的に実証されないものは信用できないとしながら、この「ゼロポイント~」理論を完全に肯定し、様々な心霊現象や超能力、宗教、全てをここに結びつけ科学的に、合理的に証明できたと書く。
しかし、大元の理論が実証されていないのに、科学的にも合理的にも実証されようが無いのでは?むしろこじつけのように感じる。
もちろん、この理論が無い事(間違っていない事)が証明されていない以上、否定はできないがこれほど大きな仮説になるとそもそも実証する方法もないのでは?
例えばこの世界が「マトリックス」では無い、と証明するようなものだろう。
そのため、広範にわたる筆者の知識や博学からの説明も私には上ずって読めてしまった。
理論自体は面白くはあるので、他の著作を読んでみよう。