投稿元:
レビューを見る
本書は、沖縄返還で県民、国民を欺き、記者西山太吉の人生を破壊した自民党政府を糾弾する。さらに対米従属の政府のしたことと終わらせず「売国奴」として画策した政治家官僚個人の責任をも白日のもとに晒している。
森友問題同様に名前も顔もある個人が平然と悪さをしていることを決して忘れない。
西山さんにエールを送る。
投稿元:
レビューを見る
ずっと歴史上の出来事のように思っていたが、通読して、その本質が何だったのかを理解できた。
前半の政治家評が、はっとする。今の政治家の力量の無さを確認できる。
明らかにする。ジャーナリストの意地が伝わる。
投稿元:
レビューを見る
沖縄返還密約文書をスクープした西山太吉に佐高信が迫る。この事件に限らず、国家はこうして国民を騙してきたのだなと思った。
西山太吉は上梓後、2月に亡くなったとのこと。正に最後の告白となった。
投稿元:
レビューを見る
もともと気にはなっていたけど、書評でも何度か目にするにつけ、これは読んどかないと、と。上梓後間もなく、鬼籍に入られたということだけど、この対談時点では、自身の寿命もネタにしてしまえるくらいに元気そうなのに、分からないものですね。さておき、いわゆる”冤罪”の犠牲者として生きることを余儀なくされた氏から、直接本書のような発言を得られた意義は大きい。さすが佐高さん、って感じ。にしても改めて、一族を挙げての隠蔽体質にはあらためてうんざり。その影響が色濃く残る今の政界では、ハト派の保守本流としての宏池会と言われても全然ピンとこないし、岸田さんからは、その気概なんて欠片も感じられない訳で。
投稿元:
レビューを見る
2023年2月24日、ひとりの元新聞記者がこの世を去った。
西山太吉は毎日新聞に籍を置き、1971年に沖縄返還時の日米の
密約を暴露した。
世紀の大スクープではあったが、情報の入手先が外務省の女性
事務官だったことから後の裁判で「男女間のスキャンダル」に
矮小化され、本来であれば全力で彼を守らねばならなかった
日本のメディアは、守るどころか彼を放逐した。
「国家の嘘」と闘い続けた西山が、佐高信を相手に沖縄密約を
はじめ、昭和から今に続く政治と政治家について語った対談集だ。
毎日新聞の記者時代に大平正芳と深い付き合いのあった西山だけ
に、宏池会擁護が多い。だが、自民党を語る上で宏池会と清和会の
相違を理解できずには語れないのだろう。
だが、バランス感覚を保った宏池会も今では骨抜きになっている。
だから、宏池会に繋がりながらも考えをまったく体現していない
岸田首相のことなんて、気持ちのいいくらいに糞味噌である。
そして、西山がすっぱ抜いた沖縄密約が今でも日米関係に大きな
影響を及ぼしているのが分かる。
酷いよな。民主党政権時代、時の外相・岡田克也指示のもと、
アメリカの公文書館で実際に密約文書が発見されている。
なのに、日本には該当文書がないんだぜ。
何故なら、都合に悪い文書はぜ~~~~んぶ、焼却しちゃったから。
太平洋戦争敗戦後と何も変わっちゃいないのよ、日本政府は。
あの時も、米軍上陸前に不都合な文書を大量処分してるものね。
あ、それは新聞社もだったけど。
西山が語るように、政治家も官僚もジャーナリストも、みんな
小物になっていやしないか。
忖度と捏造と改竄が当たり前に行われるなった国は、良心的で
あったひとりの官僚を殺してしまったのだから。
昭和回顧的な部分もあるが、若い世代にこそ読んで欲しい
1冊である。
国を相手に闘ったジャーナリストに最大の敬意をっ!