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旅館にまつわる短編アンソロジー。
お気に入りは阿部さん、泉さん。
「花あかり〜」は、あれだけ嫌がっていた旅館の仕事だったが、女将である母が倒れた為に臨時で代行女将に…
ホテルとは違い、密な旅館とお客さんの距離感が旅館ならではですよね。少し空回りしてしまったけれど、将来的に戻ってきて欲しいです。
「宝塚の騎士」は、教師だった母の入院中の旅行計画に宝塚大劇場へ『遠征』行ってみたいと言う。推し活の事だったらしいが、詩織にとっては全く興味がない事で…
母は家族よりも教師である事を優先していて、
娘にとっては蔑ろにされていると思ってしまいますよね…
母の行きたがっていた宝塚の舞台を観ても退屈だった詩織に、その舞台を通して幼い頃の母との思い出が蘇ったのが唯一の救いでした。
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旅館がテーマのアンソロジー。
5編どれもハズレなしで、面白かった!
ホテルではなく、旅館だからこそのおもてなしや関わり具合が、物語に取り入れられていたように思う。
個人的には「宝塚の騎士」が一番好きだった。
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ミステリーありファンタジーありの作風が違う作品集でした。偶然かどうか、母子家庭や父子家庭など喪失感のある家族が登場していました。旅館という存在と、何か呼応するものがあるのかな。
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旅館と言っても一括りではなく、
家族との過ごした良い思い出のあるものから、
大切な人と過ごした思い出のあるものだったり、
記憶を辿ってみるものだったりと様々な形で
旅館の形が描かれていたので、それぞれの形での旅館の捉え方を味わうことが出来て楽しめました。
宇山さんの「父さんの春」は他の作品とはかなりずば抜けて面白く、
まるでコメディというかホームドラマを観ているような
面白さで読みながら笑いをこらえるのに必死でした。
「人って、恋するとバカになっちゃんうんだよ」
というのも頷けるし、最後にはこの親子を見ていると
「蛙の子は蛙だね。」と言ってあげたくなり微笑ましかったです。
羽泉さんの「ヨイハナビ」はファンタジーで、
しっとりとしていた京都から泡にまみれて違う世界に
繋がっているのが意外性があって楽しめました。
偶然かもしれませんが、母子家庭だったり、父子家庭だったりと
どの作品も両親が揃っているという設定ではなかったので、
全体的に切なさが漂う作品でしたが、
その中でも印象的だったのは「楪の里」と「宝塚の騎士」でした。
どちらも亡くなってしまった母の思い出の場所である旅館から
記憶を辿っていきそれぞれの母の姿を思い返したり、
母の気持ちと重ねてみたりとするので、
もう数十年前に自分も同じく両親を亡くしているので、
同じような思いが様々な所で重なってとても心に沁みるものがありました。
やっぱり女性というのは同じ女性同士ということもあって、
身近にいた母親の事がいつまでも気になるから
自分と比較したくもなって深く関心もあるのかなと思いました。
そして何処かで共通点を見つけて嬉しがったりするのかなとも思いました。
けれど「宝塚の騎士」での母親は教師ということで、
娘に目をあまり向けなくて、いつも教えていた生徒に
目を向けてばかりいたというのは何だか切ないというか
悲しいなと思いました。
「宝塚の騎士」はラストを飾るふさわしい終わり方で
これも見事でした。
旅館をそれぞれのテイストで味うことが出来て、
おまけに旅気分も味わうことが出来てお得な短編集でした。
この本を持ってゆっくりと温泉旅館などで寛ぐのも良いと思います。
早く旅に出て旅館に行きたくなりました。
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知っている土地の話もあって面白かった。
楪って変わった響きだなと前から思っていたけれど、この作品を通して由来が分かってなるほどとなった。
父さんの春は軽いテンポ読めて楽しかった。
宝塚好きでもあるのでナイトの正体が女性というのもコンセプトに合っていてよかった。読んでいて正体の見当はすぐについたがラストはウルっときた。
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旅館がテーマの短編集。
谷瑞恵さんによる若女将の一編がさすがにカチリと世界観が組み立てられてて、続きが読みたくなるな。
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宇山佳佑の「父さんの春」が私には合わなくて、星一つ。年代が違うからかもしれないが、オーバーな表現がとても苦手だった。
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【収録作品】「花明かりの宿」阿部暁子/「ヨイハナビ」羽泉伊織/「楪(ユズリハ)の里」谷瑞恵/「父さんの春」宇山佳佑/「宝塚の騎士」泉ゆたか
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京都にある御香宮神社の神様が大変な酒好きで、祭り好きな神様だけあって祭りに行かれないと機嫌を損ねる事もあるが、そんな時は黒田節を唄って祭り好きな神様を躍らせると機嫌が直る話や、コミュニケーション障害があったため接客が全く出来なかった父が、妻(主人公の母)に家出された後 盛岡に引っ越し、ハンバーガー屋のクルーとして働く様になり、溌剌としてバイク旅に出るほど元気な姿に変わり、息子である主人公が恋愛に失敗してコミュニケーション障害に陥る話などがあり、面白かったです。
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なんか、よかった。アンソロジーは自分にはあまり評価の高くないものが多いが、この短編旅館はよかった。
旅館には暖かいイメージがある。その良さがどの物語にも出た感じ。旅館で働く人、旅館に行く人。事情はそれぞれだけれど、そんな人たちの一期一会の出会い、的な何かを感じた。「旅館」だけでなく「家族」もこの本のキーワードかな。
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旅する人目線の物語もあれば、旅館の人目線の物語もあり。
旅先での物語だけではなく、日常メインの中に旅先の話があったり、5者5様の物語。
5作それぞれに読後感は違ったものであったが、5作目の読後感はジーンとしたものであり、5つの旅を終えたかのような感覚となった。
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ちょっと思っていたのと違う短編集だった。
ファンタジーもあれば悲しい結末っぽいのもある。
ただ「お父さんの春」はスピード感がとてつもなく親子の勘違い具合の会話吹き出しそうになった。