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ほるぷ出版「青空小学校いろいろ委員会」シリーズ。委員会を通して色々な経験をする4年1組の子どもたち。私はこちらの図書委員のお話だけ読みました。
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本田栞は本が大好きで渾名はホン子。ある日図書室で出会った二年生の男の子ユウキに繰り返し繰り返し同じ絵本を読んであげることになった。
ユウキはまだ平仮名が読めない。でも耳から聞いた言葉は忘れない。そして他の人からされたことも「しかえし」としてやり返す。それがいたずらとして受け取られてしまう。勉強も、接し方も、他の子とは違うアプローチが必要という子なんだが、ユウキくんへの接し方が大人と子どもでは違うんですよね。
ユウキの同じクラスで幼馴染で喧嘩友達のカズヤは、お互いにいたずらしあって「しかえしのしかえしのしかえしのしかえしだよ」なんて言いながらも相手がどんなやつかをわかっている。ホン子のクラスメートも突然教室に来た下級生ユウキにホンを読んであげる。
先生たち、保護者たちは「ユウキくんは専門の学校に行った方がいい」と持て余し気味。
結局は、ホン子が繰り返し同じ本を読むということが功を奏して、ユウキの学び方がわかっていく。
そしてホン子も「委員会って、自分が楽しい場所を居心地良くしてみんなにも楽しい気持ちになってもらいたいんだ」と感じる。
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いやあ、しっかりした小学生委員会だなあ。良くするためにはっきり意見を言うし、周りを楽しませることで自分も楽しむ。
そして違う学年での交流によってお互い成長するって、集団学習の理想ではありませんか。
「おかえし」はいいけど、「しかえし」はダメだよ、キリが無くなっちゃうからね。
ホン子がユウキくんに絵本を読む場面には、私は自分の読み聞かせ方法を考えてしまいました。私は小学校で読み聞かせしていますが、どうしても劇のようになっちゃうんですよね。我ながら「私のは読み聞かせではなくて無声映画の講談師じゃなかろうか」と思うくらいです。わざとじゃなくてもお話読んでいるとその場に合った声で読んでしまいませんか?びっくりしたセリフなら大きな声、緊迫場面は緊迫した雰囲気を出し、面白い場面は楽しい声色になるし、女の人なら女性らしい声で、子どもなら高い声で喋ってしまいます。
しかしそれだと耳からの情報を取り入れて自分の物にして、みたいな届き方はしないんだろうなあ、とは思います。それはこの本でも「楽しく演じる」のでは心に響かない場面もあったので、私は自分の読み方を思い悩む。わざと「演じるように読む」んじゃなくて、なんか自然にそうなっちゃうんだよなあ。