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読むことで救われることがある、とずっと忘れいた言葉を思い出した。
私はなりたいものになれないまま、人生のほとんどを生きてきたと思う。
でも、まだ間に合うのかもしれないと思わせたくれた。
救われた。まだまだこれから、できることをやっていこう。
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「何をお探し?」
区民なら誰でも本を借りられる小学校に併設されたコミュニティハウスの図書室。そこには司書を目指すために実務経験を積んでいる『森永のぞみ』さんと湯婆婆……、ではなく司書の『小町さゆり』さんがレファレンスコーナーに控える。
本作は5人の性別も年齢も境遇も異なる人が、湯婆婆……、ではなく司書の『小町さゆり』さんの選書と『付録』によって、それまでの日常から一歩だけ歩みを進め、世界と自分の見方を変えていく。
青山美智子さんの作品は伏線ではないが、別の章に別の登場人物が見え隠れするのが特徴的であり、本作も様々な場面で人々が交錯する。いずれも心穏やかな気持ちにさせる作品でした。
と言った所で少し脱線です。
文庫本の帯にデカデカと『本屋大賞 第2位!』と飾られている本作ですが、皆さんは『2位』と『ノミネート作』と、どちらの表現が印象良いと感じますか?
本作を手に取る際にふと感じたのですが、作家さんから見て『2位』と順位付けられた自分の作品に「1位を獲れなくて、ごめんね。」とか「悔しい」といった気持ちを抱くこともあるのでは?と思うと、『ノミネート作』と書かれる方が、まだ気持ち穏やかにいられたのでは?と思いました。
素晴らしい作品であることは変わりないのに誰かの物差しで測られ、格付けされるという現実に、ちょっとだけ生き辛さを感じますよね。そんな気持ちでいる私に、湯婆婆……『小町さゆり』さんはどんな『付録』と本を選書してくれるのだろう。
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青山美智子さんの作品は3つ目。
どの作品にもちょっと変わったキャラクターが出てくる。
今回は図書室、司書の小町さゆりさん。
大きくて色白らしい。
ゴーストバスターズのマシュマロマンのようで、北斗の拳の技のような速さで検索のキーボードを打つらしい。
そして、そのレファレンスサービスで薦められる本をきっかけに、登場人物たちが日頃の心の中の不安や様々の感情を前向きに捉えられるようになっていく物語。
登場人物が抱える問題や悩みは共感出来るものが多い。
それを小町さゆりさんというキャラクターが和らげてくれいる。
深刻になりすぎず、優しくまぁ~るく包みこんでくれるようです。
心が「ぽっ」と温まる、可愛らしいイメージの作品たちでした。
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文庫本で再読。
小町さんの「お探し物は何?」と問いかけで出会う本と人のつながり。
付録と相まって、前向きにさせてもらえる短編集。
やっぱり好き。
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図書館司書の小町さんに、本を紹介されて、登場人物が前向きになる話。
5章からなる短編。それぞれの章に少し繋がりのある青山美智子さんらしい1冊。
どれも、前向きになれる話で、自分に置き換えながら読めた本だった。
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【読もうと思った理由】
直近の本屋大賞で2年連続2位を取っていた青山美智子氏は、もちろん注目していた作家だった。知人の友人で、過去に一度も本を最後まで読了したことがない人がいたんだそうだ。その人がここ数年で、初めて読了出来た作家さんが、「青山美智子氏」なんだとか。ただ読了しただけでなく、どっぷり青山氏の作品に魅せられ、発売している青山氏の作品は、全て読了済みなんだとか!今まで何十年も「苦手だったもの」を、「好き」に変えてしまえる能力と魅力を持った青山氏の作品を、読んでみたくなった。
【作品の内容】
5章からなる連続短編集。
各章ごとに主人公は別々で、それぞれの主人公が人生における重要な岐路に立ち、各々悩みを抱えている。そんな折、ふと立ち寄った区が運営しているコミュニティハウスの中の図書室。そこには、ビックリするぐらい大きな体躯の司書の小町さんがいる。愛想も全くないが、「何をお探し?」という、くるむような温かみのある言葉。そこから探している本を伝えるが、必ず一冊全く違うジャンルの本が混じっている。その本から各々の主人公が、人生における大切な「気づき」を得て、新たな人生のステップを進んでいくという、明日への活力と希望が満ちていく物語だ。
【感想】
僕が読書で大切にしている、「読了後にポジティブになれる作品」というコンセプトに、これほど当てはまる作品も滅多にないであろうというのが、最初に持った感想だ。五人の主人公は、それぞれ転職・起業・出産、育児・就職・定年後という人生の大事な岐路に立っている。
たまたま訪れた、図書室の司書からオススメされた本に各々が「気づき」を得て、その後の人生を前向きに生きていく。
こういう構成の本は、過去に何度か読んだなぁと思いつつ、途中で気づいた。あっ、そうか!これは水野敬也氏の「夢をかなえるゾウ」シリーズや、森沢明夫氏の「大事なことほど小声でささやく」の構成に似ているんだ。ガネーシャやゴンママが、人生を生きていく上で本当に大切なことを、それぞれの方法で教えてくれる。そして主人公が成長し、今後の人生を前向きに生きていく。
上記に挙げた作品と大筋は似ている。
だが、青山氏の作品の独自性も明確にある。それは重要なことは、誰かから教えてもらうのではなく、あくまでも本人が「気づく」ということだ。どんなに大切な事でも、誰かから説得されたとしたら、なかなか人間素直に受け入れられない。あくまでも本人が、自分で気づかないと、納得感が得られずに腑に落ちることは、まずない。
よくよく考えると、普段の生活で同じことを経験しても、一人の人は何も感じず、もう一人の人は、素晴らしい気づきを得て、その後の人生がガラッと変わることなど多々あるなぁと。
毎日前向きに楽しく生きている人もいれば、なかなかネガティブから脱出できない人もいる。その違いは、まさしく本書が示唆している「気づき」だと思った。
今までの人生において、「気づき」を得て自分が変われた時は、どちらかと言うと順風満帆に生きている時ではなく、逆境やピンチで大変な時だった。そう思うと、逆境やピンチの時もそんなに悪くはないと思えてくる。
本書から得た気づきは、「ピンチは自分を変える最大のチャンスである」だ。
なかなか人間、自分の考えや行動・習慣を変えることは出来ない。そう思うと今後、逆境やピンチに陥っても、自分を変えるチャンスだと認識を変えるだけで、そこまで逆境やピンチも怖く無くなった。
こんな大切な気づきを得られた本書との出会いは、素晴らしい体験だった。
人生の岐路で悩んでいる方がいれば、自信を持ってオススメ出来る書籍です!
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1章読むごとに心が軽くなった。
一つ一つの言葉が気持ちよく入ってきた。
特に3章のお話は共感出来る部分が沢山あってもっと軽い気持ちで視野を広げていいんだと思えた。
青山美智子さんの作品をもっと読んでみたいと思った。
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感想
本当に探しているものは自分でわからない。だから誰かに相談して手伝ってもらう。本に教えられ、本好きに支えられる。自分もいつかお返しを。
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2021年本屋大賞のときから、大賞作よりも気になってた作家さんと本。文庫化されたので、読んでみた。
温かい気持ちになれる本だなあと感じた。
司書の小町さんが本をレファレンスしながら、訪れる人の人生における探し物を探す後押しをしている枠組みをみて、人と人の会話ってこうあれたらいいよなと解説とともに納得した。
「人生なんて、いつも大狂いよ。どんな境遇にいたって、思い通りにはいかないわよ。でも逆に、思いつきもしない嬉しいサプライズが待っていたりもするでしょう。結果的に、希望通りじゃなくてよかった、セーフ!ってことなんかいっぱいあるんだから。計画や予定が狂うことを、不運とか失敗って思わなくていいの。そうやって変わっていくのよ、自分も、人生も」
「でも、何かを始めるときにはそれが後から役に立つかどうかなんて、考えたことないですよ。ただ、心が動いたら、それだけでトライする理由になると思うんです」
「本も、そうなの。作り手の狙いとは関係のないところで、そこに書かれた幾ばくかの言葉を、読んだ人が自分自身に紐付けてその人だけの何かを得るんです」
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本屋大賞にノミネートされた時からずっと読みたかった本。
やっと読めた!
私もこの図書館に通っておまけが欲しい。
たまたまなのかもしれないけど、このおまけがお悩み解決の後押しになってるのが良い。
こういうみんなが救われてほっこりする話、癒される。
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年齢も性別もバラバラな主人公5人ともどこかしら自分に似ているので、すごく共感できた。
見方、視座が変わると、世界が変わる。
すごく前向きになれた。
「何をお探し?」と問いかけられて初めて自分は何を探してるのか、自覚できたりする。
本当の自分は何を求めてるのかがわかって、それに向かって行動して初めて、意外なきっかけ、チャンス、ヒントが与えられんだな。
それにしても司書の小町さゆりさんの私生活が気になる。その辺が明らかになる続編希望!
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不愛想だけど聞き上手な司書・小町さゆりさんが、本と可愛い付録で、探し物のサポートをします。
『何をお探し?』
探している物は何だろう。本なのか、仕事なのか、それとも人生なのか。
自分が本当に探している物は気づいてないだけで案外近くにあったりする。それに気づけたらいいなと、この物語を読んで思いました。
章ごとに登場人物の視点は変わるけど、最後まで読むとそれぞれ繋がりがあり、こういう温かい繋がりや優しさが今の世の中にも必要ではないかと感じました。
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今の私にぴったりフィットした本でした
二章の諒 35歳の話は、今の私の悩みと同じものでしたし、夏美40歳の話はまさに今日の出来事とリンク!!
様々な例えで小町さんを表現するのも見どころ!
私は銭天堂の紅子さんを想像しました
そして桐山くん!グッジョブです!!
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捻くれているので序盤はこういうやつね、はいはい、、、という感じで読んでたんだけど、
読み進めていくうちにだんだん、
あ、物事ってこういう風に捉えたら世界の見え方180度変わるかもなあ、って思えたり、
とにかく今の私にとって必要な本でした。
読んで良かった、ありがとう。
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これからの生き方?に迷っている
登場人物が、図書室に出向き
そこにいる司書の小町さんに選書をしてもらう。
小町さんの選ぶ図書の中に、
自分の求める本の分野ではない本が一冊紛れている。
なんでこの本を選んでくれたんだろうと疑問に思いながらも、その本を手に取ることで様々な物語が広がる短編小説。
自分の今の生活と重なるストーリーもあって、
ぐさぐさ心にささった。
今の人生を見つめ直せる素敵な本。
本の大切さ、読書の素晴らしさを改めて感じることができる。
何度も見直したい。