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出口さんが選んだ5冊の古典について解説がなされ、その内容について理解を深めるために、参考書籍が紹介されている。さらに質疑応答のコーナーがある。とても深みのある1冊だ。紹介されている本、すべて読んでみようと思わせるだけでなく、やはり古典を読まないといけないな、と痛感させられる。
1冊目に「種の起源」を持ってきているのはさすが。自然淘汰っていうのは単に運がいいだけ。適当なタイミングで適当な場所にいることが運。
だから、素直な気持ちで広い視野を持つこと、いつ何がおきても何とかできるように自分の体調管理をしっかりすることが最低条件だとか。納得である。
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歴史である古典を感情と背景ロジック、比較する数字や先端研究の知見から解き明かす術は著者が群を抜いている。
事象を読み解く際には、鳥図の視点、抽象化、一旦離れて見るのが良いとされるが、類型化とヒトの本質を重ねるロジックは飛躍せず読者と常に共にあろうとしている。
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出口治朗氏がセレクトした5冊の古典。
読み方、楽しみ方についての講義が本になったもの。
おまけとして、
関連ブックガイドと受講者との質疑応答も。
ダーウィンの『種と起源』の進化論。
自然淘汰で大切なのは、「運と適応」。
強いものが生き残るとは限らないのだとか。
「運」とは、適当なタイミングで適当な場所にいること。
その上で、目の前で起きていることに「適応」する。
例えば、ご自身が関わられたライフネット生命。
「いいものが売れるのではなく、売れたものがいいもの」
最初はスマホでの契約など考えていなかったとか。
ところが、世の中はスマホ主流へと向き、軌道修正。
適応することの大切さを痛感されたそうです。
そして、働き方についても。
まずは頑張ること。
でも、そこで咲けないとわかったらチェンジしていい。
それが適応。
咲けないのは、不適応ということ。
「運と適応」と言われると気持ちが楽になります。
『ソクラテスの弁明』も『歎異抄』も
弟子のプラトンや唯円の存在あってのこと。
弟子たちが書籍にしたことで後世に残りました。
「書物として残すことで学問は育つ。
日本は残すことに鈍感な国。
社会にとっての損失だと考える」
と、出口氏は警鐘を鳴らします。
他に ヴェルヌの『地底旅行』、
ロックの『市民政府論』が取り上げられています。
出口氏は複雑なことも分かりやすく
時には関西弁を使ってさらっと言ってのけます。
例えば、ジンギスカンについて。
「今から行くから城門を開けといてくれ。
俺を主人と認めたら税金をまけるし、
今まで通りやってええで」と言って開城させたとか。
これは残虐だったとは言えないという説明です。
抵抗したところは徹底的に皆殺し。
これは織田信長も一緒で
選択と集中のセンスがあったのだと。
出口治朗氏は2021年に脳出血で倒れ
一年後には立命館アジア太平洋大学に復帰されました。
「執筆はボールペンを使って左手でやっている」って、凄い!
コロナ禍での闘病とロシアとウクライナの対立。
それでも出口氏はあとがきにこう記します。
「世界全体を見れば、
歴史は正しい方向に進んできたと思っている。
意見の対立はあっても、
世界は分断ではなく協調に向かっている。
予測できない事態に備えるのであれば
古典を読むのが一番。
ケーススタディになるので」
世界の歴史を見据えた方の前向き発言。
出口氏の存在と同様、希望を与えてもらいました。
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このような形(古典の紹介)でも、その背景を歴史的にしっかりと教えて頂き、分かりやすい。そして、出口さんは、いつも「ふつうの人間」がどう感じるか、どう振る舞うか、という視点から歴史の動きの「理由」を教えてくださるので、スーッと入ってきます。次の古典紹介も魅力的です。
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出口さんの本は相変わらず面白い。
本を読むのは面白いから!
ついつい、勉強のためにって思って読んでいるときがあるけれど、面白いと思って読まないと効率も悪い。
自分に合った仕事を探すのと同じでとにかく行動して自分に合う本を探しまくるのが1番なのだと思った。
たくさん本が紹介されていたので、また読んでいこう
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読んだら古典を読んでみたくなる本では無かった。しかし読まなくても、何を言わんとした古典なのかは理解できた。何より、過去の考えも所詮人の考え、今を生きる指南になる事ほ確かである。
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この本は、出口さんが行った講義がもとになっています。自分もその講義を聴講していたので、当時のことを思い出しながら読み進めました。内容としては、出口さんオススメの古典5冊を紹介しつつ、その当時や前後の時代背景や流れについて話が及んで行きます。また、関連する書籍の紹介もされていて、これらも読んでみたいなと思いました。
ここで取り上げられるような古典は、社会の歴史の授業の中で単語として出てきて覚えていたのみで、実際はどれも読んだことがなかったけれども、古典はその内容が面白いから今に残っているんだということが、本当によく分かりました。これからもいろんな古典を読んで行きたい、そう思わせてくれる一冊です。
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古典というと、どんな作品が思い浮かぶだろう。『カラマーゾフの兄弟』や夏目漱石が思いつくくらいだけど、古典というにはまだ新しいかもしれない。なら源氏物語や平家物語あたりか。なんて思いつつ、本書を開くと出てくるのは『種の機嫌』、『ソクラテスの弁明』、『地底旅行』、『市民政府論』、『歎異抄』の五編。科学、哲学、政治、宗教あたりについてのテーマで集めたのかなといったところ。光文社から出ている本だから、基本は光文社古典新訳文庫がラインナップされている。合わせて読みたいということで、それ以外の本も挙げられているから、そこは良心的だろう。出口氏らしい語り口で読みやすく、出てくるエピソードも自分の経験と照らして、こういうことなんちゃうかな、と解説してくれる。楽しい本だった。
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出口さんの本は本当に分かりやすい。
どうすればここまで読み込めるのだろう。
度々言われる「数字」、「ファクト」、「ロジック」が大事でそこが筋が通っているから古典として読み継がれているのだろう。
本書では「ソクラテスの弁明」、「市民政府論」、「歎異抄」の章が面白く読めた。
プラトン、ソクラテスによって哲学はほぼ完成されており、二人が書物に残したことが現在も学問となっていること。不知を自覚している面倒くさい確信犯的なソクラテスおじさん。
ロックは自然状態にある人間は仲良しとするがそれでも争いはあるので仲裁のため国家が必要とする社会契約説を唱える。
一方、自然状態にある人間はエゴだらけで常に争いが絶えないため強権で取締るための国家が必要とする社会契約説を唱えるホッブス。
同じ国家のあり方を論じてもこうも真逆な発想になるのは面白い。
選挙を通じて政治に参加しなければホッブス寄りの社会になってしまい今の日本の姿がそれ。
宗教はどれも根っこは同じで信者獲得のための戦略、キャンペーンの違いにより枝分かれしたように感じた。
人間は元来、面倒くさがりで楽な方へ流されるものでそれを自覚しながらいいとこ取りしても後ろめたくしないのが宗教の役割かも。
いずれの章も偉人たちの様々な要素を分解し真理を突き詰めてきた様子が伺えた。
そして古典はケーススタディである。
特に歎異抄は一度挫折したので再チャレンジしたい。
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多読家の出口さんがセレクトした5つの古典が、読みやすく紹介されています。学生時代に歴史の授業でタイトルは習ったことがあるくらい有名な古典ばかりですが、どれも読んだことはないものでした。5つの古典と合わせて読むと理解が深まりそうな関連本も多数紹介されています。
(1)「種の起源」ダーウィン(渡辺政隆訳)(「進化とは何か ドーキンス博士の特別講義」他)
(2)「ソクラテスの弁明」プラトン(納富訳)
(3)「地底旅行」ヴェルヌ (高野優訳)
(4)「市民政府論」ロック(角田訳)
(5)「歎異抄」唯円
古典は難易度が高く、きっとその古典自体を読んでもなかなか理解できなかったと思うけれど、出口さんの解説は現代の問題と照らし合わせて説明されたり、分かりやすい例えを用いながら説明されているので、読みやすかったし、それぞれの古典に興味も沸きました。これをきっかけにまず1冊、古典に挑戦してみようかな!と思いました。
出口さんが古典を読む理由として「はじめに」であげている3つの理由にとても納得させられたので、記録に残しておきたいと思う。この理由を見て、より読んでみたいという気になります。
①人間が過去に残してきた記録をしっかり読めば、世界で起きているいろんなことが理解できるから。
②古典を読むと楽しい人生になるから。楽しい人生=「知識」×「考える力」。美味しいご飯を因数分解すると、その解は、色々な材料を集めて、上手に料理すること。楽しい人生も同じで、いい材料が「知識」、料理することが「考える力」。考える力も、レシピを真似するように、古典に書いてあることを真似しながら考える力を鍛えればいい。
③古典は世界中で読まれているから、世界中の人との共通の話題となりえるから。人間のコミュニケーションは、シンプルに言えば、共通項の数で決まるから、同じことを知っている人とは話しやすい。世界的に見て最強の共通の話題は古典であると。
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古典は、いつか読もうと思って買ってきてるんだけど、なかなか手が伸びることがないからいつまでも積読になってる。でもこの本で取り上げている五冊は一冊もなかった…
物語というかテーマというか、そういうものに興味がある時期、そういう古典に出会えれば読めると思うのだが、なかなか、読んでおくと良さそうだからという理由で手に入れたり借りたりした本は大抵読まないし、読み始めても苦痛になるだけだったりする。
でも、この本で取り上げてる種の起源や、地底旅行、歎異抄は読んでみたいなと思ってる。